空き家・実家・使わない土地 / チェックリスト

空き家の管理方法:月1回の点検項目と管理サービスの選び方

この記事のもくじ
  1. 空き家の管理で毎回やること:月1回のチェックリスト
  2. 季節と災害の後に足す点検
  3. 遠方で通えないとき:管理サービスと委託先の選び方
  4. 自分で通う人のための準備と記録

空き家の管理は、定期的に通気・換気をし、水道を流して排水設備の水を保ち、郵便物を整理し、庭木を剪定し、建物と敷地に傷みがないかを点検することが基本です。国土交通省の「空き家管理チェックリスト」は、これに加えて冬の給水管の元栓の閉栓や、積雪に応じた雪下ろしを挙げています。国の基本指針は「少なくとも定期的な管理は所有者が自ら行う」ことを基本としつつ、遠方に住んでいて自分でできない場合は、管理の事業者などに委託することを認めています。頻度を公的に定めた基準はないため、この記事では月1回を基本として組み立てています。

空き家の管理で毎回やること:月1回のチェックリスト

基本指針は点検の頻度を数字で決めていませんが、空き家は不具合が見つかりにくく傷みが早く進むとしています。この記事では、郵便物や雑草の変化に追いつける月1回を基本の単位として、1回の訪問でやることを並べます。

チェックリスト:月1回の訪問でやること(国土交通省の空き家管理チェックリストをもとに作成)
  • 通気・換気:すべての窓と押し入れ・収納の戸を開け、家全体に風を通す
  • 通水:台所・洗面・浴室・トイレの水を流し、排水口の封水(においを止める水)を切らさない
  • 郵便物:郵便受けを空にし、チラシは処分、重要な書類は持ち帰る
  • 敷地:ごみの散乱・不法投棄がないか確かめ、清掃する
  • 庭木・雑草:道路や隣地にはみ出した枝、伸びた草を確かめ、必要なら剪定・草刈りの手配
  • 外回り:窓・外壁・屋根材の破損、雨どいの外れ、門や塀の傾き
  • 室内:雨漏りの跡、床や柱の腐り、動物やシロアリの形跡
  • 防犯:鍵・窓の施錠、侵入の形跡
  • 記録:同じ場所から写真を撮り、日付と気づいたことを残す

国土交通省のチェックリストは、点検の結果、何かあった時の対応も示しています。建物の傾きや柱・はりの腐りは補修や防腐処理を頼む、はがれた外装材や屋根材は撤去・補修を頼む、アスベスト(石綿)が露出していたら除去を専門業者に相談する、浄化槽の破損や封水切れによる悪臭は補修と封水の注入、といった具合です。

季節と災害の後に足す点検

基本指針は、地震・強風・大雨・著しい降雪の後には点検対象の事象が起きていないかの確認が必要で、強風・大雨・降雪の前にも部材がはがれかけていないかを見ておくのが望ましいとしています。月1回の訪問に、季節ごとの作業を足します。

時期 足す作業 理由
春〜夏 草刈り、庭木の剪定、害虫の確認 雑草と枝の伸びが早く、隣地への越境や虫の発生につながる
梅雨 換気の時間を長めにとる、カビの確認 湿気がこもると床や壁が傷む
台風の季節 雨どい・屋根材・外壁の点検、飛びそうな物を片付ける 屋根材や看板の飛散を防ぐ
冬(寒冷地) 給水管の元栓を閉め、水を抜く。積雪に応じた雪下ろし 凍結による破裂、落雪による通行の妨げを防ぐ
擁壁がある家 水抜き穴の清掃 排水が詰まると擁壁の崩れにつながる
地震・大雨・大雪の後 建物の傾き、ひび、雨漏り、塀の傾きを確認 基本指針が災害後の確認を求めている

雑草や越境した枝について近所から苦情が来た場合の対応は、空き家の苦情が来たら:越境する枝・雑草・動物の対処と責任にまとめています。

遠方で通えないとき:管理サービスと委託先の選び方

基本指針は、点検や補修に専門性が要るときや、遠方に住んでいて自分で管理できないときは、空き家の管理・点検・補修工事を行う事業者や、空家等管理活用支援法人に委託することを挙げています。支援法人は、市区町村長がNPOや一般社団法人などから指定するもので(空家法23条)、2025年3月末時点で95法人が指定されています。指定があるかは、空き家のある市区町村のウェブサイトで確かめられます。

委託先には、不動産会社、警備会社、空き家の管理を専門にする会社、地元の工務店などがあります。国土交通省の資料は、不動産会社が行える管理の業務の例として、除草・通風・通水・清掃、定期的な点検、修繕の提案、家財の片付け、郵便物の保管・転送などを挙げています。料金は公的な統計がないため、複数の事業者の料金表と見積書で比べます。比べるときは、次の項目をそろえて聞きます。

  1. 訪問の頻度:月1回、隔月など。訪問日の指定ができるか
  2. 外回りだけか、室内に入るか:室内の換気・通水まで含むか、鍵の預け方
  3. 報告の方法:写真の枚数、報告書の形式、異常があった時の連絡の速さ
  4. 含まれない作業:草刈り・剪定・清掃・補修は別料金か、上限額
  5. 台風・地震の後の臨時点検:契約に入っているか、追加料金か
  6. 事故の時の責任:預けた鍵の紛失や、作業中の破損の補償
  7. 解約:途中解約の条件、鍵の返し方

国土交通省は、不動産会社が行う空き家の管理や相談の報酬について、売買の仲介(媒介)とは区別し、書面などで別に結んだ契約に基づくものとして整理しています。管理を頼む契約と、売却の仲介の契約は、別々に考えて構いません。

自分で通う人のための準備と記録

自分や家族で通う場合も、管理の中身を決めておくと、兄弟姉妹で分担したり、後で業者に引き継いだりしやすくなります。

  • 鍵と連絡先:鍵の本数と保管者を決める。隣近所に、何かあった時の連絡先を伝えておく
  • ライフライン:通水には水道が、室内の点検や照明には電気が要る。ガスは使わないなら閉栓を検討する。費用の比べ方は空き家の維持費:固定資産税・光熱費・保険・管理費の年間の目安で
  • 持ち物:軍手、ごみ袋、懐中電灯、カメラ(スマートフォン)、ブレーカーの位置の控え
  • 記録帳:訪問日、作業内容、写真、気づいた不具合、立て替えた費用

記録は、相続人の間で費用を精算するときの根拠になり、市区町村から管理不全空家等として連絡が来たときにも、管理してきた事実を示す材料になります。指導や勧告の流れは管理不全空家・特定空家とは:勧告で固定資産税が上がる流れを見てください。管理の間に火災や雨漏りが起きたときの備えは、空き家の火災保険:住宅用で入れるか・告知と相続後の名義変更で確かめられます。

空き家の所有者には、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう適切に管理する努力義務があります(空家法5条)。管理を続けるか、売る・貸す・手放すかを決めるまでの間も、この点検は止めないことが大切です。郵便物がたまる、窓が割れたままといった状態は侵入の目印にもなるので、防犯の手順は空き家の空き巣・放火対策:狙われやすい家の特徴と防犯の手順で確かめてください。

よくある質問

Q. 空き家の管理は、どのくらいの頻度で行えばよいですか?

国の基本指針は「一定の頻度で点検」とし、回数の決まりは置いていません。郵便物がたまる、夏に雑草が伸びるといった変化の速さを考え、この記事では月1回を基本の単位にしています。台風や大雨、地震、大雪の後は、回数に関係なく点検するよう基本指針が求めています。

Q. 草刈りだけを頼むことはできますか?

庭木の剪定や草刈りは、造園業者や便利屋など、管理サービスとは別の事業者にも頼めます。空き家管理サービスで頼む場合は、毎月の料金に含まれるのか、別料金なのかを先に確かめます。年に何回、どの範囲を刈るか、刈った草を持ち帰るかを見積書に書いてもらうと、追加料金の行き違いを防げます。

Q. 管理を不動産会社に頼むと、仲介も頼まなければいけませんか?

国土交通省は、空き家の管理や相談の報酬を、売買の仲介の報酬とは別の契約として、書面で結ぶよう整理しています。管理だけを頼むことも、仲介は別の会社に頼むこともできます。管理の契約書に、仲介を同じ会社に任せる条件が入っていないかは、署名の前に確かめてください。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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