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再建築不可のリフォームはどこまでできる?2025年の法改正の影響

この記事のもくじ
  1. 再建築不可のリフォームはどこまでできる?改正後の線引き
  2. なぜ再建築不可の家では確認が通りにくいのか
  3. 工事の前に確かめる5つの手順
  4. 費用をかける前に、売る・手放す選択肢と比べる
  5. 再建築不可の家を相続したときに一緒に確かめたいこと

再建築不可の家でも、リフォームそのものが禁止されているわけではありません。2025年4月の建築基準法の改正で変わったのは、「どの工事に建築確認(工事前に、建物が法律に合っているかを審査してもらう手続き)が要るか」です。2階建て、または延べ面積200㎡を超える木造の家では、柱・壁・床・屋根・階段などの過半を直す大規模なリフォームに確認が要るようになりました。接道義務を満たさない家ではその確認が通りにくいため、工事の範囲を「確認が要らない範囲」に収められるかが、住み続けるかどうかの分かれ目になります。

再建築不可のリフォームはどこまでできる?改正後の線引き

結論から書くと、線引きは「家の規模」と「工事の大きさ」の組み合わせで決まります。

建築基準法6条1項は、建築確認が要る建物を区分しています。2025年4月1日に施行された改正後は、次のとおりです。

  • 2階建て以上、または延べ面積200㎡超の建物(新2号):新築・増築だけでなく、大規模の修繕・大規模の模様替にも確認が必要(地域を問わない)
  • 平屋かつ延べ面積200㎡以下の建物(新3号):都市計画区域などでの新築には確認が要るが、大規模の修繕・模様替は確認の対象外

ここでいう「大規模の修繕/模様替」は、主要構造部(壁、柱、床、はり、屋根、階段)の一種以上について過半を直す・作り替える工事です(同法2条14号・15号)。たとえば2階建ての家で、柱の半分以上を入れ替える、屋根を下地から全面的にやり替える、といった工事がこれに当たります。

改正前は、木造2階建ての住宅はいわゆる「4号特例」で、大規模なリフォームでも確認が要りませんでした。そのため「再建築不可でもスケルトンリフォームで新築同様にする」という方法がとられてきましたが、2階建てではこの前提が変わっています。

早見表:再建築不可の木造の家で、確認が要る工事・要らない工事
工事の例 2階建て、または200㎡超 平屋かつ200㎡以下
キッチン・トイレ・浴室など水回りの交換 原則不要 不要
手すり・スロープの設置(バリアフリー) 原則不要 不要
屋根材・外壁の仕上げ材だけの張り替え 不要 不要
内装(壁紙・床材の表面)の張り替え 不要 不要
屋根の全面的な改修(下地・構造から) 必要(大規模の修繕) 不要
階段の架け替え 必要(大規模の模様替) 不要
柱・壁・床の過半を入れ替えるスケルトン改修 必要 不要
増築・建て替え 必要(接道を満たさないと通らない) 必要(同左)
(国土交通省リーフレットと建築基準法6条をもとに作成。「原則不要」は工事の中身によって該当する場合がある、という意味)

なぜ再建築不可の家では確認が通りにくいのか

再建築不可は法律用語ではありません。建物の敷地は、建築基準法上の道路(原則として幅4m以上)に2m以上接していなければならないという接道義務(43条1項)を満たさないため、建て替えの建築確認が下りない土地の通称です。旗竿地の通路部分の幅が2m未満の家や、建築基準法上の道路に面していない家が典型です。くわしい成り立ちは再建築不可とは?建て替えできない理由と相続した時の選択肢で整理しています。

建築確認では、工事後の建物が建築基準法の規定に合っているかが審査されます。国土交通省のリーフレットも、確認は着工前に終える必要があり、現行の法律に合っていない箇所があれば、別に合わせる工事が要る場合があると説明しています。接道は敷地の条件なので、建物をいくら直しても解消できません。このため、接道義務を満たさない2階建ての家では、大規模の修繕・模様替の確認が通らない可能性が高いと考えておくのが現実的です。

確認が要る工事を確認なしで進めた場合、建築主と施工者は罰則の対象になります(99条:1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金)。「見つからなければよい」という進め方は、後で売るときにも工事の記録が問題になりうるので避けてください。

例外として、43条2項には、特定行政庁の認定や、建築審査会の同意を得た許可によって、接道義務を満たさない敷地でも建築を認める道があります。認められるかは敷地の周囲の空地の状況などによる個別の審査です。「許可を取れば建てられる」と決めつけず、市区町村の建築指導課で、前面の道の種別と過去の許可の例を聞くところから始めます。

工事の前に確かめる5つの手順

住み続ける、または貸すためにリフォームを考えるなら、見積もりを取る前に次の順で確かめておくと、後戻りが減ります。

  1. 家の規模を確かめる:登記事項証明書(建物)や固定資産税の課税明細書で、階数と延べ面積を見ます。平屋で200㎡以下なら、大規模なリフォームでも確認の対象外です。
  2. 前面の道の種別を確かめる:市区町村の建築指導課で、道路の種別(建築基準法上の道路か、幅4m未満の2項道路か)を閲覧します。2項道路に接する敷地は、道の中心線から2m後退した線が道路境界線とみなされます(42条2項)。
  3. やりたい工事を「部位」と「範囲」で書き出す:「屋根を全部」「1階の床を全部」のように、主要構造部のどこを、どれだけ直すかを書きます。過半かどうかの判断材料になります。
  4. 建築士か指定確認検査機関に事前相談する:書き出した工事が大規模の修繕・模様替に当たるか、当たるなら確認が通る見込みがあるかを聞きます。延べ面積100㎡を超える建物で大規模なリフォームをするときは、建築士による設計・工事監理が必要とされています(リーフレット)。
  5. 見積書に「確認申請の要否」を書いてもらう:施工会社の見積もりで、確認が要らない範囲に収めた工事内容になっているかを書面で残します。

見積もりを頼むときの伝え方の例:「この家は接道の条件から建て替えができない土地です。2025年4月の改正後の建築確認が要らない範囲で、水回りと内装、屋根の仕上げを直したいと考えています。工事が大規模の修繕・模様替に当たらないかも含めて、見積書に書いてください。」

費用をかける前に、売る・手放す選択肢と比べる

相続した再建築不可の家に大きな費用をかけるかは、「何年住むか、貸せるか」と「売るときにいくら戻るか」で考えます。再建築不可の家は買い手が限られ、リフォーム費用がそのまま売値に上乗せされるとは限りません。

考え方 向いている場合 先に確かめること
確認不要の範囲で直して住む・貸す 構造に大きな傷みがなく、水回りや内装の更新で足りる 雨漏り・シロアリなど構造の傷みの有無(建物状況調査の活用)
平屋に減築してから大きく直す 2階部分を使っておらず、平屋200㎡以下に収まる 減築の工事そのものに確認が要るか(建築士に相談)
隣地の取得などで接道を満たす 隣の土地の一部を買える・借りられる見込みがある 必要な間口(2m)と、隣地の所有者の意向
手を加えずに売る 住む予定がなく、修繕費をかけたくない 仲介と買取の査定の比べ方

隣の土地との調整や、そのまま売る方法は再建築不可の家が売れないときと再建築不可の買取業者の選び方にまとめています。再建築不可かどうかにかかわらず、空き家に費用をかける判断の基本は空き家のリフォーム:住む・貸す・売る目的別に費用をかける判断を参考にしてください。

リフォームの見積もりを複数の会社から取る方法として、見積もりの一括依頼サービスがあります。使う場合も、この記事の5つの手順で整理した「確認が要らない範囲の工事」を伝え、会社ごとの見積書で工事範囲と確認申請の要否を比べてください。

再建築不可の家を相続したときに一緒に確かめたいこと

建物を直す前に、相続の手続きが済んでいるかも確かめておきます。工事の契約や、将来売るときの契約は、登記上の所有者が当事者になります。相続登記がまだなら、相続登記の義務化:期限3年・過料10万円以下・相続人申告登記で期限を確かめてから進めてください。

土地が借地の場合は、増改築に地主の承諾が要る条件が契約に入っていることがあります。借地の家をどうするかは借地権の売却:地主の承諾・承諾料・売れないときの選択肢で整理しています。なお、ここで説明した区分は2026年10月23日時点の建築基準法にもとづきます。工事の着手が先になる場合は、契約の前に、その時点で確認が要る範囲を建築士か施工会社に確かめてください。

よくある質問

Q. 再建築不可の2階建てで、キッチンとお風呂だけ入れ替えるのは問題ありませんか?

国土交通省のリーフレットでは、キッチン・トイレ・浴室などの水回りのリフォームは建築確認の手続きが不要な例として挙げられています。ただし、床や壁の撤去が広い範囲に及ぶと大規模の模様替に当たることがあるため、工事の範囲を図面で示して、建築士か指定確認検査機関に事前に聞いておくと安心です。

Q. 2025年3月までに始めた工事も、建築確認が必要になりますか?

リーフレットでは、2025年4月以降に工事に着手するものが対象とされています。それより前に着手した工事の扱いや、改正前に手続きを進めていた工事の細かな経過措置は、工事を請け負った会社か建築主事に確かめてください。

Q. 屋根を葺き替えたいのですが、確認申請は要りますか?

屋根材などの仕上げだけを替える改修は該当しないとされています。一方で、屋根の全面的な改修(下地や構造まで替える工事)は、2階建てなどでは大規模の修繕に当たる例として示されています。どちらに当たるかは工事の中身で決まるので、見積もりの段階で工事の範囲を書面にしてもらってください。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

再建築不可とは?建て替えできない理由と相続した時の選択肢

再建築不可の買取業者の選び方:査定方法と契約で確かめる点

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借地権の売却:地主の承諾・承諾料・売れないときの選択肢