相続手続きでまずやること:死亡届から7日・14日以内の届け出の順番
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相続手続きでまずやることは、7日以内の死亡届と火葬許可、そのあと期限が10日・14日の年金・健康保険・介護保険・世帯主の届け出です。相続そのもの(遺産の分け方や相続税)は、これらが済んでからで間に合います。この記事では、亡くなった当日から2週間ほどの間にする届け出だけに絞り、順番と届け先を示します。
相続手続きでまずやることの順番(当日〜14日)
亡くなった直後は、葬儀の準備と並行して届け出が続きます。順番を決めておくと、窓口に行く回数を減らせます。下の表は、期限が短いものから並べた早見表です。
| 順番 | 届け出 | 期限 | 届け先 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 死亡届(死亡診断書を添える) | 死亡の事実を知った日から7日以内(国外は3か月以内) | 市区町村の戸籍窓口 | 戸籍法86条 |
| 2 | 火葬許可の申請 | 死亡届と同時が一般的 | 死亡届を受理した市区町村 | 墓地埋葬法5条 |
| 3 | 年金の受給権者死亡届 | 厚生年金10日以内・国民年金14日以内(マイナンバー収録者は原則不要) | 年金事務所・街角の年金相談センター | 厚生年金保険法98条、国民年金法105条 |
| 4 | 介護保険の資格喪失届 | 14日以内 | 市区町村 | 介護保険法施行規則32条 |
| 5 | 世帯主の変更届 | 14日以内 | 市区町村 | 住民基本台帳法25条 |
| 6 | 国民健康保険・後期高齢者医療の資格喪失 | 市区町村の案内に従う | 市区町村 | 国民健康保険法など |
会社員や公務員として勤めていた人が亡くなった場合、健康保険の資格は亡くなった日の翌日に失われ(健康保険法36条)、資格喪失の届け出は勤務先(事業主)が行います(同法48条)。家族がするのは、勤務先への連絡と、給与・退職金・社宅などの確認です。
7日以内:死亡届と火葬許可の手順
死亡届は、届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内に出します(戸籍法86条)。届け出の義務があるのは、①同居の親族、②その他の同居者、③家主・地主・家屋の管理人の順で、同居していない親族や後見人も届け出ができます(同法87条)。7日の数え方は、死亡の事実を知った日を1日目にします(戸籍法43条は、届出期間を届出事件の発生した日から起算すると定めています)。たとえば11月1日に知ったなら、11月7日までです。
- 医師から死亡診断書(警察が関わった場合は死体検案書)を受け取る。死亡届の用紙と一体になっていることが多い。
- 提出前にコピーを3〜5枚取る。年金・生命保険・勤務先の手続きで「死亡の事実が分かる書類」として求められることがある。
- 届出人の欄に署名し、市区町村の戸籍窓口に出す。夜間・休日の受付の有無は市区町村ごとに違う。
- 死亡届と同時に火葬許可を申請し、火葬許可証を受け取る(墓地埋葬法5条)。
- 火葬は死亡後24時間を経過した後でなければできない(同法3条)。日程は葬儀社・火葬場と決める。
火葬が済んだ後の許可証は、納骨のときに墓地や納骨堂で求められることが多い書類です。火葬済みの記載のされ方や納骨での使い方は、火葬場と市区町村の案内で確かめ、骨つぼと一緒に保管しておきます。死亡届が受理されると、住民票は市区町村の職権で消除されます。
10日・14日以内:年金・健康保険・介護保険・世帯主
死亡届が済んだら、2週間以内の届け出に移ります。いずれも市区町村か年金事務所で手続きします。
年金。 年金を受け取っていた人が亡くなったときは、受給権者死亡届を出します。日本年金機構にマイナンバーが収録されていれば原則不要ですが、受け取っていない年金(未支給年金)があれば、遺族が請求します。亡くなった日の翌日以後に振り込まれた年金は、後で返すことになります。止め方と、請求できる遺族の範囲・必要書類は親が亡くなった時の相続手続きと年金で説明しています。
健康保険。 国民健康保険や後期高齢者医療制度に入っていた人は、市区町村の窓口で資格喪失の手続きをし、資格確認書などが手元にあれば返します。2025年12月以降、従来の健康保険証は有効期限が切れているため、「保険証を返す」ではなく、手元にある資格確認書などを確かめて窓口の指示に従ってください。葬祭費(国民健康保険・後期高齢者医療)や埋葬料(会社の健康保険)の請求は、時効が2年なので、2週間の届け出が落ち着いてからで間に合います。
介護保険。 65歳以上の人や要介護認定を受けていた人は、介護保険の資格喪失の届け出をします。施行規則は14日以内と定め、被保険者証と負担割合証を添えて出します(介護保険法施行規則32条・33条)。
世帯主。 亡くなった人が世帯主だったときは、世帯主の変更があった日から14日以内に、世帯変更届を出します(住民基本台帳法25条)。ただし、残った世帯員が1人だけになった場合は、その人の届け出は要りません(同法施行令25条)。
窓口に持って行く物と、一度で済ませる工夫
届け出のたびに求められる物は似ています。最初にまとめて用意しておくと、何度も家に戻らずに済みます。
- 死亡診断書のコピー(提出用と控え)
- 届け出をする人の本人確認書類(マイナンバーカード・運転免許証など)
- 亡くなった人の年金証書、資格確認書、介護保険の被保険者証・負担割合証
- 亡くなった人のマイナンバーが分かるもの
- 認印(押印を求める窓口に備えて)
- 未支給年金や葬祭費の振込先にする、請求する人名義の口座の情報
市区町村によっては、死亡に関する手続きをまとめて案内する「おくやみ窓口」を設けています。デジタル庁は死亡・相続に伴う手続きのオンライン化を進めていますが、窓口の有無・予約の要否・受付時間は自治体ごとに違います。出かける前に、亡くなった人が住んでいた市区町村のサイトで確かめてください。役所でできる手続きの一覧は相続手続きは市役所で何ができるかにまとめています。
電話での確かめ方の例:「◯月◯日に父が亡くなりました。死亡に関する届け出をまとめて済ませたいのですが、おくやみ窓口はありますか。予約は必要ですか。持って行く物を教えてください」
届け出が済んだら、次にすること
2週間の届け出が終わったら、葬儀費用の精算と、相続の調べに移ります。葬儀の領収書は、相続税の計算で差し引ける費用の証拠になるので、日付・金額・支払先が分かる形でまとめて保管します。お布施のように領収書が出ないものは、メモを残しておきます。精算の考え方は相続の葬儀費用を立替えたときの精算と相続税の扱いを見てください。
次に、遺言書の有無、相続人の確定、財産と借金の調べに進みます。相続するか放棄するかを決める期限は、相続の開始を知った時から3か月以内です。この3か月を含め、亡くなってから10か月・3年までの流れは相続手続きの流れと期限(10か月までにやること一覧)で全体を確かめられます。期限ごとの一覧は相続の期限一覧にあります。
よくある質問
Q. 死亡届は葬儀社に出してもらえますか?
葬儀社が役所の窓口に届書を持って行くことはよくあります。ただ、届出人は同居の親族などで、届書に署名するのは家族です(戸籍法87条)。葬儀社に預ける前に、届出人の欄と死亡診断書の写しを手元に残しておくと安心です。
Q. 死亡届を7日以内に出せなかったらどうなりますか?
戸籍法は、正当な理由なく期間内に届け出をしない人に5万円以下の過料を定めています(戸籍法137条)。遅れてしまったときも、気づいた時点で早めに市区町村の窓口に出してください。死亡届が出ないと火葬許可も出ないため、実際には葬儀の前に提出されるのが通常の流れです。
Q. 年金の死亡届は、市区町村に死亡届を出せば不要ですか?
日本年金機構にマイナンバーが収録されている人は、年金の死亡届は原則不要です。ただし、受け取っていない年金(未支給年金)の請求は別に手続きが必要です。マイナンバーが収録されていない場合は、厚生年金は10日以内、国民年金は14日以内に届け出ます。
出典・参考にした公的な情報
- 戸籍法 第43条・第86条・第87条・第137条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 墓地、埋葬等に関する法律 第3条・第5条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 年金を受けている方が亡くなったとき(死亡届の期限と省略)(日本年金機構)
- 健康保険法 第36条・第48条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 介護保険法施行規則 第32条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 住民基本台帳法 第25条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 住民基本台帳法施行令 第25条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 死亡・相続ワンストップサービス(デジタル庁)
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。