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再建築不可の家が売れないとき:隣地への売却と買取業者の比べ方

この記事のもくじ
  1. 再建築不可の家が売れない理由を切り分ける
  2. 隣地の所有者に打診する
  3. 買取業者と比べるときの考え方
  4. 更地にしない理由と価格の考え方

再建築不可の家が売れない一番の理由は、買った人がその土地に新しい家を建てられないため、買える人が限られることです。売れないときは、①売り先を「隣地の所有者」「買取業者」「今の家のまま使いたい人」に分けて考え、②家を壊して更地にはせず、③価格を通常の土地と比べず、再建築不可の取引として考え直す、の順に進めます。中でも隣地の所有者は、土地が広がって接道が良くなることがあり、最も高く買ってくれる可能性がある相手です。

再建築不可の家が売れない理由を切り分ける

「再建築不可だから売れない」とひとまとめにせず、どこで止まっているかを分けると打ち手が見えます。

止まっている所 よくある原因 打ち手
問い合わせが来ない 一般の住宅として売り出していて、買い手の層とずれている 隣地の所有者に直接打診する/再建築不可を扱う業者に相談する
内見はあるが決まらない 建て替えできないこと、家の傷みが不安 修繕の履歴や雨漏りの有無を書面で示す、価格を見直す
買い手が資金を用意できない 建て替えできない土地は担保としての評価が低くなりやすく、ローンを組みにくいことがある 現金で買える買い手(隣地・業者)に絞る
価格が合わない 通常の土地の相場で売り出している 再建築不可の取引として価格を考え直す

再建築不可かどうか自体を確かめていないなら、先に再建築不可とは何か:接道義務と確認方法の手順で役所に確かめます。前の道が2項道路だった、建築基準法43条2項の許可の見込みがある、と分かれば、売り方が大きく変わります。空き家全般の売れない原因は空き家が売れない理由と対策にもまとめています。

買い手の不安を減らすには、再建築不可であることを隠さず、判断に要る材料を最初からそろえて見せることが近道です。売り出す前に、次の資料を手元に用意します。

  • 前の道の種別を建築指導課で確かめた結果(何項の道路か、道路でないか)
  • 法務局で取った公図・地積測量図の写しと、間口を測った寸法
  • 隣地との境界標の有無と、境界について隣地ともめた経緯がないか
  • 雨漏り・シロアリ・傾きなど、知っている不具合と修繕の履歴
  • 上下水道・ガスの引き込みの状況(隣地を通っている配管がないか)
  • 固定資産税の納税通知書(評価額と税額)

知っている不具合を書面で伝えておくことは、売った後に「聞いていない」と言われる争いを防ぐことにもつながります。

隣地の所有者に打診する

隣の土地の所有者にとって、あなたの土地を買うと次のような利点がありえます。

  • 隣地と合わせることで、通路の幅が2mに届いたり、敷地が広くなったりする
  • 駐車場や庭として使える
  • 空き家が隣にある不安(防犯・倒壊・雑草)がなくなる

打診は、いきなり訪ねるより、手紙で目的と連絡先を伝えるほうが相手も考える時間を取れます。

文例:「突然のお手紙で失礼します。お隣の○○番地の家を相続した△△と申します。この家を手放すことを考えており、まずはお隣の皆様にご関心がないか伺いたくご連絡しました。価格や条件はご相談のうえ決めたいと思っています。ご興味があれば、下記までご連絡いただけますと幸いです。(連絡先)」

隣地の所有者が誰か分からない場合は、法務局で隣の土地の登記事項証明書を取ると、登記上の所有者の氏名と住所が分かります。両隣・裏の土地など、接している土地すべてが打診の候補です。

話がまとまりそうなら、境界を確かめる測量、契約書、代金と登記の受け渡しを整えます。個人どうしの直接取引もできますが、契約と決済だけ不動産会社の仲介を使う方法もあります。

比較表:再建築不可の家の売り先
売り先 価格の傾向 期間 向いている場面
隣地の所有者 隣地にとっての利点しだいで、高くなることもある 相手の判断しだい 隣地と合わせると接道や使い勝手が良くなる
今の家のまま使いたい個人(仲介) 家の状態しだい 長くかかりやすい 家の状態がよく、駅や街中に近い
再建築不可を扱う買取業者 低くなりやすい 比較的短い 早く手放したい、家の傷みが大きい

買取業者と比べるときの考え方

隣地の所有者が買わない、仲介でも決まらないときは、再建築不可の物件を扱う買取業者が選択肢になります。業者は買い取った後に修繕して貸す・売る、隣地と交渉するなどの手間とリスクを見込むため、価格は仲介で売れた場合より低くなりやすいのが一般的です。

比べるときは次の2つを並べます。

  1. 仲介で売り出す場合の査定額と、その根拠:媒介契約を結ぶ不動産会社には、価格について意見を述べるときに根拠を示す義務があります(宅建業法34条の2第2項)。
  2. 買取業者2社以上の買取価格と、その内訳:家の評価、修繕の見込み、差し引いた費用を書面でもらう。

買取は売主にクーリング・オフがない取引なので、その場で契約を急がされても、持ち帰って比べてから決めます(自宅の買取・リースバックの強引な勧誘:断り方と相談先)。業者の免許の確かめ方や契約で見る点は再建築不可の買取業者の選び方と契約で確かめる点にまとめました。

更地にしない理由と価格の考え方

「家が古いから壊して土地で売ろう」と考えがちですが、再建築不可の土地では壊すと不利になることが多いです。

  • 原則として建て直せなくなる:今ある家は使い続けられても、壊した後に新しく建てる家は、接道義務を満たすか、43条2項の認定・許可を受けない限り建築確認が通りません。買い手にとっての使い道が「家付き」より狭くなります。
  • 固定資産税の特例が外れる:住宅が建っている土地は住宅用地の特例(地方税法349条の3の2)の対象になりえますが、家を壊すと住宅用地でなくなり、特例が外れます(仕組みは空き家の固定資産税と住宅用地特例)。
  • 解体費がかかる:解体の費用を先に払っても、その分高く売れるとは限りません。

壊すかどうかは、買い手が決まり、その買い手が更地を望んだときに考えれば足ります。

価格は、周辺の通常の土地・戸建ての相場から始めると、高すぎる売り出し価格になりがちです。国土交通省の不動産情報ライブラリでは、周辺の取引価格や成約価格の情報を地図で見られますが、そこに出るのは主に通常の物件の価格です。再建築不可の家は個別性が大きく公的な相場もないため、周辺の価格はあくまで上限の目安とし、隣地・業者・仲介の具体的な提示額を並べて決めます。売り出し後に反応がなければ、媒介契約の期間(専任なら3か月まで)の区切りで価格と売り方を見直します(媒介契約の種類と選び方の比較表)。

よくある質問

Q. 隣の人に買ってもらうとき、不動産会社を通さずに直接売ってもよいですか?

個人どうしで直接売買することもできます。ただ、境界の確認、契約書の作成、代金と登記の受け渡しを自分たちで整える必要があり、後で境界や不具合をめぐって争いになると近所付き合いにも響きます。価格の話し合いだけ当事者で進め、契約と決済は不動産会社の仲介や司法書士の登記と組み合わせると安心です。

Q. 再建築不可の家に買い手がつかないまま、何年も持ち続けるとどうなりますか?

固定資産税や管理の手間がかかり続け、家が傷むほど売りにくくなります。管理が行き届かないと、市区町村から管理不全空家として指導・勧告を受け、勧告されると土地の固定資産税の住宅用地特例が外れます。売れるまでの間も、最低限の点検と修繕を続けることが価格を保つことにつながります。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

再建築不可とは?建て替えできない理由と相続した時の選択肢

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