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専任媒介の解約と不動産会社の変更:期間満了と途中解約の注意

この記事のもくじ
  1. 専任媒介の期間は3か月:満了で終わらせる手順
  2. 途中で解約したいとき:契約書で確かめる4点
  3. 解約前に、してはいけない動き
  4. 次の会社への引き継ぎ:売り出し価格と内見の記録を持ち越す

専任媒介契約を結んだ不動産会社を変えたいときは、契約の有効期間(3か月以内)の満了を待って更新しないのが、いちばん費用の心配が少ない方法です。更新には売主の申出が要り、自動更新は認められていません。途中でやめたい場合は、契約書の解除や違約金の条文を先に読み、そのうえで不動産会社に伝えます。この記事では、満了で終わらせる手順、途中解約で確かめる点、次の会社への引き継ぎを示します。

専任媒介の期間は3か月:満了で終わらせる手順

宅建業法34条の2は、専任媒介契約の有効期間を3か月以内とし、これより長く定めても3か月とみなします。更新は依頼者の申出で行い、更新後も3か月を超えられません。この規定に反する特約は無効です。標準約款(専任の15条2項)も、更新するときは有効期間の満了に際して依頼者から不動産会社へ文書等で申し出ると定めています。

満了で終わらせる手順は次のとおりです。

  1. 媒介契約書を出して、契約日と有効期間の終わりの日を確かめる。専属専任も同じ。
  2. 満了の1か月前ごろから、次の会社の候補を集める。専任の間は他社に媒介を頼めないが、査定を聞いて比べることはできる。比べ方は不動産売却の相見積もりのマナーにある。
  3. 満了の少し前に、担当者へ更新しないことを文書かメールで伝える。

文例:「◯月◯日の有効期間の満了をもって、貴社との媒介契約を更新しません。これまでの業務報告書と、レインズの登録内容、問い合わせ・内見の記録をいただけますか。」

  1. 満了日以降は、前の会社の担当ではなくなる。看板や広告が残っていないか確かめる。
時系列:専任媒介の3か月で売主がすること
時期 すること
契約日 契約日と満了日を控える。レインズの登録期限(契約日の翌日から7日以内。休業日は含まない)を数える
契約から2週間ごと 業務報告を受け取り、登録・問い合わせ・内見の状況を見る
満了の1か月前 次の候補の会社に査定を聞く。前の会社に記録の提出を頼む
満了の少し前 更新しない旨を文書かメールで伝える
満了日 契約が終わる。次の会社と媒介契約を結ぶ

更新の申出が書面に残るようにしておくと、「更新したはずだ」という行き違いを防げます。

途中で解約したいとき:契約書で確かめる4点

期間の途中でやめたいときは、まず契約書が標準媒介契約約款に基づいているかを見ます。媒介契約書には、標準約款に基づくかどうかの記載欄があります(宅建業法施行規則15条の9)。標準約款に基づく専任媒介の主な条文は次のとおりです。

確かめる点 標準約款(専任)の定め
依頼者から解除できる場合 不動産会社の信義誠実義務違反、重要な事実の故意・重過失による不告知・不実告知、宅建業に関する不正・著しく不当な行為(17条)
催告による解除 契約に違反したときの催告と解除(16条)
他社に頼んで成約したときの違約金 有効期間内に他の業者に依頼して契約を成立させたら、約定報酬額に相当する額(12条)
自分で買主を見つけたときの費用 自己発見の相手と契約したとき、または会社の責めによらない事由で解除されたとき、会社が履行に要した費用の償還を請求できる(14条)。上限は約定報酬額
専属専任の場合 他社に頼んで成約させたときに加え、自分で見つけた相手と契約したときも、約定報酬額に相当する違約金の請求を受けうる(専属専任約款12条)。自己発見の相手との契約は、専任なら禁じられていない

この表から言えるのは、契約書で定めた事由があれば解除でき、事由がないのに他社で成約させると違約金の対象になりうるということです。実際にいくら請求されるかは、契約書に記載された内容と事情で決まります。「解約すれば◯万円かかる」と一律には言えないので、契約書の該当欄を読んで、不動産会社に書面で聞いてください。

解除を考える場面として、次のようなものがあります。

  • 業務報告が来ない。専任は2週間に1回以上、専属専任は1週間に1回以上の報告が義務です(宅建業法34条の2第9項)。
  • レインズに登録された形跡がない。登録しているかは売主用の画面で確かめられます(レインズとは)。
  • 申込みがあったのに報告されなかった。申込みの報告は遅滞なくする義務です(同条8項)。
  • 取引状況が事実と合わない表示になっている。囲い込みが疑われるときの確認はレインズとはの手順を使います。

こうした事情は、書面やメールで残してから、解除の可否を相談します。話し合いが進まないときは、不動産取引の電話相談窓口を使えます(番号と受付時間は相続・不動産売却の相談窓口一覧、使い分けは不動産売却の相談先)。

解約前に、してはいけない動き

途中解約を考えるときに、先走ってしまいやすい動きです。

  • 解除の手続きをする前に、別の会社と媒介契約を結ぶ。専任の期間内に他社へ頼んで契約を成立させると、違約金の対象になりえます。
  • 前の会社から紹介された買主に、直接連絡して契約する。標準約款の直接取引の定め(11条)で、会社の寄与に応じた報酬を請求される可能性があります。
  • 担当者との関係が悪化したことだけを理由に、連絡を断つ。契約が続いている間は、会社には業務報告の義務があり、期間内の成約には報酬が発生しえます。連絡を断つと、報告の記録も残りません。

担当者との相性だけが問題なら、会社に担当者の変更を頼む方法もあります。解約の前に、一度それを試してもよいでしょう。

次の会社への引き継ぎ:売り出し価格と内見の記録を持ち越す

会社を変えると、買主の反応という貴重な情報が前の会社に残ります。次の会社に渡せるものを、満了前に集めておきます。

集めるもの 使い道
業務報告書(問い合わせ数、内見数) 価格や売り方の見直しの根拠
レインズの登録内容と履歴 前の価格、値下げの時期
内見者の感想 弱点の把握
広告に使った写真・間取り図 そのまま使えるか、撮り直すか

次の会社と契約する前に、前の会社が売れなかった理由を一緒に考えます。価格が高かったのか、広告が弱かったのか、内見の印象が悪かったのかで、直すところが変わります。価格の考え方は売り出し価格の決め方にあります。売れないときの全体の見直し順は不動産売却で売れない場合の見直しで扱います。

新しい会社と契約したら、レインズの登録期限(専任なら契約日の翌日から7日以内。休業日は含まない)と登録証明書を、また確かめます。契約の種類の選び方は媒介契約の種類にあります。

よくある質問

Q. 専任媒介は途中で解約できますか?

解除の定めは契約書に書かれています。国土交通省の標準媒介契約約款では、不動産会社が信義誠実の義務に反したときや、重要な事項を故意または重大な過失で告げなかったときなどに、依頼者が契約を解除できると定めています。それ以外の事情で途中でやめたいときは、まず契約書の解除の条文を読み、不動産会社に書面で話し合いを申し入れます。

Q. 3か月たつと自動で更新されますか?

自動更新はできません。法律は、専任媒介の更新を依頼者の申出によるものとし、更新後の期間も3か月を超えられないとしています。東日本レインズも「自動更新契約は認められていません」と案内しています。更新したくなければ、何もせず満了を待てば終わります。

Q. 解約した後に、前の会社が紹介した買主と契約してもよいですか?

標準約款では、有効期間の間または満了後2年以内に、不動産会社の紹介で知った相手と会社を通さずに契約すると、会社の寄与に応じた報酬を請求される定めがあります。次の会社で契約する前に、前の会社が紹介した人がいなかったかを確かめておきます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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