生前贈与と贈与税 / 手順

贈与税の申告のやり方:2月1日〜3月15日の手続きと必要書類

この記事のもくじ
  1. 手順1:申告が必要かを判定する
  2. 手順2:もらった財産の価額と書類をそろえる
  3. 手順3:確定申告書等作成コーナーで申告書を作る
  4. 手順4:提出して、3月15日までに納める
  5. 間違えやすい点と、申告後にすること

贈与税の申告は、財産をもらった人が、もらった翌年の2月1日から3月15日までに、自分の住所地の税務署へ申告書を出して納税する手続きです。2026年中にもらった分なら、2027年2月1日(月)から3月15日(月)までが申告と納税の期間です。申告書は国税庁の確定申告書等作成コーナーで作り、e-Taxで送るか、印刷して郵送・持参します。暦年課税で1年間の合計が110万円以下なら、申告は要りません。この記事では、申告が要るかの判定から、書類、作成、提出、納付までを順に示します。

手順1:申告が必要かを判定する

「生前贈与を受けたら確定申告が必要か」という問いの答えは、どの制度でいくらもらったかで分かれます。

判定表:贈与税の申告が要る場合・要らない場合
もらい方 申告 理由・注意
暦年課税で、1年間の合計が110万円以下 不要 基礎控除以下で税額がないため
暦年課税で、1年間の合計が110万円超 必要 税額がある(相続税法28条)
相続時精算課税を初めて選ぶ年 届出書の提出が必要 110万円以下でも「相続時精算課税選択届出書」を期間内に出す
精算課税を選んだ人から、その年110万円以下 不要(2024年以後の贈与) 2023年以前の精算課税の贈与は金額にかかわらず申告が必要だった
精算課税を選んだ人から、110万円超 必要 特別控除2,500万円の範囲内で税額0円でも申告する
住宅取得等資金の非課税を使う 必要 税額0円でも申告が使う条件
夫婦間の居住用不動産の配偶者控除を使う 必要 同上
扶養義務者からの生活費・教育費を都度受け取った 不要 贈与税の対象外

110万円を超えるかの数え方(複数の人からもらった場合、年をまたぐ場合)は、贈与税はいくらからかかるかの記事で確かめてから進みます。

精算課税で特別控除を使うときは、期限内に申告することが控除を受ける条件です。税額が0円だから出さなくてよい、ではない点に気をつけます。

手順2:もらった財産の価額と書類をそろえる

申告書には、もらった財産ごとに「何を・いつ・誰から・いくらで」を書きます。先に書き出しておくと作成が早く進みます。

財産 価額の確かめ方 手元に置く資料
現金・預金 受け取った額 振込の記録が分かる通帳の写し、贈与契約書
土地・建物 国税庁の財産評価の決まり(路線価など)で評価 登記事項証明書、固定資産税の評価証明書、路線価図
上場株式 国税庁の財産評価の決まりで評価 証券会社の移管の記録、贈与日の前後の株価

次に、使う特例に合わせて添付書類を用意します。

  • 特例税率を使い、基礎控除後の課税価格が300万円を超える年:もらった人の戸籍の謄本または抄本など、氏名・生年月日と、あげた人の直系卑属であることを示す書類。過去の年に同じ人からの贈与で出していれば、重ねて出す必要はない(暮らしの税情報)
  • 相続時精算課税を初めて選ぶ年:「相続時精算課税選択届出書」と、もらった人の戸籍の謄本などの書類。申告書を出す年は申告書に添付する
  • 住宅取得等資金の非課税:もらった人の戸籍の謄本、住宅の売買・請負の契約書の写し、登記事項証明書など。省エネ等住宅は住宅性能証明書などの証明書も要る。申告書に不動産番号を書けば登記事項証明書を省略できる
  • 配偶者控除:戸籍の謄本または抄本、戸籍の附票の写し(いずれも贈与の日から10日を過ぎた後に作成したもの)、登記事項証明書など

国税庁の手続案内では、登記事項証明書など特例に必要な書類は、添付を省略できる場合があるとされています(省略の条件は国税庁の「添付書類の省略」の案内で確かめます)。精算課税の届出書の書き方は相続時精算課税の手続き、住宅資金の要件は住宅取得等資金の贈与の非課税で扱います。

手順3:確定申告書等作成コーナーで申告書を作る

国税庁の手続案内は、申告書の作り方として、確定申告書等作成コーナーで作成し、e-Taxで送信するか、印刷して書面で出す方法を示しています。所得税の申告書とは別に、贈与税の申告書を選んで作ります。画面に入る前に、次の情報を1枚にまとめておくと、入力の途中で止まりません。

  1. もらった人の住所・氏名・生年月日(1月1日時点の年齢で特例税率の対象かが決まる)
  2. あげた人ごとの住所・氏名・続柄(父母・祖父母なら直系尊属)
  3. あげた人ごとに、暦年課税か相続時精算課税か
  4. もらった財産ごとの種類・もらった日・価額
  5. 使う特例(住宅取得等資金の非課税・配偶者控除など)と、その添付書類
  6. 過去に同じ人から特例税率の戸籍などを出したことがあるか、精算課税の届出書を出したことがあるか

とくに3を取り違えると、税率も控除も変わります。手順2で書き出した表を見ながら、1件ずつ確かめてから入力します。手書きで作る場合は、国税庁のサイトに年分ごとの申告書の様式があります。前の年の様式を使わず、もらった年の分の様式を使います。

e-Taxで送る場合も、添付書類の扱い(データで送るか、別に出すか)は画面の案内に従います。作成の途中で分からない点が出たら、国税庁の電話相談センターで一般的な質問ができます。窓口の使い方は相続税の相談を税務署でする方法にまとめています。

手順4:提出して、3月15日までに納める

提出先は、もらった人の住所地を所轄する税務署です(あげた人の住所地ではありません)。出し方は3つです(No.4429)。

出し方 注意
e-Tax 作成コーナーから送信できる
郵便・信書便 もらった人の住所地の税務署あてに送る
時間外収受箱 税務署の閉庁時間に投函できる

期限の3月15日が土日祝日にあたるときは、その次の開庁日が期限になります。

納付も同じ3月15日までです。方法は次のとおりです。

  • ダイレクト納付(事前に届け出た口座から引き落とし)
  • インターネットバンキングなどによる電子納税
  • クレジットカード納付(1,000万円未満で決済可能額以内。決済手数料がかかる)
  • スマホアプリ納付(30万円以下)
  • コンビニ納付(30万円以下。QRコードやバーコード付きの納付書を使う)
  • 金融機関・税務署の窓口で現金納付

一度に納めるのが難しいときは、税額が10万円を超えるなどの要件を満たせば、5年以内の年賦で納める延納を申請できます。申請は納期限までで、利子税がかかり、原則として担保が要ります(延納税額100万円以下かつ期間3年以下なら不要)。

間違えやすい点と、申告後にすること

  • 申告する人を間違える:申告書を出すのはもらった人。あげた人が自分の申告で済ませる手続きではない
  • 合計を人ごとに分けてしまう:父と母からもらった分は、もらった人の側で合計して1つの申告にまとめる
  • 暦年と精算課税を混ぜる:精算課税を選んだ人からの分は、別に計算する
  • 特例の申告を忘れる:住宅資金の非課税・配偶者控除は、税額0円でも期間内に申告しないと使えない
  • 控えを残さない:申告書の控え、契約書、振込の記録はまとめて保管する。あげた人が亡くなったとき、亡くなる前の一定期間の贈与は相続税の計算に足し戻すので、何年も後に見返すことになる

申告後に、もらった財産の額の間違いに気づいたら、税額が増える場合は修正申告、減る場合は更正の請求をします。期限を過ぎてしまった場合や、過去の分を出していなかった場合に何が起きるかは、親子の贈与税はばれるのかの記事で、加算税と延滞税の割合を示して説明します。贈与税全体の仕組みは贈与税とはに戻って確かめられます。

よくある質問

Q. 贈与税の申告は、所得税の確定申告と一緒に出すのですか?

別の申告書です。期間は所得税の確定申告とほぼ重なりますが、贈与税は2月1日から3月15日までに、贈与税の申告書として出します。確定申告書等作成コーナーでも、所得税とは別の「贈与税」の画面から作ります。

Q. 贈与税の申告書は、あげた人が出してもよいですか?

申告する義務があるのは、財産をもらった人です。申告書には、もらった人の住所・氏名を書き、もらった人の住所地の税務署に出します。家族が書類を集めたり、提出を手伝ったりすることはできますが、申告書はもらった人の名前で出すものです。

Q. 3月15日を過ぎてしまったら、もう申告できませんか?

期限を過ぎても申告はできます(期限後申告)。気づいた時点で早く出すほど、無申告加算税の割合や延滞税は小さくなります。期限から1か月以内に自主的に出し、期限内に納めるなど一定の条件を満たせば、無申告加算税がかからない場合もあります。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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