相続登記を郵送で申請する方法:遠方の法務局への送り方と返送
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相続登記は、法務局の窓口へ行かなくても郵送で申請できます。法務局のハンドブックでは、申請書と添付書類を入れた封筒の表に「不動産登記申請書在中」と書き、書留郵便で送るよう案内されています。完了後の登記完了証と登記識別情報通知書も、返信用封筒と切手を同封すれば郵送で受け取れます。親の家が遠方にあり、平日に何度も行けない人に向いた方法です。この記事では、送り先の調べ方から返送の受け取り、補正の連絡への備えまでを順に説明します。
郵送の前に:申請先の法務局を管轄で調べる
申請先は、自分の住所ではなく不動産の所在地を管轄する法務局です。法務局サイトの「管轄のご案内」で、都道府県と市区町村(地域によっては町名)から、どの本局・支局・出張所が担当かを調べます。
- 調べるときは住居表示ではなく、登記事項証明書に書かれた所在で1筆・1個ずつ確かめる
- 実家と田畑が別の町にあるなど、不動産が複数の管轄にまたがるときは、管轄ごとに申請書を分けて送る
- 申請書の「申請先」欄には、調べた法務局名(○○地方法務局○○支局など)を正確に書く
管轄を間違えて送った申請は、補正では直せない不備として扱われます。法務省の案内でも、登記所の管轄を誤った申請は性質上補正できないものの例に挙げられています。送る前に、申請書の申請先と封筒の宛先が一致しているかを見直します。
遠方の法務局でも、手続案内は電話やウェブ会議で受けられます。郵送の前に申請書を見てもらいたい人は、管轄の法務局の手続案内を予約しておくと安心です(法務局の相続登記の相談)。
封筒に入れるもの:同封物チェックリスト
郵送の申請は、届いた中身だけで審査されます。足りない物があっても、その場で説明して補うことはできません。次の順にそろえて入れます。
| 入れるもの | 中身 | 確認点 |
|---|---|---|
| 登記申請書 | 2026年10月5日以降用の様式で作ったもの | 連絡先の電話番号を書いたか |
| 収入印紙等貼付台紙 | 登録免許税分の領収証書または収入印紙を貼った台紙(税額が3万円を超えるときの納め方は相続登記の申請書の書き方) | 申請書と左2か所をホチキス留めし、契印したか |
| 添付書類 | 戸籍の証明書、協議書と印鑑証明書、住民票など | 原本か(コピー不可) |
| 原本還付のための書類 | 相続関係説明図、原本に相違ない旨を書いたコピー | 署名(記名)押印と契印があるか |
| 返信用封筒と切手 | 宛名を書いた封筒、郵便料金分の切手 | 本人限定受取か書留かを決めたか |
いちばん上:登記申請書+収入印紙等貼付台紙(ホチキス2か所・契印) その後ろ:添付書類の原本(クリップ留め)と、原本還付用のコピー・相続関係説明図 最後:返信用封筒(宛名・切手・郵便の種類の指定) 封筒の表:宛先の法務局名と「不動産登記申請書在中」→ 書留で発送
書類の種類と集め方は相続登記の必要書類、申請書の書き方とホチキスの留め方は相続登記の申請書の書き方にまとめています。送る前に、出すもの全部のコピーを手元に取っておくと、補正の電話が来たときに同じ書類を見ながら話せます。
送り方:「不動産登記申請書在中」と書いて書留で
発送の手順は次のとおりです。
- 角形2号など、A4の書類を折らずに入る封筒を用意する
- 表に申請先の法務局の住所と名称を書き、「不動産登記申請書在中」と書く(赤で目立たせると分かりやすい)
- 郵便局の窓口で、書留郵便で出す
- 受け取った控え(引受番号)を保管し、追跡サービスで法務局に届いた日を確かめる
返送を頼む返信用封筒は、戻ってくる書類の量に合わせます。戸籍の束や協議書の原本を返してもらうと、思った以上に厚くなります。返信用封筒には自分の住所・氏名を書き、郵便の種類(本人限定受取か書留か)に合った料金分の切手を貼るか同封します。
返送の受け取り:登記識別情報通知書は本人限定受取郵便
登記が完了すると、登記完了証と登記識別情報通知書が交付されます。郵送で受け取る場合の郵便の種類は、ハンドブックで次のように決められています。
| 受け取る書類 | 郵便の種類 |
|---|---|
| 登記完了証と登記識別情報通知書の両方 | 本人限定受取郵便(書留料金+本人限定受取の料金) |
| 登記完了証だけ(登記識別情報の通知を希望しない場合) | 書留郵便 |
本人限定受取郵便は、名あて人本人しか受け取れないため、家族が代わりに受け取ることはできません。登記識別情報は、売却や抵当権の設定など次の登記で本人確認に使う12桁の符号で、通知書は再発行・再交付されません。届いたら、不動産の表示と名義人に誤りがないかを確かめ、他人の目に触れない所に保管します。登記識別情報が何に使われるかは相続登記に権利証はいるかで説明しています。
補正の連絡と、完了までの目安
郵送の申請で心配なのは、書類に不備があったときです。申請書に書いた電話番号に、法務局の担当者から平日の日中に連絡が来ます。不備が補正できるものなら、登記官が定めた期間内に直せば登記されます。期間内に直さなければ、申請は却下されます。
- 電話がつながらないと、補正の期間が過ぎてしまうおそれがある。申請後は、平日の日中に知らない番号からの着信にも出られるようにしておく
- 電話では、何が足りないか、どう直すか、いつまでにどこへ出すかを書き取る
- 遠方の場合は、直した書類を郵送で出してよいか、その場で確かめる
- 直すのが難しい内容(相続人の確定の誤りなど)なら、申請を取り下げて出し直す選択肢もある
補正の電話を受けるときの受け答えは、次の形が目安です。
受け答えの例: 法務局「○○法務局の登記担当です。先日出された相続登記の申請について、確認したい点があります」 あなた「申請人の○○です。受付番号を控えてありますので、メモを取りながら伺います」 あなた(聞いたあとに)「足りないのは○○ということでよいですか。直した書類は郵送で出してよいですか。期限はいつまでですか」 あなた「手元の控えで確認して、折り返しが必要なら、今日の何時ごろならつながりますか」
その場で答えられないことは、無理に答えずに、控えを見て折り返します。聞いた内容は、日時・担当者名・指摘された点・出し直す期限の順にメモしておくと、直し漏れが防げます。
完了までの日数は、法務局がホームページで公表している「登記完了予定日」が目安です。たとえば東京法務局は、申請日の期間ごとに完了予定日の一覧を載せています。申請先の法務局のページで確かめ、予定日を過ぎても返送がなければ、受付番号を伝えて問い合わせます。
郵送とオンラインを組み合わせる方法もあります。申請情報をオンラインで送り、戸籍などの書面だけを郵送するやり方で、手順は相続登記のオンライン申請にあります。全体の流れから確かめたい人は相続登記を自分でする手順へ。
よくある質問
Q. 遠方の不動産の登記を、住んでいる所の近くの法務局に出せますか?
出せません。登記の申請先は、不動産の所在地を管轄する法務局(支局・出張所を含む)と決まっています。近くの法務局に出すと、管轄違いとして申請を取り下げるか却下されることになるので、郵送か、管轄の法務局へのオンライン申請を使います。
Q. 郵送で出した相続登記は、いつ終わりますか?
東京法務局のように、申請日ごとの「登記完了予定日」をホームページで公表している法務局があります。申請先の法務局のページで、自分の申請日を含む期間の予定日を見るのが目安です。書類の不備で補正が入ると、その分だけ遅れます。
Q. 返信用封筒の切手は、いくら分入れればいいですか?
受け取る書類で郵便の種類が変わります。登記完了証と登記識別情報通知書の両方なら本人限定受取郵便(書留料金と本人限定受取の料金を加算)、登記完了証だけなら書留です。料金は重さで変わるので、日本郵便の料金表で確かめ、原本還付で戻る書類の厚さも見込みます。
出典・参考にした公的な情報
- 登記申請手続のご案内(相続登記①/遺産分割協議編)令和8年4月(法務局)(法務省)
- 不動産登記の申請書様式について(法務局)(法務省)
- 管轄のご案内(法務局)(法務省)
- 不動産登記のオンライン申請について(補正・取下げ)(法務省)(法務省)
- 登記完了予定日(東京法務局)(法務省)
- 不動産登記法 第63条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。