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売りに出した空き家が売れない理由と対策:価格・状態・立地・契約の見直し方

この記事のもくじ
  1. 空き家が売れない理由を4つに分ける:反応の数で見分ける
  2. 価格の見直し:売り出し価格を成約価格と比べる
  3. 状態と立地の見直し:片付け・解体・法令の制限
  4. 契約の見直し:媒介契約の更新、会社の変更、買取

空き家が売れない原因は、多くの場合、**価格・状態・立地(法令の制限を含む)・契約(不動産会社の動き)**の4つのどれかにあります。どれが原因かは、売り出してからの問い合わせと内覧の数で見分けられます。問い合わせがほとんどないなら価格か情報の出方、内覧はあるのに申込みがないなら状態か価格、申込みが入っても流れるなら法令の制限やローンの問題を疑います。原因に合った手を打つ前に、まず数字を不動産会社から聞き出すことから始めてください。

空き家が売れない理由を4つに分ける:反応の数で見分ける

売り出してから2〜3か月たったら、不動産会社に次の数を聞きます。専任媒介なら2週間に1回以上、専属専任なら1週間に1回以上の業務報告が義務なので、その報告に入っているはずです(宅建業法34条の2第9項)。

見分け方:反応の数から売れない原因を絞る
売り出し後の様子 疑う原因 最初に打つ手
ポータルサイトでの閲覧も問い合わせも少ない 価格が相場より高い、情報が出回っていない 成約価格と比べる、掲載先とレインズ登録を確かめる
問い合わせはあるが内覧につながらない 写真・間取りの情報が足りない、価格 写真の撮り直し、図面の追加
内覧はあるが申込みがない 家財・傷み・におい、価格 片付け、建物状況調査、価格の見直し
申込みが入っても契約前に流れる 接道・用途の制限、買主のローンが通らない 法令の制限を確かめ、買取も比べる

数を聞いても答えがあいまいなときは、会社の動きそのものに原因がある場合があります。これは最後の見出し(契約の見直し)で扱います。売れないときの全体の順番は不動産売却で売れない場合の見直し:価格・会社・売り方の順番にまとめているので、空き家以外の物件も持っている人はあわせて読んでください。

価格の見直し:売り出し価格を成約価格と比べる

空き家でよくあるつまずきは、売り出し価格が、実際に取引された価格より高いままになっていることです。相続した家には思い入れがあり、最初の査定額が高い会社を選んでしまうことがありますが、査定額は売れる値段ではありません。

価格を見直すときは、次の順で材料を集めます。

  1. 成約価格を調べる:国土交通省の不動産情報ライブラリでは、レインズに登録された成約価格を加工した情報や、アンケートによる取引価格情報を地図で見られます。同じ地域・同じくらいの築年数と広さの取引を探します。
  2. 査定の根拠を聞く:媒介契約で価格に意見を述べるとき、不動産会社は根拠を示さなければなりません(34条の2第2項)。どの取引事例を使ったか、今の価格との差をどう見るかを聞きます。
  3. 下げ幅と時期を決める:一度に大きく下げるか、段階的に下げるか、次の見直しの日を会社と決めておきます。

価格を見直すときに忘れたくないのが、税金の期限です。相続した空き家の3,000万円特別控除は、相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ制度の期限である2027年12月31日までに売ることが要件の一つです(国税庁 No.3306)。昭和56年5月31日以前に建てられた家など、ほかの要件も満たす場合、売れないまま期限を越えると控除が使えなくなります。高い価格にこだわって期限を逃すより、少し下げて期限内に売るほうが手取りが多くなることもあるので、要件は相続した空き家の3000万円控除:特別控除の要件と2027年末の期限で確かめてください。

状態と立地の見直し:片付け・解体・法令の制限

家財が残ったままだと、内覧した人は暮らす姿を思い描けません。片付けには費用がかかりますが、内覧はあっても申込みがない家では、最初に検討する手です。

解体して更地にするかは、慎重に決めます。住宅用地の固定資産税は、200㎡以下の部分の課税標準が価格の6分の1になる特例があり(地方税法349条の3の2)、住宅用地かどうかは毎年1月1日の状況で判定されます。解体して1月1日の時点で家がなくなると、その年度から土地の特例が外れ、売れるまでの税負担が増えます。解体補助は、家のある市区町村が制度を設けている場合に限られます。

傷みが心配な家は、売る前に建物状況調査(インスペクション)を受ける方法があります。建築士が、基礎・柱・屋根などの構造部分と、雨漏りを防ぐ部分の状態を、目視を中心に調べるものです。不具合がないことを保証するものではありませんが、買い手に状態を説明する材料になります。媒介契約書には、調査を行う者のあっせんについて書く欄があります。

立地や法令の制限で買い手が限られる家もあります。建物の敷地は原則として幅4m以上の道路に2m以上接していなければならず(建築基準法42条・43条)、満たさない家は建て替えができないため、住宅ローンを使う買い手がつきにくくなります。市街化調整区域の家も、建て替えや買主の条件に制限がかかることがあります。当てはまる場合は再建築不可とは?建て替えできない理由と相続した時の選択肢と市街化調整区域の家の売却:建て替えの制限と買い手の探し方を読んでから、隣地の人への売却や買取を比べます。

契約の見直し:媒介契約の更新、会社の変更、買取

不動産会社の動きが見えないときは、契約を見直します。専任媒介と専属専任媒介の有効期間は3か月以内で、依頼者が申し出なければ更新されません(34条の2第3項・4項)。満了の時が、会社を替えるいちばん自然な区切りです。

替える前に、次の点を確かめておくと判断しやすくなります。

  • レインズへの登録と取引状況:専任・専属専任の物件では、登録証明書に売主が自分で登録内容を確認できる画面のIDなどが載っています。取引状況が「公開中」になっているかを見ます。
  • 報告の中身:問い合わせ・内覧の数と、買い手からの声が入っているか。
  • 価格の根拠:最初の査定額と、今の価格の差を説明できるか。

価格が800万円以下の家や土地には、媒介に要する費用を勘案し、事前に説明を受けて合意した場合に限り、仲介手数料を通常の計算より高く、最大33万円(税込)まで受け取れる特例があります(国土交通省告示)。33万円は上限で、一律の額ではありません。低い価格の空き家でも、手数料の取り決めを契約の前に確かめたうえで、扱ってくれる会社を探せます。複数の会社の査定と売り方の提案を比べたいときは、一括査定を使う方法があります。申し込むと複数の会社から連絡が来ることがあり、査定を見てから売るかどうかを決めてかまいません。

価格を下げても、会社を替えても売れないときは、買取業者に売る道があります。業者が自ら買主になるため、買い手を探す期間がかからず、古家や家財が残ったままの状態で買い取る業者もあります。価格は仲介より低くなりやすいので、判断の材料は空き家の買取:仲介で売れない家を業者に売る判断と注意点で確かめてください。媒介契約を途中でやめる場合の注意は専任媒介の解約と不動産会社の変更にまとめています。

よくある質問

Q. 空き家は更地にしたほうが売れますか?

更地のほうが買い手が建物の状態を気にせずに済む一方で、解体費がかかり、1月1日時点で家がなければその年度から土地の固定資産税の住宅用地特例が外れます。家の傷みが大きい、買い手の多くが建て替え目的、という場合は検討の余地があります。解体の前に、不動産会社に「古家付き」と「更地」の両方で売れる見込みを聞き、市区町村の解体補助の有無も確かめてください。

Q. 専任媒介の3か月が終わる前に、不動産会社を替えられますか?

途中で解約することはできますが、標準媒介契約約款では、業者の義務違反などの理由がない解約では、それまでにかかった費用の償還を求められる場合があります。いちばん手間が少ないのは、3か月の満了時に更新を申し出ないことです。専任媒介は依頼者の申し出がなければ更新されないため、満了の前に次の会社を決めておくと、間を空けずに売り出せます。

Q. 古い空き家を売った後に不具合が見つかったら、責任を負いますか?

個人の売主は、契約不適合の責任を負わない特約や、責任を負う期間を短くする特約を結べます。ただし、知りながら告げなかった不具合には特約が効きません(民法572条)。雨漏りやシロアリなど知っていることは、告知書にすべて書いておくことが、売れた後のもめごとを防ぐいちばんの備えです。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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