不動産の買取チラシ・営業電話は本当?相手の確かめ方と断り方
不動産の買取チラシや営業電話は、免許を持つ不動産会社が、売ってくれる家を探すために出す営業であることもあれば、注意が要る勧誘であることもあります。「買います」と書かれていても、それは売買の約束ではありません。売る気がなければ応じる必要はなく、売る気が少しでもあるときは、相手の免許と、自分で買うのか仲介なのかを確かめてから話を進めます。
居座られる、長時間の勧誘を受ける、脅されたといったことで困ったら、消費者ホットライン188に相談できます。番号と受付時間は相続・不動産売却の相談窓口一覧にあります。身の危険を感じたときは、ためらわずに110番に電話してください。
買取チラシ・営業電話の目的
チラシや電話の目的は、書かれている文面だけでは分かりません。主な型は次の4つです。
| 型 | 内容 | 最初に確かめること |
|---|---|---|
| 買取の営業 | 会社が自分で買い、再販や活用をする | 免許番号、買取か仲介か |
| 仲介の営業 | 「買いたい人がいる」として、売却の仲介を頼むよう誘う | 買主候補の実在、媒介契約の内容 |
| 査定の営業 | 無料査定を入り口に売却を勧める | 売る意思がなければ断ってよい |
| 注意が要る勧誘 | 「高く買う」と言って手続き費用などを請求する | 金銭の請求があれば取引しない |
宅建業者は、広告をするとき、自分が当事者(売主・買主)か、代理か、媒介かを明示しなければなりません(宅建業法34条)。「買取」と書かれたチラシでも、実際には買主を探す仲介の営業であることがあります。電話で聞かれたら、「御社が買うのですか、買主を探すのですか」と最初に尋ねます。
注意が要る勧誘の例として、国土交通省は、原野商法の二次被害を挙げています。「あなたの土地を高値で買い取る」という電話から始まり、手続き費用や税金対策の名目で金銭を請求したり、土地を売ると同時に別の原野などを買う契約を結ばせたりする手口です。売買の代金より先に、こちらから払うお金の話が出たら、その場で断ります。
持ち主を知られている理由
登記記録に記録された事項は、手数料を納めれば、何人も登記事項証明書の交付を請求できます(不動産登記法119条)。このため、名義人の氏名や所在地を調べて、チラシや手紙を送る会社があります。国民生活センターも、登記情報を参考にしたという売却勧誘のはがきが届いた相談を、事例として公表しています。チラシが届いたこと自体は、あなたの家が特別な価値を認められた、という意味ではありません。
名義が亡くなった人のままの家にも届きます。相続した家を売るには、買主へ名義を移す前に、相続人の名義にする相続登記が必要です。順番は相続不動産の売却の流れで確かめられます。
相手が本当に不動産会社か確かめる方法
チラシに載った会社が実在し、免許を持つかは、次の順に確かめられます。
- チラシの免許番号と商号を控える。免許番号が書かれていない広告は、確かめる手がかりが減ります。
- 国土交通省の宅地建物取引業者情報検索に入力する。商号、免許番号、事務所の所在地が、チラシの記載と一致するかを見ます。免許を受けていない者は、宅建業を営む旨の表示や広告もできません(宅建業法12条)。
- 処分の履歴は、国土交通省のネガティブ情報等検索サイトで調べる。ただし、全部の都道府県の処分情報を網羅していないため、正確な情報が必要なときは免許行政庁に問い合わせます。
- 勧誘された側の記録を残す。電話なら、日時、会社名、担当者名、言われた金額と条件をメモします。
勧誘に先立って、会社の商号、勧誘する人の氏名、勧誘の目的を告げない勧誘は、宅建業者の禁止行為として定められています(施行規則16条の11)。電話で名乗らない、用件をぼかす相手は、確かめる前に話を続けません。
免許があること、処分の履歴がないことは、取引の相手として信頼できる、という意味ではありません。確かめた後は、条件を比べる段階に進みます。業者を比べる項目は不動産の買取業者の選び方にまとめています。
買取チラシ・営業電話の断り方と文例
売る気がないときは、はっきり断り、今後の勧誘も断ると伝えます。曖昧に「考えておきます」と答えると、再度の連絡の理由になります。契約しない意思(勧誘を受けたくない意思を含む)を示した人に勧誘を続けることは、禁止行為です(施行規則16条の11)。
電話の断り方:「売る予定はありません。今後のお電話もお断りします。」
訪問の断り方:「売る予定はありません。お帰りください。今後は訪問もお断りします。」
書面で断る場合:「貴社のチラシについて、当方は不動産を売却する予定がありません。今後の送付・連絡をお断りします。(日付・氏名)」
断るときのルールは次のとおりです。
- 電話番号以外の個人情報(家族の状況、物件の状態、ローンの有無)を答えない
- 玄関先で契約書や書類に署名しない。書面を渡されても、その場で署名しない
- 帰らない場合は、「帰ってください」とはっきり告げ、応じなければ警察に連絡する
- 勧誘が続く場合は、日時と内容の記録を持って、免許行政庁に相談する
国土交通省は、投資用マンションの販売などで不動産会社から電話による執拗な勧誘を受けたとき、免許行政庁に情報を寄せるよう案内しています。この案内は投資用マンションの勧誘について書かれたものですが、買取の勧誘でも、続く勧誘は免許を出した行政庁に相談できます。免許行政庁は、国土交通省の検索システムの結果から分かります。
すでに話が進んでしまった場合と、売る気が出てきた場合
書類に署名してしまった、金額を口頭で約束した、お金を請求された、という段階では、自宅の売却にクーリング・オフがないため、早い相談が重要です。署名の内容と相談先は自宅の買取・リースバックの強引な勧誘の断り方と相談先に、番号とともにまとめています。
反対に、チラシをきっかけに売ることを考え始めたなら、チラシの会社だけで決めません。仲介の査定と買取の提示額を並べ、手取りで比べます。買取の仕組みと、仲介との違いは不動産の買取と仲介の違い、価格の比べ方は不動産の買取相場と価格の比べ方で説明しています。高齢の親の家に頻繁に連絡が来るときは、家族が電話の内容を聞き取り、一人で判断させない体制をつくると、安心して断れます。
よくある質問
Q. チラシや電話の相手は、なぜ私の家の持ち主を知っているのですか?
登記記録に記録された事項は、手数料を納めれば何人も登記事項証明書を請求できるからです(不動産登記法119条)。登記の名義人の氏名と所在地は、そこから分かります。名義が亡くなった親のままなら、相続人あてでなく、亡くなった人の名前で届くこともあります。
Q. チラシに書かれた金額で、その家を買ってもらえますか?
チラシの金額は、物件を見ていない段階の目安にとどまることがあり、売買の約束ではありません。契約が成立するのは、売買契約書に双方が署名押印したときです。金額を確かめたいときは、物件を見たうえでの書面の提示を求め、ほかの会社の査定額と並べます。
Q. 電話で「売る気はない」と言ったのにまた来ました。どうすればよいですか?
契約しない意思を示した人への勧誘の継続は、宅建業者に禁止されている行為として施行規則16条の11に定められています。電話の日時と相手の会社名・担当者名を記録し、再度はっきり断ります。続く場合は、相手の免許を出した行政庁(免許行政庁)に相談する方法があります。
出典・参考にした公的な情報
- 宅地建物取引業法 第3条・第12条・第34条・第47条の2(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法施行規則 第16条の11(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 不動産登記法 第119条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 宅地建物取引業者情報検索(国土交通省)
- <消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ(国土交通省)
- 高齢者の自宅の売却トラブルに注意(2021年6月24日)(国民生活センター)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。