不動産売却の流れ / Q&A

仲介手数料の相場は上限いっぱいか:見積もりの見方と払う時期・回数

この記事のもくじ
  1. 仲介手数料の相場は上限額が目安になる
  2. 価格別の仲介手数料の早見表
  3. 手数料を払う時期:契約時か決済時か
  4. 手数料以外の費用と、相場の見方のまとめ

仲介手数料の相場は、国土交通大臣の告示が決めている上限額が、そのまま目安になると考えて計算するのが実用的です。たとえば売買代金3,000万円なら上限は105万6,000円(税込・課税事業者の不動産会社の場合)です。上限を割合で言うと、400万円を超える取引では代金の約3.3%に6万6,000円を足した額になります。この記事では価格別の早見表と、見積もりで確かめる点、払う時期を扱います。上限の計算式そのものは仲介手数料の上限と計算式が正本です。

仲介手数料の相場は上限額が目安になる

上限が目安になる理由は、料金の決まり方にあります。告示が決めているのは上限だけで、実際にいくらにするかは、売主と不動産会社が媒介契約で話し合って決めます(これを約定報酬額と呼びます)。標準媒介契約約款も、報酬の額は「告示の限度額の範囲内で協議」して決めるとしています。

そのため、会社が料金表で上限と同じ割合を示していることがあります。ただし、上限いっぱいを請求する会社がどれくらいあるかを示す公的な統計は見当たりません。「みんな上限いっぱい」という言い方は鵜呑みにせず、自分の見積書や媒介契約書に書かれた額で判断します。

見積もりを受け取ったら、次の順で確かめます。

  1. 売り出す価格(見込み)から、下の早見表で上限額を出す。
  2. 会社の提示額が、上限と同じか、下回っているかを見る。
  3. 上限を超えている場合は、広告料や出張旅費など、依頼者が特別に頼んだ実費かどうかを聞く。
  4. 提示額が「税込」か「税抜」かをそろえて比べる。

価格別の仲介手数料の早見表

売主が払う仲介手数料の上限を、売買代金(消費税等を含まない額)ごとにまとめます。課税事業者の不動産会社に払う場合の、原則の上限・税込です。

早見表:売買代金別の仲介手数料の上限(税込・筆者の計算)
売買代金 原則の上限(税込) 代金に対する割合
500万円 23万1,000円 約4.6%
1,000万円 39万6,000円 約4.0%
2,000万円 72万6,000円 約3.6%
3,000万円 105万6,000円 約3.5%
5,000万円 171万6,000円 約3.4%

この早見表は代表的な5つの価格帯だけです。ほかの価格や、200万円・400万円の境目の計算は仲介手数料の上限と計算式の表に任せ、ここでは見積もりの見方に絞ります。計算の確かめ方は次のとおりです。税抜の上限は、代金が400万円を超えるなら「代金×3%+6万円」で、これに1.1を掛けて税込にします。たとえば1,500万円なら、1,500万円×3%+6万円=51万円、51万円×1.1=56万1,000円です。400万円以下の部分の区分と、200万円・400万円の境目の計算は仲介手数料の上限と計算式にあります。

早見表の割合は、価格が上がるほど3.3%に近づきます。価格が低いほど割合が高く見えるのは、200万円以下と400万円以下の部分に高い割合が掛かるためです。

  • 代金が800万円以下の家や土地は、特例で33万円まで受け取れる場合があります。特例を使うには、媒介契約を結ぶ前に不動産会社が額を説明し、売主が合意していることが前提です。詳しくは800万円以下の空き家の仲介手数料で確かめます。
  • 消費税の免税事業者の不動産会社は、上限の計算が違います。
  • 土地だけの売却でも、建物付きの売却でも、仲介手数料の上限の計算は同じです。個人が自宅や相続した家を売るときは建物にも消費税がかからないので、代金の欄にはそのまま売買代金を入れます(土地の売却と消費税)。

手数料を払う時期:契約時か決済時か

仲介手数料は、売買契約が成立したときに請求できる成功報酬です。標準媒介契約約款は、約定報酬は契約が成立したときに請求できるとしたうえで、売買契約の書面(宅建業法37条の書面)を交付した後でなければ受け取れないと定めています。

ここまでが約款で確かめられる範囲です。実際に、いつ・何回に分けて払うかは、媒介契約書の「報酬の受領の時期」の欄で決まります。書き方は契約書ごとに違います。考えられる形を挙げると、次のとおりです。

払い方の例 売主の資金面で気をつけること
売買契約の成立時にまとめて払う 手付金を受け取った範囲で払えるか。契約後に買主のローンが通らず解除になったときの扱いを決めておく
売買契約時と決済時に分けて払う 決済のときに残りを払う前提で、手取り額を計算しておく
決済(引き渡し)時にまとめて払う 売却代金の入金と同じ日に払うので、手取りの計算が分かりやすい

どの払い方になるかは契約書の記載で決まります。公的な資料で「普通はこう」と言える払い方は示されていないので、決めつけずに、媒介契約を結ぶ前に聞きます。

文例:「仲介手数料はいくらで、いつ、何回に分けて払うことになりますか。売買契約が買主のローンの不成立で解除になった場合は、払った手数料はどうなりますか。媒介契約書のどの欄に書かれていますか。」

約款では、買主のローンが通らずに売買契約が解除になったときは、受け取った報酬を全額返すとされています(利息は付きません)。この扱いが自分の契約書にも書かれているかを確認します。

手数料以外の費用と、相場の見方のまとめ

売却で払うのは仲介手数料だけではありません。印紙税、抵当権を外す登記の費用、測量や解体を頼む場合の費用、売却益が出たときの税金などがあります。全体の一覧は不動産売却にかかる費用一覧、手取りの計算はマンション売却でいくら残る?で確かめます。決済当日にお金が動く流れは不動産売却の決済と引き渡しにあります。

仲介手数料の相場を見るときのポイントを、最後に整理します。

  • 目安は告示の上限額。自分の価格で、早見表から上限を出す。
  • 見積書の額が上限以内かを確かめ、税込・税抜をそろえる。
  • 上限は「約定報酬額」を決めるための天井で、決まった額ではない。下げられるかは仲介手数料の交渉で扱います。
  • 払う時期と回数は、媒介契約書の「報酬の受領の時期」の欄で確かめる。

手数料の目安を出すにも、売り出す価格の見込みが要ります。一括査定を使う場合、査定額は売れる値段を約束するものではなく、各社の見込みです。申し込み後は複数の会社から連絡が入ることがあるので、連絡手段の希望を伝えておくと負担が減ります。査定を見たうえで売るかを考えれば足り、各社の報酬額の案と査定の根拠は同じ表に並べて比べます。

よくある質問

Q. 仲介手数料は、売主と買主の両方が払うのですか?

告示の上限は「依頼者の一方につき」です。売主は売主が媒介を頼んだ会社に、買主は買主が媒介を頼んだ会社に払います。同じ1社が両方から頼まれたときは、その会社が売主と買主のそれぞれから受け取れます。売主が払う額は、自分の媒介契約に書いた約定報酬額です。

Q. 売れなかったときも仲介手数料は払いますか?

仲介手数料は売買契約が成立したときに請求できる成功報酬です。売れなければ、媒介の報酬は発生しません。ただし、依頼者が特別に頼んだ広告の料金や遠隔地への出張旅費は、実費として別に払う約束になることがあるので、媒介契約書で確かめます。

Q. 住宅ローンが通らず売買契約が解除になったら、払った手数料はどうなりますか?

標準媒介契約約款は、ローンの不成立で売買契約が解除されたときは、受け取った報酬を全額(利息なしで)返すと定めています。自分の媒介契約書が標準約款に基づいているかどうかは、契約書の記載で確かめてください。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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