遺品整理と実家の片付け / 手順

遺品整理の相見積もりの取り方:比べる項目と断り方の文例

この記事のもくじ
  1. 相見積もりの前に準備すること
  2. 業者への依頼と訪問見積もりの進め方
  3. 見積書で比べる項目の表
  4. 断り方の文例と、決めた業者に最後に確かめること

遺品整理の相見積もりは、同じ条件を伝えた3社前後に訪問見積もりを頼み、合計額ではなく「内訳・追加料金の条件・解約料・処分を運ぶ許可業者」をそろえて比べるのが基本です。国民生活センターも、遺品整理を頼むときは複数の業者から見積もりを取り、契約内容と料金を比べるよう助言しています。断るときは、理由を細かく言わずに短く伝えれば十分です。この記事では、頼む前の準備から、当日の立ち会い、比べる表、断る文例までを順に示します。

相見積もりの前に準備すること

業者ごとに違う条件を伝えてしまうと、出てきた金額を比べられません。電話をかける前に、次の5つをメモにまとめておきます。

  1. 家の条件:住所、間取り、階数、エレベーターの有無、トラックを止められる場所。
  2. 物の量が分かる写真:部屋ごと、押し入れ・物置・ベランダ・庭まで。
  3. 残す物・探してほしい物:通帳や権利証などの書類、写真、形見。探してほしい物の一覧は遺品整理で探すべき貴重品と書類:相続手続きに必要な物のリストを使うと漏れにくくなります。
  4. 頼みたい作業の範囲:仕分けから処分まで全部か、運び出しと処分だけか。清掃や供養を頼むか。
  5. 希望の時期と立ち会える日:明け渡しの期限などがあれば、その日付。

相続人が複数いるときは、この段階で「何を残すか」「費用を誰がどう負担するか」を話しておきます。見積もりの後でもめると、契約が遅れてキャンセル料の心配が出てきます。

業者への依頼と訪問見積もりの進め方

電話やフォームで依頼するときは、同じ文面を各社に送ると条件がそろいます。

依頼の文例:「〇〇市の実家(2DK・アパートの3階・エレベーターなし)の遺品整理について、訪問見積もりをお願いします。仕分けから運び出し、処分までを希望します。冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコン各1台があります。他社にも見積もりをお願いしています。見積もりに費用がかかるか、見積もり後にお断りした場合に費用が出るかも教えてください。」

訪問見積もりの当日は、次の点を確かめながら立ち会います。

  • 全部の収納を開けて見せる:見せていない場所の物は、当日の追加料金の原因になります。
  • 残す物の置き場所を示す:「この箱とこの棚は残す」と口で伝え、見積書にも書いてもらいます。
  • 処分を運ぶのは誰かを聞く:家庭の不用品を廃棄物として運ぶには、市町村長の一般廃棄物収集運搬業の許可か市町村の委託が要ります(廃棄物処理法7条1項)。自社が許可を持っているのか、提携する許可業者が運ぶのかを聞き、その業者名を書いてもらいます。許可業者かどうかは、実家のある市区町村の一覧や清掃担当の課で確かめられます。
  • その場で契約しない:国民生活センターには、見積もりの日にせかされて契約し、解約を申し出たら高額なキャンセル料を求められた相談が寄せられています。「全社の見積もりがそろってから決めます」と伝えます。

見積書で比べる項目の表

見積書がそろったら、合計額の前に、次の表に書き写して比べます。国民生活センターの見守り新鮮情報(2025年10月)が確かめるよう挙げている項目(作業日、作業内容、料金、支払方法、解約料、追加料金の可能性)に、許可と買取の扱いを加えたものです。

比較表:遺品整理の見積書で見る項目
項目 A社 B社 C社
合計額(買取額を差し引く前)
作業員の人数・日数
トラックの大きさ・台数
処分費の計算のしかた
処分を運ぶ許可業者の名前
含まれる作業(清掃・供養など)
追加料金が出る条件と金額
解約料(いつから、いくら)
支払方法と支払う時期
買取の有無と古物商許可

表を埋めると、空欄が残る業者が見えてきます。空欄は、聞けば答えてもらえる項目です。答えがあいまいなまま契約しないことが大切です。

比べるときの考え方は次のとおりです。

  1. 買取額を差し引く前の金額でそろえる:買取を差し引いた金額だけを見ると、作業費が高いのに安く見えることがあります。
  2. 追加料金の条件を最重視する:「当日の物量で変動」とだけ書いた見積書は、上限が見えません。どんなときに、いくら増えるかを書いてもらいます。
  3. 含まれる作業をそろえる:清掃や供養が入っている業者と入っていない業者を合計額だけで比べると、判断を誤ります。

費用の内訳の読み方そのものは遺品整理の費用は何で決まる?間取りから目安をつける方法と見積書の内訳で詳しく扱っています。

断り方の文例と、決めた業者に最後に確かめること

選ばなかった業者には、早めに短く断ります。理由を詳しく説明する必要はありません。

メールでの断り方:「先日は〇〇市の実家の遺品整理について、お見積もりをいただきありがとうございました。家族で検討した結果、今回は別の業者にお願いすることにいたしました。ご対応いただき、ありがとうございました。」

電話での断り方:「先日お見積もりいただいた〇〇です。今回は見送らせていただくことになりました。お時間をいただきありがとうございました。」

それでも「今日決めれば安くする」「キャンセル料がかかる」などと言われたら、見積もり前に聞いておいた答え(見積もり後に断っても費用はかからない)を伝え、その場で契約書に署名したり、代金を払ったりしないでください。強い勧誘や不当な請求で困ったときの対処は遺品整理のトラブル:作業後の高額請求・不法投棄を防ぐ方法と相談先にまとめています。

決めた業者には、契約の前に次を確かめます。

  • 見積書の内容が、比較表に書き写したとおりになっているか
  • 作業日と、立ち会いの方法(立ち会えない場合の報告のしかた)
  • 残す物の一覧が、契約書か見積書に添えられているか
  • 支払いは作業の完了を確かめた後か

遠方で当日に立ち会えない場合の頼み方は、遠方の実家の遺品整理:立ち会いなしで頼む時の確認と鍵の預け方が続きの記事です。

よくある質問

Q. 相見積もりを取っていることは業者に伝えるべきですか?

伝えてかまいませんし、伝えたほうが話が早く進みます。「他社にも見積もりをお願いしています」と言っておけば、その場での契約を迫られたときに断る理由にもなります。他社の金額を見せて値下げを求めるかどうかは自由ですが、値下げの代わりに作業の範囲が削られていないかは書面で確かめます。

Q. 何社に頼めばよいですか?

決まった数はありませんが、比べるには2社以上が要ります。3社前後に頼むと、金額が飛び抜けて高い・安い業者が分かりやすくなります。訪問見積もりには1社ごとに立ち会う必要があるので、遠方なら同じ日に時間をずらして頼むと移動の負担を減らせます。

Q. 見積もりの後で物が増えたら、金額は変わりますか?

見積もりのときに見せていない物置や押し入れの物があれば、当日に追加料金を求められる原因になります。見積もりの日には、物を置いている場所をすべて開けて見てもらい、「見積もりに含まれる範囲」を見積書に書いてもらいます。後から物が出てきたときの扱いも、追加料金の条件として書面にしておきます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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