相続登記と名義変更 / 手順

住所変更登記を自分でする方法:必要書類・登録免許税・申請書の書き方

この記事のもくじ
  1. 住所変更登記を自分でするときの必要書類
  2. 住所変更登記の費用:登録免許税は1個1,000円
  3. 申請書の書き方:法務局の記載例の項目を順に埋める
  4. 法務局への出し方:窓口・郵送と完了までの流れ
  5. 自分でするか、待つか、頼むか

住所変更登記は、手順どおりに書類をそろえれば自分で申請できます。用意するのは、①法務局の様式で作る申請書、②登記上の住所から今の住所までの移り変わりが分かる住民票の写し(転居を重ねていれば戸籍の附票の写し)、③登録免許税の収入印紙(土地・建物1個につき1,000円)の3つです。土地1筆と建物1個の家なら、税は2,000円で、ほかにかかるのは住民票などの交付手数料と郵送料くらいです。不動産のある地域を管轄する法務局へ、窓口か郵送で出します。義務の期限や過料の仕組みは住所変更登記の義務化:2年以内・過料5万円以下とスマート変更登記で確かめてください。

住所変更登記を自分でするときの必要書類

法務局が公開している「住所の変更登記の申請に必要な書類とその入手先等」をもとに整理すると、次のとおりです。

早見表:住所変更登記の必要書類と入手先
書類 入手先 要る場合 注意点
登記申請書 自分で作る(法務局の様式) 全員 記載例「1-1 住所移転」を使う
住民票の写し 住所地の市区町村 全員(住民票コードを書けば省略できることがある) マイナンバーの記載がないもの。登記上の住所・今の住所・移転日が載っていること
戸籍の附票の写し 本籍地の市区町村 住民票では移り変わりが追えないとき 転居を2回以上しているときに要ることが多い
収入印紙 郵便局など 全員 土地・建物1個につき1,000円
委任状 自分で作る 代理人が申請するとき 本人が申請するなら不要
登記事項証明書(参考) 法務局 不動産の表示を正確に写すため 申請書に添付する書類ではない

いちばんつまずきやすいのは、住所のつながりです。法務局の記載例の解説では、添付する住民票の写しには「登記記録上の住所」「現在の住所」「住所移転の日」が載っている必要があるとしています。家を買った時の住所から1回だけ引っ越した人なら、今の住民票の写しに前住所として登記上の住所が載るので、それだけで足ります。

2回以上引っ越していると、今の住民票には直前の住所しか載らず、登記上の住所とつながりません。この場合は、本籍地の市区町村で戸籍の附票の写しを取ります。附票には、その戸籍にいる間の住所の移り変わりが記録されています。本籍を移した(転籍した)ことがある人など、附票を取ってもなお移り変わりが示せない場合は、申請する法務局に事前に相談するよう案内されています。

住民票コードを申請書に書くと、住民票の写しの提出を省略できる場合があります。ただし、省略できるのは住民票コードで登記上の住所から今の住所までのつながりを示せるときに限られるので、転居が重なっている人は附票を付けておくほうが手戻りがありません。

住所変更登記の費用:登録免許税は1個1,000円

住所変更登記の登録免許税は、登録免許税法の別表第一で、登記事項の変更の登記として「不動産の個数1個につき1,000円」と定められています。数え方は、土地は1筆ごと、建物は1個(家屋番号)ごとです。

不動産の例 個数 登録免許税(筆者の計算)
土地1筆+建物1個の一戸建て 2 2,000円
土地2筆+建物1個(庭と家で地番が別) 3 3,000円
土地1筆+母屋と離れが別の家屋番号 3 3,000円

マンションは、敷地権の付いた区分建物として申請書の様式が別に用意されており、個数の数え方も一戸建てとは異なります。何個として数えるかは、登記事項証明書を手元に置いて、申請先の法務局の手続案内で確かめると誤りがありません。

何筆・何個あるかは、登記事項証明書で確かめます。手数料は書面で請求すると1通600円、オンラインで請求して郵送で受け取ると520円、窓口で受け取ると490円です(登記手数料令)。固定資産税の課税明細書にも土地・家屋の一覧が載っているので、見比べて漏れがないかを確かめます。

自分でする場合の費用の合計は、登録免許税に、住民票の写し・戸籍の附票の写しの交付手数料(市区町村ごとに異なる)、登記事項証明書の手数料、郵送するなら書留などの郵送料を足した額です。司法書士に頼む場合はこれに報酬が加わります。

申請書の書き方:法務局の記載例の項目を順に埋める

申請書は、法務局の「不動産登記の申請書様式について」のページにあります。住所だけが変わったなら「1-1 住所移転」、市町村の住居表示の実施で番地の表記が変わったなら「1-2 住居表示実施」、結婚などで氏名が変わったなら「1-3 氏名変更」、両方なら「1-4 住所及び氏名」を使います。様式と記載例が掲載されているので、自分の場合に近いものを選んで書き換えます。

記載例「1-1 住所移転」の項目を、上から順に埋めていきます。

  1. 登記の目的:「1番所有権登記名義人住所変更」のように書きます。数字は登記事項証明書の甲区(所有権の欄)の順位番号です。「付記2号」などの付記登記があっても、主番号だけを書きます。
  2. 原因:「令和○年○月○日住所移転」。住民票の写しに載っている住所移転の日で、数回移っているなら最後に移転した日です。
  3. 変更後の事項:「住所 ○○市○○町一丁目5番2号」。住民票の写しのとおりに書きます。
  4. 申請人:今の住所と氏名を書き、氏名の末尾に認印を押します。住民票コードを書く場合は住所の後に括弧で書きます。新しい住所が海外の場合は、国内の連絡先となる人の氏名・住所なども書きます。
  5. 連絡先の電話番号:補正(書類の直し)が必要な時に法務局から連絡が来ます。平日の日中につながる番号で、携帯電話でもかまいません。
  6. 添付情報:「登記原因証明情報」と書きます。住民票の写し(や戸籍の附票の写し)がこれに当たります。代理人が申請するなら「代理権限証明情報」も加えます。
  7. 申請日と申請先:「令和○年○月○日申請 ○○法務局○○支局」のように書きます。
  8. 登録免許税:「金2,000円」のように合計額を書きます。
  9. 不動産の表示:登記事項証明書のとおりに、土地は所在・地番・地目・地積、建物は所在・家屋番号・種類・構造・床面積を書きます。不動産番号を書けば、これらの記載を省けます。

収入印紙は、申請書とは別の用紙に貼り、申請書と一緒にとじます。印紙に割印や消印はしません。申請書と印紙を貼った紙のつづり目には、申請人が契印をします。

書き方の例(原因と変更後の事項):「原因 令和6年9月1日住所移転」「変更後の事項 住所 ○○市○○町三丁目2番1号」

法務局への出し方:窓口・郵送と完了までの流れ

出し先は、不動産のある地域を管轄する法務局(支局・出張所を含む)です。管轄は法務局ホームページの「管轄のご案内」で調べます。出し方は次の3つです。

方法 向いている人 注意点
窓口に持参 法務局が近い人 書き方の相談をしたいなら、事前に予約制の手続案内を使う
郵送 法務局が遠い人・平日に行けない人 法務局は郵送による申請も受け付けている。送り方は郵送の記事で確かめる
オンライン申請 電子証明書などの準備ができる人 登記・供託オンライン申請システムの案内で準備物を確かめる

申請の後、書類に足りない点があれば、申請書に書いた電話番号に法務局から補正の連絡があります。指示に従って直せば手続きは進みます。登記が終わると登記完了証が交付されるので、念のため登記事項証明書を取り、住所が変わったかを確かめます。郵送での申請の細かな注意点は相続登記を郵送で申請する方法:遠方の法務局への送り方と返送が参考になります。

  • 登記事項証明書で、甲区の順位番号と不動産の筆数・個数を確かめた
  • 住民票の写しに、登記上の住所・今の住所・移転日が載っている(足りなければ戸籍の附票)
  • 住民票の写しにマイナンバーが載っていない
  • 登録免許税の額=個数×1,000円になっている
  • 申請書の不動産の表示が登記事項証明書と一字一句同じ
  • 認印と契印を押した

自分でするか、待つか、頼むか

自分で申請するほかに、2つの道があります。1つは、法務局に検索用情報の申出をして、スマート変更登記で法務局に直してもらう方法です。費用はかからず、国内に住む個人なら使えますが、法務局の予定に沿って順に行われるので、すぐには変わりません。もう1つは司法書士に頼む方法です。転籍や転居が多く住所のつながりを示す書類がそろわない、相続登記や売却と一緒に進めたい、といった場合に向いています。

状況 向いている方法
期限に余裕があり急がない 検索用情報の申出(スマート変更登記)
近く売却や借り換えをする 自分で申請、または司法書士
転居1〜2回で書類がそろう 自分で申請
附票でもつながらない・本籍を何度も移した 法務局の手続案内で相談、または司法書士

自分で進めて迷った点は、法務局の予約制の手続案内で聞けます。予約の取り方は法務局の相続登記の相談:手続案内の予約方法と聞けることにまとめています。相続で受け継いだ不動産の名義そのものを変える手続きは、住所変更とは別の申請になるので、相続登記を自分でする手順:書類集めから法務局への申請までを読んでください。祖父の代から名義が変わっていない家がある場合は、次の数次相続の相続登記:祖父名義の家を登記する順番と中間省略で順番を確かめます。

よくある質問

Q. 引っ越しを3回しています。どの日付を書けばいいですか?

法務局の記載例の解説では、数回住所を移した場合は、最後に移転した日を「原因」の日付に書くとされています。そのうえで、登記上の住所から今の住所までの移り変わりが分かる書類として、住民票の写しでつながらなければ戸籍の附票の写しを付けます。

Q. 土地と建物で申請書を分ける必要がありますか?

同じ法務局の管轄で、同じ人の同じ住所変更なら、法務局の記載例のように1通の申請書に土地と建物を並べて書けます。登録免許税は不動産の個数で数えるので、土地1筆と建物1個なら2,000円です。管轄の法務局が違う不動産は、法務局ごとに申請書を分けます。

Q. 申請書に押すのは実印ですか?

法務局の記載例では、本人が申請する場合、申請人の氏名の末尾に認印を押すとされています。申請書が2枚以上になるときは、つづり目に契印をします。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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