遺品整理と実家の片付け / チェックリスト

遺品整理業者の選び方:許可・見積もり・立ち会いで確かめる7点

この記事のもくじ
  1. 遺品整理業者を選ぶ7つの確認点
  2. 確認点①②:許可の種類と、市区町村での確かめ方
  3. 確認点③〜⑤:見積書と契約の書面に書かせること
  4. 確認点⑥⑦:立ち会い・残す物・処分の行き先
  5. 選ぶ前に知っておきたい広告の読み方と、困ったときの相談先

遺品整理業者を選ぶときは、次の7点を契約の前に確かめます。①家庭の不用品を運ぶ一般廃棄物収集運搬業の許可(自社が持つか、どの許可業者が運ぶか)、②買い取りをするなら古物商許可、③訪問見積もりと内訳つきの見積書、④追加料金が出る条件、⑤解約料と支払いの時期、⑥残す物の指定と作業への立ち会い、⑦家電4品目と処分の行き先。 料金の安さや広告の大きさは、許可の有無とは関係がありません。この記事は業者選びの確認点を全部まとめた記事です。見積もりの比べ方や費用の内訳は、それぞれの記事に渡します。

遺品整理業者を選ぶ7つの確認点

最初に全体を一覧にします。電話で問い合わせる段階で①②⑤を聞き、訪問見積もりで③④⑥⑦を確かめると、無駄な訪問を減らせます。

チェックリスト:遺品整理業者の7つの確認点
番号 確認点 何で確かめるか 根拠・出典
① 一般廃棄物収集運搬業の許可(または市町村の委託)。自社で持たないなら、運ぶ許可業者の名前 実家のある市区町村の許可業者の一覧、清掃担当の課 廃棄物処理法7条1項、環境省
② 古物商許可(買い取りをする場合) 許可証・行商従業者証の提示 古物営業法3条、国民生活センター
③ 訪問見積もりと、内訳つきの見積書 書面(電話の概算だけで決めない) 国民生活センター(2025年10月)
④ 追加料金が出る条件と金額 見積書への書き込み 同上
⑤ 解約料(いつから・いくら)、支払方法と支払う時期 見積書・契約書 同上
⑥ 残す物の指定と、作業への立ち会い 残す物の一覧を書面で渡す 同上
⑦ 家電4品目の引き取りと、処分の行き先 家電リサイクル券の控え、運んだ許可業者の名前 環境省

この7点のうち、どれか一つでも「口頭では大丈夫と言われたが書面にない」状態なら、契約の前に書き足してもらいます。答えをはぐらかす業者は、その時点で候補から外してかまいません。

確認点①②:許可の種類と、市区町村での確かめ方

遺品整理という作業そのものではなく、何を運ぶか・何を買うかによって、要る許可が決まります。

許可 誰が出すか これで何ができるか これではできないこと
一般廃棄物収集運搬業の許可 市町村長(市町村ごと) 家庭から出た不用品を廃棄物として集めて運ぶ(廃棄物処理法7条1項) 別の市町村での収集運搬
古物商許可 都道府県公安委員会 使われた物を買い取る・売る(古物営業法3条) 家庭ごみの回収
産業廃棄物処理業の許可 都道府県知事など 事業活動から出る産業廃棄物の処理 家庭ごみの回収(環境省)

環境省は、家庭ごみを回収できるのは一般廃棄物処理業の許可を持つ業者で、産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では家庭ごみは回収できないと案内しています。許可は市町村ごとなので、業者の本社がある市の許可ではなく、作業する実家のある市町村の許可が要ります。許可には有効期間があり、更新が必要です(同法7条2項)。

許可の確かめ方は、次の順が確実です。

  1. 実家のある市区町村のウェブサイトで「一般廃棄物収集運搬業 許可業者」を探す(許可業者の一覧を公開している市区町村もある)。
  2. 一覧が見つからなければ、清掃担当の課に電話で尋ねる。
  3. 業者から聞いた許可業者の名前が、その一覧や回答と一致するかを照らし合わせる。

市区町村への問い合わせの例:「〇〇町にある実家の遺品整理を業者に頼む予定です。家の中の不用品を運んでもらうのに、町の許可を持っている業者を教えていただけますか。〇〇という会社が許可業者かどうかも確かめたいです。」

遺品整理業者が自分では許可を持たず、許可業者と組んで運ぶ形もよくあります。この形を取るときに見るのは、実際に運ぶのが許可業者本人かどうかです。許可業者は、受けた収集運搬をさらに他人に任せること(再委託)を禁じられています(同法7条14項)。見積書には、運ぶ許可業者の名前を書いてもらってください。なお、許可業者が受け取れる料金は、廃棄物の収集運搬と処分の部分について、市町村が条例で定める手数料の額を超えてはならないとされています(同法7条12項)。仕分けや箱詰め、清掃などの作業料はこの上限の外なので、見積書で廃棄物の部分とほかの作業を分けて書いてもらうと比べやすくなります。

許可なく一般廃棄物の収集運搬を業として行った者には、5年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金という罰則があります(同法25条1項1号)。国民生活センターも、無許可業者による処分は法律違反で、不法投棄のおそれがあるとしています。

買い取りをしてもらうなら、古物商の許可証(出張先では行商従業者証)の提示を求め、許可した公安委員会と番号を控えます。古物商は買い取る相手の住所・氏名・職業・年齢を確かめる義務があるため(古物営業法15条1項)、本人確認書類の提示を求められるのは正当な手続きです。売れる物の見分け方は遺品整理の買取:売れる物の見分け方と買取業者の確かめ方で扱います。

確認点③〜⑤:見積書と契約の書面に書かせること

国民生活センターの見守り新鮮情報(2025年10月)は、遺品整理を頼むときに、複数社の見積もりで契約内容と料金を比べ、作業日・作業内容・料金・支払方法・解約料を確かめ、追加料金が出る可能性も事前に確かめるよう助言しています。見積書をもらっていなかったために、聞いていた額より大きな請求になった相談も寄せられています(事例は遺品整理のトラブル:作業後の高額請求・不法投棄を防ぐ方法と相談先に載せています)。

見積書に書かれているかを、次のリストで確かめます。

  • 作業日と作業時間、作業員の人数、トラックの台数
  • 作業の範囲(どの部屋・物置・庭まで含むか)
  • 料金の内訳(作業料、廃棄物の収集運搬・処分の費用、家電リサイクル料金、オプション)
  • 追加料金が出る条件(見せていない収納から物が出た、階段での運び出しなど)と、そのときの金額
  • 解約料(キャンセル料)がいつから、いくらかかるか
  • 支払方法(現金・振込など)と、支払う時期(作業完了の確認後か)
  • 買い取りがあるなら、買取額と、それを差し引く前の合計額

電話だけの概算で決めず、家の中を見てもらう訪問見積もりで書面を受け取ることが基本です。数社の見積書を並べて比べる表と、選ばなかった業者への断り方は遺品整理の相見積もりの取り方:比べる項目と断り方の文例に、内訳の読み方は遺品整理の費用は何で決まる?間取りから目安をつける方法と見積書の内訳にまとめています。

契約した後に解除できるかは、契約の形で変わります。訪問販売の形で契約した場合は、法定の書面を受け取った日から8日以内なら解除できるのが原則ですが、自分から業者を家に呼んで契約した場合は、この規定が適用されないことがあります(特定商取引法9条、26条6項1号)。出張買取で品物を売った場合は「訪問購入」に当たり、8日以内のクーリング・オフの対象になりますが、対象外の品目や一部しか適用されない取引もあります。範囲は遺品整理の買取:売れる物の見分け方と買取業者の確かめ方で説明しています。解除できる前提で契約しないのがいちばんの備えで、当てはまるか迷うときは消費者ホットライン188で消費生活センターに確かめます。

確認点⑥⑦:立ち会い・残す物・処分の行き先

国民生活センターは、残す物と処分する物をはっきり分け、作業にはできるだけ立ち会うよう助言しています。残す約束をした物まで処分され、取り戻せなかったという相談が国民生活センターに寄せられています。

立ち会いの日にやることは次のとおりです。

  1. 作業の前:残す物を置いた部屋や箱を業者と一緒に見て回り、残す物の一覧(写真つきだと確実)を渡す。通帳や権利証などの探し物があれば、見つけたときの扱い(その場で手渡す・箱にまとめる)を決める。探す物の一覧は遺品整理で探すべき貴重品と書類:相続手続きに必要な物のリストを使えます。
  2. 作業の途中:見積もりと違う作業や追加料金の提案があれば、その場で了承しない。国民生活センターは、作業前に見積もりと違う提案をされたらきっぱり断るよう助言しています。
  3. 作業の後:残す物がそろっているか、運び残しや傷がないかを見てから、作業完了を確かめる。支払いは確認の後にし、領収書を受け取る。

処分の行き先も確かめます。テレビ、エアコン、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機の家電4品目は、家電リサイクル法により小売業者などが引き取り、リサイクル料金と収集運搬料金がかかります。環境省は、家電リサイクル券の番号で引き渡しを確かめられると案内しているので、業者に引き取りを頼んだときは券の控えを受け取ります。ほかの廃棄物は、見積書に名前のある許可業者が運んだかを作業後の書面で確かめます。

遠方で当日に立ち会えない場合は、残す物の指定、写真での報告、鍵の受け渡しを契約の前に書面で決めておきます。手順は遠方の実家の遺品整理:立ち会いなしで頼む時の確認と鍵の預け方が続きの記事です。

選ぶ前に知っておきたい広告の読み方と、困ったときの相談先

業者のサイトや広告を見るときは、次の3点を許可の代わりにしないことが大切です。

  • 「定額パック」「トラック積み放題」の金額:国民生活センター(2022年11月)は、広告の定額料金と作業後の請求額が大きく違った不用品回収の相談を公表しています。パックに含まれる量・人数・処分費の範囲を電話の段階で聞きます。
  • 民間の資格や団体の認定:作業の知識の目安にはなりますが、法律上の許可ではありません。
  • 広告の大きさや検索の上位:国民生活センターは、大きく広告している業者が許可業者とは限らないと指摘しています。

遺品整理に限らず、空き家になった実家の片付けや、親が元気なうちの生前整理を業者に頼む場合も、確かめる7点は同じです。片付けの後の家の扱いは空き家の管理方法:月1回の点検項目と管理サービスの選び方で、家族で進める全体の流れは遺品整理のやり方と進め方:始める時期・自分でやる手順・業者に頼む判断で確かめられます。孤独死などで清掃が先に要る場合は特殊清掃の費用と業者の選び方:孤独死の後に家族がやることを見てください。

契約した後に高額な請求をされた、残す物を捨てられたといったトラブルでは、その場で払わず、記録を残して188に相談します。対処の順番は遺品整理のトラブル:作業後の高額請求・不法投棄を防ぐ方法と相談先に、窓口の番号と受付時間は相続手続きの無料相談窓口一覧:登記・税・売却まで番号と受付時間にまとめています。片付けが気持ちの面でつらく、業者選びまで手が回らないときは、遺品整理がつらい・うつのような気分が続く時:急がない進め方と相談先で任せ方を整理しています。

よくある質問

Q. 「遺品整理士」などの資格を持つ業者なら安心ですか?

業者のサイトに書かれている遺品整理の資格の多くは、民間の団体が認定するものです。作業の知識を学んだ目安にはなりますが、法律で定められた許可ではありません。家庭の不用品を運ぶための一般廃棄物収集運搬業の許可(または許可業者が運ぶ形)と、買取をするなら古物商許可を、資格とは別に確かめてください。

Q. 実家のある市町村に、許可業者がほとんどいません。

一般廃棄物収集運搬業の新しい許可は、市町村が自分で収集運搬するのが難しい場合などに限って出されるため、許可業者が少ない市町村があります。その場合は、市町村の清掃担当の課に、遺品整理で出るごみをどう出せばよいか(許可業者の名前、粗大ごみの申し込み、処理施設への自己搬入)を直接尋ねるのが近道です。

Q. 親が元気なうちの生前整理や、空き家の片付けでも同じ確認が要りますか?

要ります。誰の持ち物か、亡くなっているかに関係なく、家庭から出る不用品を業者が廃棄物として運ぶ以上、その家のある市町村の許可(または委託)が必要です。買い取りがあれば古物商許可も同じように確かめます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

遺品整理の相見積もりの取り方:比べる項目と断り方の文例

遺品整理の費用は何で決まる?間取りから目安をつける方法と見積書の内訳

遺品整理のトラブル:作業後の高額請求・不法投棄を防ぐ方法と相談先

遺品整理のやり方と進め方:始める時期・自分でやる手順・業者に頼む判断