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相続の行政書士費用:協議書作成と相続人調査の報酬の目安と見積もりの見方

この記事のもくじ
  1. 相続の行政書士費用の調べ方:3つの情報源
  2. 日行連の統計で見る相続の業務ごとの報酬
  3. 実費と、合計の目安の計算例
  4. 見積書で確かめる6項目と依頼文の例
  5. 行政書士と司法書士、どちらに頼むと費用が抑えられるか

相続で行政書士に頼む費用は、行政書士の報酬と、戸籍の手数料などの実費の合計です。報酬は事務所ごとに自由に決まりますが、目安は日本行政書士会連合会(日行連)の令和7年度報酬額統計調査(2026年1月実施)で調べられます。この調査では、遺産分割協議書の作成の報酬が平均69,752円、最も多かった金額(最頻値)が55,000円でした(消費税込み、実費は含まない)。この記事では、相続の業務ごとの統計の読み方と、事務所の掲示・見積書で確かめる項目をまとめます。

相続の行政書士費用の調べ方:3つの情報源

報酬の目安を調べる手段は3つあります。

情報源 分かること 使い方
日行連の報酬額統計調査 業務ごとの全国の平均・最頻値・最小〜最大 「だいたいどのくらいか」の目安にする
事務所の報酬額の掲示 その事務所の料金 行政書士法10条の2で、事務所の見やすい場所への掲示が義務になっている。面談のときに見る
見積書 自分の件の報酬と実費 条件をそろえて2〜3の事務所で比べる

日行連の統計は、行政書士法10条の2第2項(行政書士会と日行連は報酬額の統計を作って公表するよう努める)に基づくもので、5年に1度の全国調査です。最新の令和7年度調査は2026年1月に行われ、日行連のウェブサイトの情報公開のページで結果が公表されています。

日行連の統計で見る相続の業務ごとの報酬

令和7年度報酬額統計調査のうち、相続に関わる業務の結果です。金額は消費税込みで、立替金(実費)は含みません。

業務 回答者数 平均 最頻値 最小〜最大
遺産分割協議書の作成 705 69,752円 55,000円 1,000〜1,000,000円
相続人及び相続財産の調査 443 61,722円 50,000円 3,000〜1,000,000円
遺言書の起案及び作成指導 459 76,855円 50,000円 3,000〜304,400円
相続分なきことの証明書作成 45 29,488円 10,000円 3,800〜110,000円
任意後見契約に関する手続 84 88,963円 100,000円 20,000〜330,000円

読み方のポイントは4つです。

  • 平均と最頻値の両方を見る:最小〜最大の幅が大きく、高額な回答が平均を押し上げます。協議書の作成では平均69,752円に対し、最頻値は55,000円です。
  • 「相場」と決めつけない:日行連自身が、同じ業務でも取扱いの内容によって報酬額に大きな差が出ると注記しています。相続人が多い、財産の種類が多いと、統計の平均より高くなるのが自然です。
  • 戸籍の収集だけの項目はない:この調査の結果に「戸籍の収集」という単独の項目は見当たりません。戸籍の収集が「相続人及び相続財産の調査」に含まれるのか別料金なのかは、事務所の報酬額の掲示と見積書で確かめます。
  • 回答者が少ない項目は参考程度に:たとえば相続土地国庫帰属の承認申請は新しく加わった項目で、回答者が9人しかいません。

実費と、合計の目安の計算例

実費は自分で手続きしても同じようにかかるお金で、報酬とは別に請求されます。

  1. 戸籍の手数料:政令で定める標準額は、戸籍の謄本・証明書が1通450円、除籍の謄本・証明書が1通750円です。実際の額は市区町村の条例で決まります。被相続人の出生から死亡までをたどると、除籍や改製原戸籍が何通も必要になることがあります。
  2. 郵送料:遠方の市区町村から戸籍を郵送で取り寄せる場合は、往復の郵送料がかかります。
  3. 登記事項証明書(不動産を財産目録に載せる場合):書面請求で1通600円、オンライン請求で1通490円です(登記手数料令)。
  4. 法定相続情報一覧図の写し:法務局での交付は無料です。複数の金融機関の手続きで戸籍の束の代わりに使える場合があり、取り寄せる戸籍の通数を減らせることがあります。
図解:相続人の調査と協議書の作成を頼んだときの報酬の目安(筆者の計算)
項目 平均で計算 最頻値で計算
相続人及び相続財産の調査 61,722円 50,000円
遺産分割協議書の作成 69,752円 55,000円
報酬の合計 131,474円 105,000円
実費 戸籍450円・除籍750円×通数+郵送料など 同左

上の表は、日行連の統計の2項目を足しただけの筆者の計算です。実際の見積もりでは、2つの業務をまとめて受けるときの料金設定や、相続人の数による加算で金額が変わります。

見積書で確かめる6項目と依頼文の例

報酬の総額だけで比べず、次の項目をそろえて比べます。

確かめる項目 中身
1. 業務の範囲 戸籍の収集を含むか、財産の調査はどこまでか(預貯金の残高証明の取り寄せまでか)
2. 加算の条件 相続人の数、財産の数、数次相続で報酬が増えるか、その単価
3. 実費の扱い 戸籍の手数料・郵送料を実額で請求するか
4. 作成する書類 協議書の通数(相続人の人数分か)、相続関係説明図や財産目録を含むか
5. 範囲外の手続き 登記・相続税の申告が必要なとき、誰に引き継ぎ、その費用はいくらか
6. 書類を作る資格者 どの行政書士の名前で書類を作るか

6は2026年1月1日施行の改正にかかわる点です。行政書士法19条は、行政書士でない者が「いかなる名目によるかを問わず」報酬を得て、業として書類作成の業務を行うことを制限しています。料金表の名目が「サポート料」「会費」などであっても、実際に誰の名前で書類が作られるのかを確かめてください。個別のサービスが条文に当たるかどうかは、このサイトでは判断できません。

依頼文の例:「母が亡くなり、相続人は父と子2人です。財産は預貯金が3つの銀行にあり、不動産はありません。戸籍の収集を含む相続人の調査と、遺産分割協議書の作成をお願いした場合の報酬と実費を、項目ごとに分けて見積もってください」

行政書士と司法書士、どちらに頼むと費用が抑えられるか

不動産がある相続では、行政書士に協議書を頼んでも、登記は司法書士に頼むか自分で申請することになり、2か所に報酬を払う場合があります。最初から登記まで受けられる司法書士にまとめた場合と、協議書を行政書士・登記を司法書士に分けた場合とで、報酬の合計がどうなるかは、同じ条件で見積書を並べて比べます。行政書士に頼めることの範囲は相続で行政書士に頼めることの範囲と限界、選び方は相続は行政書士と司法書士どっちか、司法書士の費用は相続の司法書士費用の内訳と見積もりの確かめ方で確かめてください。相続手続き全体の費用は相続手続きの費用の内訳にまとめています。

戸籍の収集から協議書、登記、申告までを、資格者のいる事務所にまとめて頼む相続手続きの代行サービスもあります。パック料金でも、含まれる手続きと上限を超えたときの単価、どの手続を誰が担当するかを見積書で確かめてから比べてください。

よくある質問

Q. 行政書士の報酬には決まった基準がありますか?

全国一律の基準はなく、行政書士がそれぞれ自由に定めて事務所に掲示します。行政書士法10条の2で掲示が義務になっており、日本行政書士会連合会は5年に1度、全国の報酬額の統計を公表しています。統計は目安で、見積もりは事務所ごとに取ります。

Q. 統計の最小と最大の差が大きいのはなぜですか?

同じ「遺産分割協議書の作成」でも、相続人の数、財産の種類と数、調査の範囲によって作業量が大きく違うためです。日本行政書士会連合会も、同じ業務でも取扱いの内容によって報酬額に大きな差が出ると注記しています。自分の件の条件を伝えて見積もりを取るのが確かな比べ方です。

Q. 戸籍を自分で集めれば費用は下がりますか?

戸籍の取り寄せを代行してもらう報酬がかからない分、下がることがあります。ただし手数料(実費)は誰が取っても同じです。どこまで自分でやると報酬がいくら変わるかを、見積もりで並べてもらうと判断しやすくなります。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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