不動産売却の税金と特例 / 比較

不動産売却の確定申告の税理士費用と、税理士に頼むべきケース

この記事のもくじ
  1. 頼むべきケースと、自分でできるケース
  2. 税理士費用の確かめ方:公的な相場はない
  3. 頼む先が税理士かどうかを確かめる
  4. 税務署の申告相談との使い分け
  5. 紹介サービスを使う選択肢

不動産売却の確定申告は、利益が出て特例の使い分けも要らない売却なら、自分で申告できます。 一方、特例の選択、取得費が分からない、共有者がいるといった場面では、税理士に頼むと判断の手間と誤りのおそれが減ります。費用には公的な相場がないので、頼むかどうかと費用の確かめ方を順に整理します。

頼むべきケースと、自分でできるケース

迷うのは、売却ごとに事情が違うからです。次の表の「頼むことを考える」に当たる行が多いほど、税理士に頼む価値が上がります。

早見表:自分で進めるか、頼むかの分かれ目
場面 自分で進めやすい 頼むことを考える
特例の選択 使える特例が1つに絞れる 3,000万円控除、買換え特例、取得費加算など複数が候補になる
取得費 購入時の契約書がある 契約書がなく5%概算で足りるか迷う、土地と建物の内訳が不明
共有者 自分1人の名義 兄弟など共有者がいる、相続で持分が複雑
家族への影響 売った人に扶養される家族がいない 売却益で家族の配偶者控除・扶養控除が外れそう
損失 利益が出ており通算の予定もない 損失が出て、損益通算や繰越控除を使いたい
申告の遅れ 期限内に出せる 期限後申告になりそう、税務署から文書が届いた

特例の選択は、国税庁の手引きが注意を促している点です。3,000万円控除と買換え特例のどちらを選ぶかで合計所得金額が変わり、売った人を配偶者控除や扶養控除の対象にしている家族の税額に影響することがあります。この比較は個別の計算になるため、記事で結論は出せません。

取得費が分からないときは、売った金額の5%を取得費にできます(国税庁 No.3258)。ただし、実際の取得費が5%を上回る可能性があるなら、資料の探し方と計算を税理士と詰める価値があります。探し方は取得費不明の不動産売却の税金:5%の概算と取得費の探し方で扱います。

税理士費用の確かめ方:公的な相場はない

日本税理士会連合会は、税理士会が定めていた報酬規定を2002年4月施行の改正税理士法で廃止し、その後は税理士が自己責任と説明責任のもとで報酬を決めているとしています。金額を知る方法は、頼む先の料金表と見積書だけです。

見積書では、次の項目がどう書かれているかを横に並べます。

項目 確かめること
基本報酬 譲渡の1件あたりか、申告書1通あたりか。何が含まれるか
特例の加算 3,000万円控除や取得費加算を使うと上乗せがあるか
共有者・相続人 共有者ごとに別料金か、人数で加算があるか
取得費の調査 契約書がないとき、資料集めや推計の作業が別料金か
実費 登記事項証明書、交通費、郵送費は報酬と別か
追加料金 期限後申告や税務署への対応が別料金になる条件
支払い時期 着手時か、申告書の完成時か

譲渡所得の申告は、相続税と違い遺産全体の評価がないぶん、財産の数より「売却の件数・特例・共有者」で作業量が決まります。そのため、同じ不動産でも事務所によって見積もりの組み立てが違います。見積もりは2〜3事務所から、同じ情報を渡して取ります。

依頼文の例:「2026年6月に、亡くなった父から相続した実家(土地と建物)を兄と2人の共有で売りました。購入時の契約書は見つかっていません。3,000万円控除の利用を考えています。2027年の確定申告について、基本報酬、特例による加算、共有者分の扱い、実費、追加料金が出る条件を分けて見積もってください」

見積書の総額だけで決めず、特例の選び方を説明してくれるか、期限から逆算した日程を示してくれるかも見ます。申告期限は不動産売却の確定申告を忘れたら:期限後申告と加算税の扱いで触れた通り、過ぎると加算税の対象になります。

頼む先が税理士かどうかを確かめる

税務代理・税務書類の作成・税務相談は、税理士と、国税局長に通知した弁護士などに限られます。国税庁は、それ以外の人が有償・無償を問わず行うと税理士法52条違反になると説明しています。

  • 税理士証票の提示を求める。
  • 日本税理士会連合会の税理士情報検索サイトで、登録されているかを確かめる。
  • 弁護士に頼む場合は、国税局長への通知があるかを国税局の窓口で確かめる。

不動産会社や紹介サイトの担当者は、税理士でなければ個別の税額の相談に答えられません。「売却と同時に申告も任せられる」と言われたときは、申告を担当するのが誰か、見積書に書かれた担当資格を読みます。専門家ごとの役割は相続手続きの専門家の違い:弁護士・司法書士・税理士・行政書士の頼み分けで整理しています。

税務署の申告相談との使い分け

費用をかけずに進めたい人は、税務署の相談を先に使う手があります。国税庁は、申告相談の際はご自身のスマホで申告書を作成し、e-Taxで送る方法を案内しています。面接での申告相談は事前予約が必要です。

向くのは、利益の計算が単純で、作成コーナーの案内に沿って入力できる人です。向かないのは、特例の選択や共有者ごとの分け方など、個別の判断が要る人です。税務署の申告相談は、作成コーナーの使い方に沿って本人が入力する指導が中心です。国税庁の案内に、申告書の作成を引き受けるという記載はありません。窓口の番号と使い方は、次の譲渡所得税の相談窓口:税務署の電話相談と確定申告会場の使い方にまとめます。

比べる点 税務署の相談 税理士に依頼
費用 税務署の相談に報酬は不要 報酬と実費がかかる
申告書の作成 自分で作成する(案内を受ける) 依頼の範囲で税理士が作成する
特例の選び方の助言 制度の説明は聞けるが、有利不利の比較を頼む場ではない 事情に合わせて計算して比較する
向く人 単純な売却で、自分で入力できる人 特例が複数ある、共有者がいる、取得費が不明な人

紹介サービスを使う選択肢

税理士を自分で探す時間がないときは、条件に合う税理士を紹介する民間のサービスを使う方法もあります(PR)。紹介サービスは、紹介会社が税理士でない場合があります。税額の相談に答えるのは紹介先の税理士なので、申し込む前に次の点を確かめます。

  • 紹介先が税理士として登録されているか(税理士情報検索サイトで確認)。
  • 紹介料の有無と、依頼したときの報酬が別にかかるか。
  • 譲渡所得の申告の経験があるか、見積もりを書面でもらえるか。

どの方法でも、頼む前に売買契約書、取得時の資料、仲介手数料の領収書を手元にそろえておくと、見積もりの精度が上がります。申告後に税務署から文書が届いたときの動き方は不動産売却の後に届くお尋ね:回答の書き方と申告が要るかの判断へ進んでください。

よくある質問

Q. 不動産売却の確定申告を税理士に頼むと、費用はいくらくらいですか?

公的な相場はありません。日本税理士会連合会によると、税理士の報酬規定は2002年4月施行の改正税理士法で廃止され、今は各税理士が自分で報酬を決めています。ネット上の金額は個々の事務所の料金なので、頼む先の料金表と見積書で確かめます。見積もりは譲渡の件数、特例の有無、共有者の数といった前提をそろえて取ると比べられます。

Q. 税務署に行けば、申告書を代わりに作ってもらえますか?

税務署の申告相談は、国税庁の確定申告書等作成コーナーを使って自分で作成し、e-Taxで送る方法を案内する場です。国税庁は、来場する人には自分のスマホを使った作成を案内していると説明しています。国税庁の案内は本人が自分で作成して送る指導で、申告書の作成を引き受けるとは書かれていません。作成を任せたいなら税理士に依頼することになります。

Q. 知人が無料で申告書を作ってくれると言っています。頼んでもよいですか?

税理士でない人が、有償か無償かを問わず税務代理・税務書類の作成・税務相談を行うと、税理士法52条に違反すると国税庁は説明しています。例外は国税局長に通知した弁護士などに限られます。依頼する前に、日本税理士会連合会の税理士情報検索サイトで登録を確かめます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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