相続税の税率表:10%〜55%の速算表と控除額の使い方
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相続税の税率は、10%・15%・20%・30%・40%・45%・50%・55%の8段階です。金額が大きい部分ほど高い税率が掛かる超過累進税率で、計算は国税庁の速算表を使うと「取得金額×税率−控除額」の1行で済みます。ただし、税率を掛けるのは相続人それぞれが実際にもらう額ではありません。基礎控除を引いた残りを法定相続分で分けたと仮定した1人分の額に掛けます。この記事では速算表とその使い方を示し、数字は筆者の計算として検算を添えます。
相続税の税率の速算表(2026年10月時点)
国税庁 No.4155(令和8年4月1日現在法令等)の速算表です。根拠は相続税法16条です。
| 法定相続分に応ずる取得金額 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 1,000万円以下 | 10% | ― |
| 1,000万円超〜3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
| 3,000万円超〜5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
| 5,000万円超〜1億円以下 | 30% | 700万円 |
| 1億円超〜2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
| 2億円超〜3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
| 3億円超〜6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
| 6億円超 | 55% | 7,200万円 |
使い方は、左の列で金額の段を探し、「金額×税率−控除額」を計算するだけです。たとえば1人分が2,600万円なら、15%の段なので2,600万円×15%−50万円=340万円です(筆者の計算)。
税率は「法定相続分で分けた1人分」に掛ける:仕組みと理由
相続税の計算で、税率が出てくるのは「相続税の総額」を出す段階です。国税庁 No.4152 の流れでは、次の順になります。
- 全員の課税価格を合計し、基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を引く。残りが課税遺産総額。
- 課税遺産総額を、法定相続人が法定相続分どおりに分けたと仮定して1人ずつの額にする(実際の分け方とは関係ない)。
- 1人ずつの額に速算表を当てはめ、全員分を足す。これが相続税の総額。
- 総額を、実際に取得した財産の割合で各人に配り直す。
この仕組みのため、同じ遺産額でも、法定相続人の人数と構成で総額が変わり、遺産の分け方では総額が変わりません。分け方で変わるのは、総額を誰がどれだけ負担するかと、そのあとに使える配偶者の税額の軽減などの額です。法定相続分の割合は法定相続人の割合:組み合わせ別早見表で確かめられます。
国税庁 No.4155 には、妻と子2人で課税遺産総額が1億5,200万円の例が載っています。妻は2分の1の7,600万円で30%の段(7,600万円×30%−700万円=1,580万円)、子は4分の1ずつの3,800万円で20%の段(3,800万円×20%−200万円=560万円)、総額は1,580万円+560万円×2=2,700万円です。
控除額の意味と検算:段の境目で答えがつながるか
速算表の控除額は、「その段より下の部分には低い税率が掛かる」ことを1回の引き算でまとめた数字です。超過累進の考え方で、1人分が3,800万円の場合を段ごとに分けて計算すると次のとおりです(筆者の計算)。
| 段 | 対象の部分 | 税率 | 税額 |
|---|---|---|---|
| 1段目 | 0〜1,000万円の1,000万円 | 10% | 100万円 |
| 2段目 | 1,000万〜3,000万円の2,000万円 | 15% | 300万円 |
| 3段目 | 3,000万〜3,800万円の800万円 | 20% | 160万円 |
| 合計 | 560万円 |
速算表の1行(3,800万円×20%−200万円=560万円)と同じ答えになります。段の境目で前後の段の式が同じ値になるかも確かめました。1,000万円では10%で100万円・15%−50万円で100万円、3,000万円では400万円、5,000万円では800万円、1億円では2,300万円、2億円では6,300万円、3億円では1億800万円、6億円では2億5,800万円で、どこも前後の式の答えが一致します。表を書き写すときの誤りは、この確かめ方で見つけられます。
「基礎控除を超えた分」に掛かる税率の目安:人数別の例
「相続税 基礎控除 超えた 分 税率」と調べる人が知りたいのは、超えた額に対してどれくらいの割合の税が掛かるかでしょう。超えた額(課税遺産総額)を法定相続分で分けるので、人数が多いほど1人分の額が小さくなり、低い段に入ります。次の表は、相続人が子だけの場合の筆者の計算です。
| 課税遺産総額 | 子1人 | 子2人 | 子3人 |
|---|---|---|---|
| 1,000万円 | 100万円(10%の段) | 100万円(10%の段) | 99万9,900円(10%の段) |
| 3,000万円 | 400万円(15%の段) | 350万円(15%の段) | 300万円(10%の段) |
| 6,000万円 | 1,100万円(30%の段) | 800万円(15%の段) | 750万円(15%の段) |
子3人で1,000万円のときに99万9,900円となるのは、1人分の333万3,333円を1,000円未満切り捨てにしてから税率を掛けるためです。カッコ内は1人分の額が入る段で、総額を課税遺産総額で割った割合とは違います。たとえば子2人で6,000万円なら、総額800万円は課税遺産総額の約13.3%です。
速算表で出した額は、まだ納める額ではない
速算表で出すのは相続税の総額までです。そこから各人に配り、2割加算と税額控除を経て、やっと各人の納める額になります。
- 2割加算:配偶者と一親等の血族(子・父母。代襲相続人の孫を含む)以外が財産を取得すると、その人の税額に2割を足す。兄弟姉妹・甥姪・孫養子などが対象(相続税の2割加算とは)。
- 配偶者の税額の軽減:配偶者が取得した額が1億6,000万円か法定相続分のどちらか多い額までなら、配偶者の税額はかからない。申告が要件。
- その他の控除:暦年贈与の贈与税額控除、未成年者控除、障害者控除、相次相続控除など。
総額から各人の納める額までの全体を、数字を入れて順に追うなら相続税の計算方法:課税価格から納める税額までの5ステップへ進んでください。遺産額と家族構成ごとの結果を一覧で見たい人は相続税の早見表:遺産額と相続人の組み合わせ別が向いています。税率そのものが近年変わったかは、相続税の改正の最新で整理しています(2026年10月時点で税率の変更はありません)。
「相続税 税率」の話が相続税の手続き全体のどこに当たるかは、相続税とは?かかる人の目安・計算の流れ・申告期限10か月の全体像で確かめられます。
よくある質問
Q. 基礎控除を超えた分に、そのまま税率を掛ければよいのですか?
そのままは掛けません。基礎控除を引いた残り(課税遺産総額)を、法定相続人が法定相続分どおりに分けたと仮定して1人ずつの金額にし、その金額ごとに速算表を当てはめます。全員分を足したものが相続税の総額です。人数が多いほど1人分の金額が小さくなり、低い税率の段に入ります。
Q. 税率55%なら、遺産の半分以上が税金になるのですか?
なりません。55%が掛かるのは、法定相続分で分けた1人分の金額のうち6億円を超える部分だけです。速算表の控除額7,200万円を引くのは、その下の段の部分に低い税率を当てた結果をまとめて反映するためです。遺産全体に対する税額の割合は、表の税率よりかなり低くなります。
出典・参考にした公的な情報
- No.4155 相続税の税率(国税庁)
- No.4152 相続税の計算(国税庁)
- No.4157 相続税額の2割加算(国税庁)
- 相続税法 第16条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。