譲渡所得税はいつ払う?売った翌年3月の申告・納付と住民税の時期
この記事のもくじ
譲渡所得税(所得税と復興特別所得税)は、不動産を売った年の翌年2月16日から3月15日までに確定申告をして、3月15日までに納めるのが原則です。2026年中に引渡しをした売却なら、2027年2月16日(火)から3月15日(月)までです。納付書は税務署から届かないため、納付の方法を自分で選びます。住民税は所得税の申告とは別に、市区町村から納税通知書が届いて納めます。
申告と納付の期限:いつからいつまで
国税庁は、譲渡所得の申告を「譲渡した日の属する年の翌年の2月16日から3月15日まで」としています。納付の期限も原則として同じ3月15日です。年ごとの具体的な日は次のとおりです(曜日は筆者が確認)。
| 引渡し(譲渡)の時期 | 申告期間 | 納付期限 |
|---|---|---|
| 2026年1月〜12月 | 2027年2月16日(火)〜3月15日(月) | 2027年3月15日(月) |
| 2027年1月〜12月 | 2028年2月16日(水)〜3月15日(水) | 2028年3月15日(水) |
3月15日が土日にあたる年は、期限が翌営業日になる扱いが国税庁の年ごとの案内に載ります。直近の例では、令和7年分(2026年の申告)の納付期限は2026年3月16日でした。2027年は3月15日が月曜なので、ずれません。実際の期限は、申告の時期に国税庁の確定申告特集で確かめてください。
還付になる申告は、2月15日以前でも提出できます。居住用財産の譲渡損失の特例(不動産売却が赤字のとき)で所得税が戻る場合が、これにあたります。
「売った年」はいつ決まる?契約日と引渡し日
申告の年を決めるのは、譲渡の日です。国税庁の説明は次のとおりです。
- 原則:売買契約に基づいて、資産を買主に引き渡した日
- 例外:売買契約の効力発生の日(一般には契約締結の日)を譲渡の日として申告してもよい
2026年12月に契約し、2027年1月に引渡しをする売却は、引渡し日で数えれば2027年分、契約日で数えれば2026年分になります。どちらの年で申告するかで、使える特例の要件(売った年の1月1日現在の所有期間、前年・前々年の特例の利用など)や、税率、住民税の時期が変わることがあります。年末をまたぐ売却は、契約の前に、どちらの日で申告する予定かを税務署か税理士に確かめておきましょう。
売った人が年の途中で亡くなった場合は、相続人が、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に、被相続人の譲渡所得の申告をします(国税庁)。
納付の方法:納付書は届かない
国税庁の案内に載っている納付方法は、次のとおりです。
- 振替納税(指定した口座から自動で引き落とされる)
- ダイレクト納付(e-Taxで口座から納付)
- インターネットバンキング
- クレジットカード納付
- スマホアプリ納付
- コンビニ納付(QRコード)
- 現金での納付(納付書を使う)
売却代金が入っている口座から引き落とす振替納税は、納付を忘れにくい方法です。振替納税の依頼は、税務署か金融機関に書面を出すか、e-Taxで行います。国税庁の案内では、期限内に出した確定申告の分が対象で、期限後の申告や修正申告の分は使えません。口座は本人名義のものに限られ、領収証書は出ません。引き落としができないと、法定納期限の翌日から延滞税がかかるため、振替日の前日までに残高を確かめます。国税庁の「主な国税の納期限及び振替日」の表では、令和7年分(2026年の申告)の振替日は2026年4月23日(木)、令和8年分(2027年の申告)は2027年4月23日(金)です。つまり、3月15日の申告期限から約5週間あとに引き落とされます。
払うお金が足りないとき:延納
確定申告で納める税額の2分の1以上を期限までに納めれば、残りを5月31日まで延ばせる制度があります(延納)。令和7年分は5月31日が日曜のため6月1日(月)が期限でした。令和8年分(2027年の申告)の延納の期限は、国税庁の表で2027年5月31日(月)です。延納の届出が必要で、延びた期間には利子税がかかります。利子税の割合は、年7.3%と特例基準割合のいずれか低いほうです(国税庁)。振替納税と延納を組み合わせるときの届出の書き方は、確定申告の手引きの「延納の届出」で確かめてください。
延納よりもさらに納付が難しいときは、納付の猶予の制度を税務署で相談できます。制度の中身と相談の仕方は不動産売却の税金が払えないで整理しています。
住民税はいつ払う?所得税とは別に届く
土地建物の譲渡所得には、所得税とは別に住民税がかかります。国税庁の手引きでは、所得税と復興特別所得税の確定申告書を出した人は、改めて住民税の申告書を出す必要はありません。申告の内容に基づき、市区町村が税額を決めて納税通知書を送ります。
納期と回数は市区町村が決めるので、通知書で確かめてください。江東区の案内では、普通徴収の税額は6月中旬に決定して通知され、納期限は6月、8月、10月、翌年1月の4回です。対象は個人事業主のほか、給与や公的年金から特別徴収されている税額以外に納める税額がある人とされています。つまり、所得税は3月、住民税は6月以降というように、時期がずれて請求が来ます。売却益が大きい年は、所得税の納付が済んだ後に住民税の請求が来る前提で、売却代金から取り置いておくと安心です。住民税の税率、国民健康保険料への影響は不動産売却の翌年の住民税・国民健康保険料にまとめています。
売ってから納めるまでの流れ(チェックリスト)
- 売却の契約と引渡しの日付を決める。年末をまたぐなら、譲渡の日をどちらで数えるかを確かめる。
- 売却後、翌年の1月ごろまでに、売買契約書・領収書・登記事項証明書・取得時の資料をそろえる。
- 譲渡所得の内訳書を作る。特例を使うなら、確認書などの発行日数から逆算して書類を取る。
- 2月16日以降に確定申告をする(e-Taxや郵送、税務署。手順は不動産売却の確定申告)。
- 3月15日までに納付する。振替納税を使うなら、依頼書を出して口座の残高を確かめる。
- 住民税の通知書が届いたら、納期までに納める。
文例(税務署への電話):「令和○年に不動産を売りました。引渡しは○月○日で、契約は前年の○月です。確定申告で譲渡の日をどちらで数えるべきか、教えてください。」
国税の一般的な質問の電話番号と受付時間は譲渡所得税の相談窓口にまとめています。個別の申告書の作成や税額の計算は、税理士の業務です。窓口全体は相続手続きの無料相談窓口一覧にまとめています。
よくある質問
Q. 売買契約を12月、引渡しを翌年1月にした場合、どの年の申告になりますか?
国税庁は、譲渡の日を原則として資産を引き渡した日としています。そのため引渡しが翌年1月なら、その翌年分の譲渡として申告します。契約の効力が発生した日(一般には契約締結の日)を譲渡の日として申告することも認められているため、どちらを選ぶかは税務署や税理士に確かめてください。
Q. 申告書を出せば、税務署から納付書が届きますか?
届きません。国税庁は、申告書を提出しても税務署から納付書などは送られないので、自分で納付すると説明しています。振替納税の依頼をしておけば、指定の口座から振り替えられます。
Q. 3月15日に払えないときは、どうすればよいですか?
期限までに納付できないと、延滞税がかかります。期限の前に税務署へ相談してください。納める税額の2分の1以上を期限までに納めれば、残りを5月31日まで延ばせる延納の制度もあります。詳しくは[不動産売却の税金が払えない](/jouto-haraenai/)に書いています。
出典・参考にした公的な情報
- No.3102 譲渡所得の申告(国税庁)
- No.2020 確定申告(国税庁)
- No.9201 振替納税のお勧め(国税庁)
- 主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日(国税庁)
- 手順5 延納の届出(令和7年分 確定申告の手引き)(国税庁)
- No.9206 国税を期限内に納付できないとき(国税庁)
- 普通徴収(住民税の納期・通知書の時期・江東区の例)(江東区)
- 令和7年分 土地や建物の譲渡所得のあらまし(国税庁)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。