相続税の相談は税務署でできる?電話相談センターと面接相談の使い方
この記事のもくじ
相続税の相談は税務署でもでき、相談そのものに料金はかかりません。入口は2つあります。電話なら**国税相談専用ダイヤル 0570-00-5901(電話相談センター)**にかけ、音声案内で「3」(相続税・贈与税・譲渡所得など)を選びます。受付は8時30分〜17時で、土日祝日と12月29日〜1月3日は休みです。顔を合わせて書類を見ながら相談したいなら、所轄の税務署に電話で予約して面接相談を受けます。どちらも、税の取扱いと手続きを一般的に案内する窓口で、申告書を代わりに作る窓口ではありません。この記事では、2つの窓口の使い方を手順で示します。
税務署で相続税の相談をするとき:聞けること・聞けないこと
先に、税務署の相談の範囲を押さえておきます。範囲の外のことを聞いても答えは返ってこないので、聞く内容を絞るのに役立ちます。
| 聞けること | 聞けないこと・ほかの窓口 |
|---|---|
| 申告が要るかの考え方(基礎控除の数え方、財産に含めるもの) | 申告書を代わりに作ってもらう(税理士の業務) |
| 特例の要件の一般的な取扱い(小規模宅地等、配偶者の税額の軽減) | 誰が何を取得するかの決定(相続人どうしで決める) |
| 申告書の様式、添付書類、提出先、期限、納付の方法 | 遺産分割がもめたときの調整(弁護士) |
| 路線価図の見方など評価の一般的な方法 | 固定資産税・不動産取得税・住民税(市区町村・都道府県) |
| 延納・物納の手続きの流れ | 相続登記(法務局・司法書士) |
申告書の作成の代理や、課税標準の計算についての個別の相談を仕事として受けるのは、税理士法で税理士(と国税局長に通知した弁護士)とされています。税務署の相談は、その手前の「法令ではどう扱うか」を確かめる場所だと考えると使いやすくなります。
手順1:電話相談センター(国税相談専用ダイヤル)にかける
まず電話で一般的な取扱いを聞くのが手軽です。
- 聞くことをメモする:一度の電話で聞く項目を2〜3に絞り、相続人の数、財産の種類とおおよその額、相続の開始日を書き出しておきます。
- 0570-00-5901 にかける:ナビダイヤルなので通話料がかかります。050で始まるIP電話などでつながらない場合は、所轄の税務署の代表番号にかけて音声案内で「1」を選ぶと、電話相談センターにつながります。
- 音声案内で「3」を選ぶ:「3」が相続税・贈与税・譲渡所得・財産評価の相談です。
- 状況を伝えて質問する:国税庁は、相談の際に国税庁ホームページなどを案内することがあるため、スマートフォンやパソコンを手元に用意しておくよう案内しています。
- 答えをメモする:聞いた日、答えの要点、参照するよう言われたタックスアンサーの番号を書き残します。
電話での聞き方の例:「父が亡くなり、相続人は母と私の2人です。財産は自宅の土地・建物と預金で、相続税の基礎控除を超えるかどうか迷っています。父が受取人を母にしていた生命保険金は、遺産の総額に含めて考えるのでしょうか」
手順2:税務署の面接相談を予約する
電話では伝えにくい、書類を見てもらいたい、という場合は面接相談を使います。国税庁は、面接時間を確保し混雑を避けるため、事前に電話で日時を予約するよう案内しています。
- 所轄の税務署を調べる:相続税の申告書の提出先は、亡くなった人の死亡時の住所地を所轄する税務署です(相続人の住所地ではありません)。所在地と代表番号は国税庁の「税務署一覧」で調べられます。遠方に住んでいる場合は、予約の電話でどこで相談できるかも聞きます。
- 代表番号にかけ、音声案内で「2」を選ぶ:税務署の窓口につながるので、面接相談の予約をしたいと伝えます。
- 予約の電話で聞かれることに答える:氏名・住所・相談内容などを確かめられます。相談内容は「相続税の申告が要るか」「小規模宅地等の特例の添付書類」など、具体的に伝えると当日の準備がしやすくなります。
- 当日、資料を持っていく:持ち物は国税庁の案内に一覧がないので、相談内容に合わせて選びます。目安は、財産の一覧のメモ、固定資産税の納税通知書、預金の残高が分かるもの、戸籍など相続人が分かる書類、遺言書や遺産分割協議書の写し、質問のメモです。
予約をせずに税務署へ行くと、署内に置かれた相談専用電話(電話相談センターにつながります)を案内されます。申告書の提出、納税証明書の交付の請求、納付の手続きだけなら予約は要りません。面接相談は、書類や事実関係を具体的に確かめる必要がある場合など、電話相談センターで解決しにくい相談を受ける場です。
相談の前に自分で調べる:国税庁の3つの道具
相談の時間を有効に使うために、次の道具で下調べをしておくと、質問が具体的になります。
- 相続税の申告要否判定コーナー:財産の額などを入れると、申告が要るかの目安を判定できます。税務署から届く「相続についてのお尋ね」への回答の作成にも使えます。相続税の申告書そのものを作る機能はありません。
- タックスアンサー:相続税の計算、基礎控除、特例、申告と納税の手順などがテーマごとに載っています。番号で探せるので、電話で「No.4124を見てください」と言われたときにもすぐ開けます。チャットボットでも質問できます。
- 財産評価基準書(路線価図・評価倍率表):土地の相続税評価額を出すための路線価や倍率を、相続のあった年の分で調べられます。
基礎控除で一次判定する方法は相続税の基礎控除で一次判定する方法にまとめています。判定の結果、明らかに基礎控除を下回るなら、相続税の申告は要りません。
税務署の相談で足りないとき:次の相談先
次のような場合は、税務署の相談だけで進めるのが難しくなります。
- 土地が複数あり、評価の補正の当てはめに迷う
- 特例を使うかどうかで、誰が何を取得するかを決めたい
- 遺産の分け方がまとまらず、申告期限(相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内)に間に合いそうにない
申告書の作成を任せたい、自分の場合の税額を相談したい、というときは税理士に頼みます。税理士が要る層かは相続で税理士は必要かで確かめられます。地域の税理士会は、税理士記念日(2月23日)を中心に無料税務相談会などを開いています。開催時期と申込方法は、お住まいの地域の税理士会に問い合わせてください。
相続人どうしで分け方がもめているときは、税金より先に話し合いの問題を解く必要があります。弁護士に頼む場面の見分け方は次の相続で弁護士に頼むべきときで、税務署以外も含めた窓口の一覧は相続手続きの無料相談窓口一覧(登記・税・売却)で確かめてください。
よくある質問
Q. 税務署の相続税の相談は無料ですか?
相談そのものに料金はかかりません。ただし電話相談センターの番号はナビダイヤルなので、かけた側に通話料がかかります。面接相談の予約も所轄の税務署への電話で行います。通話の時間を短くするために、聞きたいことを先にメモしてからかけると無駄がありません。
Q. 税務署に相談すると、税務調査に入られやすくなりますか?
相談窓口は、税の取扱いや手続きを国税局や税務署の職員が案内する窓口で、国税庁の相談案内にも、相談したことが調査につながるという説明は載っていません。申告が要るかで迷っているなら、相談して取扱いを確かめ、期限内に申告することのほうが、期限後申告になって加算税や延滞税がかかる場合より負担は小さく済みます。
Q. 固定資産税や不動産取得税のことも税務署で聞けますか?
聞けません。固定資産税・不動産取得税・住民税などは地方税で、国税庁は市区町村や都道府県に問い合わせるよう案内しています。相続した土地の固定資産税は土地のある市区町村の税務担当、不動産取得税は都道府県の税事務所が窓口です。
出典・参考にした公的な情報
- 国税に関するご相談について(電話相談センター・面接相談)(国税庁)
- No.9200 税についての相談窓口(国税庁)
- No.4205 相続税の申告と納税(国税庁)
- No.4202 相続税の申告の準備(国税庁)
- 相続税の申告要否判定コーナー(国税庁)
- 財産評価基準書(路線価図・評価倍率表)(国税庁)
- 税理士法 第2条・第52条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 税理士会の相談会に行ってみる(日本税理士会連合会)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。