生前贈与と贈与税 / 早見表

贈与税の税率と計算:一般贈与と特例贈与の速算表と計算例

この記事のもくじ
  1. 贈与税の税率:一般税率と特例税率の速算表
  2. 計算のしかた:3つの手順と計算例
  3. 早見表:もらった金額ごとの贈与税
  4. 一般と特例を同じ年にもらったとき・精算課税を選んだとき
  5. 税率表を使うときに間違えやすい点

贈与税の税率は、1年間にもらった額から基礎控除110万円を引いた残りの金額に応じて、10%から55%まで8段階で上がります。税率表は2種類あり、父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与は低めの「特例税率」、それ以外(夫婦・兄弟姉妹・未成年の子など)は「一般税率」を使います。計算は「(もらった額−110万円)×税率−控除額」の1行で済みます。この記事では、2つの速算表、もらった額ごとの税額の早見表(筆者の計算)、両方をもらった年の計算を示します。

贈与税の税率:一般税率と特例税率の速算表

国税庁 No.4408(令和8年4月1日現在法令等)の速算表です。「基礎控除後の課税価格」は、もらった額の合計から110万円を引いた金額です。

速算表:贈与税の税率(暦年課税)
基礎控除後の課税価格 一般税率 一般の控除額 基礎控除後の課税価格 特例税率 特例の控除額
200万円以下 10% ― 200万円以下 10% ―
300万円以下 15% 10万円 400万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円 600万円以下 20% 30万円
600万円以下 30% 65万円 1,000万円以下 30% 90万円
1,000万円以下 40% 125万円 1,500万円以下 40% 190万円
1,500万円以下 45% 175万円 3,000万円以下 45% 265万円
3,000万円以下 50% 250万円 4,500万円以下 50% 415万円
3,000万円超 55% 400万円 4,500万円超 55% 640万円

一般税率の段階は相続税法21条の7に定められています。特例税率は租税特別措置法による特例で、同じ8段階でも区切りの金額が広く、同じ額をもらっても税額が低くなります。

控除額は、「段階ごとに違う税率を掛けて足し合わせる」計算を1回の掛け算で済ませるための数字です。区切りの金額で前の段階と同じ税額になるように作られており、たとえば一般税率で課税価格がちょうど300万円なら、「300万円×15%−10万円」も「300万円×20%−25万円」も35万円です(筆者の検算)。

計算のしかた:3つの手順と計算例

計算は次の3つの手順です。

  1. 1月1日〜12月31日にもらった財産の価額を合計する(現金はその額。土地・株などは評価した額)
  2. 合計から基礎控除110万円を引く(マイナスなら贈与税はかからない)
  3. 残りを速算表に当てはめ、「残り×税率−控除額」を計算する

計算例1(筆者の計算):30歳の子が父から現金300万円をもらった。 300万円−110万円=190万円。特例税率の200万円以下の段階なので、190万円×10%=19万円。

計算例2(筆者の計算):兄から現金300万円をもらった。 兄弟は直系尊属ではないので一般税率。190万円×10%=19万円。200万円以下の段階は一般と特例が同じ10%なので、ここまでは差が出ません。

計算例3(筆者の計算):25歳の子が母から現金800万円をもらった。 800万円−110万円=690万円。特例税率の1,000万円以下の段階で、690万円×30%−90万円=117万円。同じ800万円を一般税率で計算すると、690万円×40%−125万円=151万円で、差は34万円です。

特例税率を使えるかは、もらった年の1月1日時点の年齢で決まります。誕生日が12月でも、その年の1月1日に18歳以上でなければ一般税率です。2022年3月31日以前の贈与では、この年齢が20歳でした。

早見表:もらった金額ごとの贈与税

1年間に1人から現金をもらい、ほかに贈与がない場合の税額です(筆者の計算。速算表の控除額で検算済み)。

1年間にもらった額 基礎控除後 一般税率の税額 特例税率の税額 特例税率での負担割合
110万円 0円 0円 0円 0%
200万円 90万円 9万円 9万円 4.5%
300万円 190万円 19万円 19万円 6.3%
400万円 290万円 33.5万円 33.5万円 8.4%
500万円 390万円 53万円 48.5万円 9.7%
600万円 490万円 82万円 68万円 11.3%
700万円 590万円 112万円 88万円 12.6%
1,000万円 890万円 231万円 177万円 17.7%
1,500万円 1,390万円 450.5万円 366万円 24.4%
2,000万円 1,890万円 695万円 585.5万円 29.3%
3,000万円 2,890万円 1,195万円 1,035.5万円 34.5%

負担割合は「特例税率の税額÷もらった額」で、小数第2位を四捨五入しました。500万円の行は国税庁の例(一般53万円・特例48.5万円)と一致します。

表から読み取れるのは、一度にまとめてもらうほど負担割合が急に上がることです。1,000万円を1年でもらうと特例税率でも177万円ですが、同じ1,000万円を何年かに分けると、各年の税額の合計は小さくなります。ただし、毎年同じ額を約束して分けると「最初にまとめて約束した」と扱われる場合があります。分け方の注意は贈与税はいくらからかかるかの記事で説明します。また、亡くなる前の一定期間の贈与は相続税の計算に足し戻されるので、分けた分がそのまま非課税で終わるとは限りません(期間は生前贈与の加算期間の早見表)。

一般と特例を同じ年にもらったとき・精算課税を選んだとき

同じ年に、父(特例)と兄(一般)の両方からもらうと、計算は少し複雑になります。国税庁の手順は次のとおりです。

  1. 全部の合計から110万円を引いた額に一般税率を掛け、そのうち一般贈与財産の割合の分を求める
  2. 同じ額に特例税率を掛け、そのうち特例贈与財産の割合の分を求める
  3. 1と2を足す

国税庁の例では、一般贈与100万円と特例贈与400万円をもらった年は、合計500万円−110万円=390万円。一般税率で53万円×100/500=10.6万円、特例税率で48.5万円×400/500=38.8万円、合わせて49.4万円です。基礎控除は2つに分けず、合計から1回だけ引きます。

場面 基礎控除 税率
父だけから(子は18歳以上) 110万円 特例税率
兄や配偶者だけから 110万円 一般税率
父と兄の両方から 合計から110万円 上の按分で両方を使う
配偶者の父母(義父母)から 110万円 一般税率(直系尊属ではない)
相続時精算課税を選んだ親から 110万円(暦年の110万円とは別枠)+累計2,500万円 超えた分に一律20%

相続時精算課税を選んだ親からの贈与は、この速算表を使いません。年110万円の基礎控除を引いた後、累計2,500万円の特別控除を超えた部分に一律20%です。精算課税の110万円は暦年課税の110万円とは別に引けますが、精算課税を選んだ親が2人いるときは、110万円を2人からの贈与額で按分します。制度の中身と選ぶ前の注意は相続時精算課税とはで扱います。

税率表を使うときに間違えやすい点

  • もらった額に直接税率を掛けない:先に110万円を引き、控除額を引くのを忘れない
  • 年齢は1月1日で判定:その年に18歳になっても、1月1日に17歳なら一般税率
  • 戸籍の添付:特例税率を使い、基礎控除後の額が300万円を超える年は、もらった人の戸籍の謄本や抄本など、直系卑属であることを示す書類を申告書と一緒に出す(過去の年に同じ人からの贈与で出していれば不要。暮らしの税情報)
  • 財産の価額:現金以外は「いくらで評価するか」で課税価格が変わる。土地は路線価などで評価する

この記事の計算は、制度の仕組みを示すための例です。自分の贈与にどの税率が当たり、いくらになるかを申告書に落とし込む作業は贈与税の申告のやり方で手順を示します。相続税との比べ方は贈与税と相続税の比較、制度の全体は贈与税とはに戻って確かめられます。

よくある質問

Q. 贈与税の税率は、もらった金額全体に掛けるのですか?

いいえ。1年間にもらった合計から基礎控除110万円を引いた残りに税率を掛け、速算表の控除額を引きます。たとえば特例税率で500万円をもらうと、残りの390万円に15%を掛けて10万円を引き、48.5万円です。もらった額に対する割合にすると9.7%で、表の税率よりも低くなります。

Q. 特例税率は、祖父母から孫への贈与にも使えますか?

使えます。特例税率の対象は、父母や祖父母など直系尊属から、贈与を受けた年の1月1日に18歳以上の子や孫が受けた財産です。基礎控除後の金額が300万円を超えて特例税率を使うときは、孫が祖父母の直系卑属であることを示す戸籍の謄本などを申告書と一緒に出します。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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