不動産売却の税金と特例 / 手順

空き家の3000万円控除の確認書:市区町村への申請と必要書類

この記事のもくじ
  1. 確認書とは何で、どこに申請しますか?
  2. 申請は、どんな順番で進めますか?
  3. どんな書類を集めますか?
  4. 親が老人ホームに入っていた場合は、何が変わりますか?
  5. いつまでに取れば、確定申告に間に合いますか?

被相続人居住用家屋等確認書は、空き家の3000万円控除を受けるために、家屋の所在地の市区町村に申請して交付してもらう書類です。確定申告のときに税務署へ提出するので、売ってから慌てて申請するより、売却の準備に入った段階で窓口に連絡しておくのが安全です。交付までの目安は、世田谷区の案内では「2週間程度」です。この記事では、申請の順番、用意する書類の考え方、老人ホームに入っていた場合の違い、確定申告から逆算した動き方をまとめます。

確認書とは何で、どこに申請しますか?

確認書は、市区町村長が「この家屋は、相続のときに被相続人(亡くなった人)だけが住んでいた空き家で、相続から売るまで使われていなかった」などの事実を確かめた書類です。国税庁 No.3306 によると、確認書は売った資産の所在地の市区町村長が交付します。確認する内容の主なものは次のとおりです。

  • 相続の開始の直前に、被相続人が家屋に住んでいて、ほかに住んでいた人がいなかったこと
  • 相続のときから売るときまで、事業・貸付け・居住に使われていないこと
  • 老人ホーム等に入所していた場合は、その事情と、入所後の家屋の使い方
  • 相続人の数(2024年1月1日以後の譲渡)

相続人の数が書かれるのは、相続人が3人以上のときに控除の上限が1人2,000万円になるためです。上限の仕組みは空き家の3000万円控除を共有名義で使うで扱います。

申請先の窓口は自治体ごとに違います。世田谷区の例では、建築安全課の空家・老朽建築物対策担当が窓口です。名前は市区町村によって「空き家対策課」「建築指導課」「住宅課」などさまざまなので、市区町村のサイトで「被相続人居住用家屋等確認書」と検索するか、代表番号で空き家の担当を聞きます。全国の確認書の交付数は、国土交通省と総務省の調査(2025年3月31日時点)で、2024年度が16,755件、累計93,897件です。大半の自治体にとって扱い慣れた手続きなので、窓口で順番を聞けば案内されます。

申請は、どんな順番で進めますか?

  1. 要件を先に確かめる:昭和56年5月31日以前の建築、区分所有登記がない、相続開始直前に被相続人以外の居住者がいない、といった要件です。全体は相続した空き家の3000万円控除の要件と期限で確かめます。
  2. 売り方を決める:家屋ごと売る、取り壊して敷地を売る、売った後に買主が工事する、で必要な書類が少し変わります。耐震基準と取り壊しの違いは耐震基準と取り壊しの比較にあります。
  3. 所在地の市区町村に連絡する:窓口、申請様式、書類の一覧、郵送か窓口か、予約の要否を聞きます。申請書の様式は国土交通省のサイトからダウンロードできます。譲渡の時期によって様式が分かれる自治体もあります(世田谷区では2024年1月1日以後の譲渡は別記様式1-3)。
  4. 書類を集めて申請する:郵送の場合は、返信用封筒を付けます。窓口の場合は事前連絡をします。
  5. 確認書を受け取る:不備があれば自治体から連絡が来ます。
  6. 確定申告に付ける:売った年の翌年2月16日から3月15日の申告期間に提出します(国税庁 No.3102)。

どんな書類を集めますか?

必要書類の一覧は自治体ごとに決まっているので、窓口で渡される一覧が正本です。国土交通省と世田谷区の案内から分かる共通した考え方を示します。

早見表:確認書の申請で集める書類の考え方
確かめたいこと 用意する書類の例 補足
相続人の数 家屋と敷地の登記事項証明書 相続登記がまだのとき、換価分割のときは遺産分割協議書など
相続のときに空き家だったこと 被相続人や相続人の住民票、電気・ガス・水道の使用中止日が分かる書類 世田谷区では電気・ガス・水道のいずれか1つでよいと案内
家屋の現況 家屋の写真(撮影日が分かるもの) 撮影日が写っていなければ手書きで記入してよいと案内する自治体がある
取り壊した事実(取り壊してから売る場合) 法務局の閉鎖事項証明書 家屋が未登記なら、解体業者の取壊し証明書や除却工事の請負契約書の写し

国土交通省は、住民票で居住の事実を確かめられない場合でも、代わりの書類や申請者への聞き取りで確かめられれば確認書が交付されることがある、としています。書類が1つ足りないからと諦めず、窓口で代わりの書類を相談します。相続人が海外に住んでいて住民票がないときは、戸籍の附票で代える例が世田谷区の案内にあります。

親が老人ホームに入っていた場合は、何が変わりますか?

相続の開始の直前に被相続人が老人ホームなどに入っていた場合は、国税庁 No.3307 の要件で判断されるため、確認書にも入所の事情と入所後の家屋の使い方が書かれます。確認書で確かめられるのは、居住をやめた後も家屋が物品の保管などに使われ、事業・貸付け・ほかの人の居住に使われていないことです。

追加で出す書類は自治体の案内に従います。要介護認定などの状況、施設に入った時期、入所後の家屋の使い方を示す必要があるので、どの書類で示すかを、申請の前に窓口で聞いてください。要件そのものの詳しい説明は老人ホームに入っていた親の家と空き家の3000万円控除にあります。

いつまでに取れば、確定申告に間に合いますか?

確定申告の期限から逆算します。売買の決済が2026年11月なら、申告は2027年2月16日から3月15日です。世田谷区の案内の「2週間程度」に、書類を集める日数と、不備があったときの往復を足し、決済の直後に申請を出すと余裕を持てます(筆者の日付の例)。

窓口が混む時期や、役所の閉庁日がある年末年始をまたぐと、交付が遅れる場合があります。確認書が申告期限までに間に合わないと、期限後の申告になるので、確定申告の全体の流れは不動産売却の確定申告のやり方で確かめ、書類の整理を早めに始めます。

つまずきやすい点を、申請前の確認リストにまとめます。

  • 家屋の所在地の市区町村に問い合わせて、窓口と様式を確認した
  • 登記事項証明書で、建築年・区分所有登記の有無・名義を確認した
  • 相続人全員の住民票の取り寄せ先を決めた
  • 売買契約書に、取り壊しや工事の特約が必要か不動産会社に聞いた
  • 申告期限から逆算して、申請の日を決めた

確認書が交付されても、控除が使えるかの最終的な判断は税務署です。個別の計算や、使えるかの判定は税務署または税理士に確かめます。

よくある質問

Q. 確認書は売る前に取れますか、売った後ですか?

確認書は、相続のときから売るときまで家屋や敷地が使われていなかったことなども確かめる書類です。売った後の事実(取り壊し、買主の工事など)が必要な売り方もあるため、完成した確認書を売る前に受け取れるとは限りません。売る前に窓口へ事前連絡をして、いつから申請できるか、売買契約書の写しなど何を付けるかを聞いておきます。確定申告で税務署へ提出するので、申告期限の前に手元に届いていれば足ります。

Q. 相続人が何人もいます。全員が申請しないといけませんか?

世田谷区のよくある質問では、申請は希望する相続人だけでよいとしています。ただし、申請者が付ける相続人の住民票は、空き家だったことを確かめるため、申請の有無に関わらず相続人全員分が要る、と案内されています。自治体で扱いが違う場合があるため、所在地の市区町村に確かめてください。

Q. 手数料はかかりますか?

国土交通省と国税庁のページには、手数料の記載がありません。世田谷区のページにも手数料の記載はありません。有無と金額は、家屋の所在地の市区町村の案内で確かめます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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