空き家・実家・使わない土地 / 手順

空き家バンクの使い方:登録の流れ・向いている家・不動産会社との違い

この記事のもくじ
  1. 空き家バンクとは:しくみと全国版の関係
  2. 空き家バンクに登録する流れ
  3. 空き家バンクに向いている家・向かない家
  4. 不動産会社に仲介を頼む場合との違い
  5. 登録した後の注意:内覧・契約・税金

空き家バンクは、空き家のある市区町村が、売りたい・貸したい家の情報を集めて、移住希望者などに紹介する仕組みです。使うには、その市区町村の担当課に登録を申し込み、物件の確認を受けてから掲載されます。登録の条件や、契約のときに不動産会社が仲介に入るかどうかは自治体ごとに違うので、最初に要綱と申込書を取り寄せて確かめます。不動産会社に仲介を頼んでも売れにくい、地方の価格の低い家ほど、空き家バンクを使う意味が大きくなります。

空き家バンクとは:しくみと全国版の関係

空き家バンクは、それぞれの自治体が運営しています。自治体ごとに載せる項目や検索の仕方が違うため、国土交通省は自治体を横断して探せる「全国版空き家・空き地バンク」の構築を支援しました。公募で選ばれた株式会社LIFULLとアットホーム株式会社の2社が、それぞれ独立して運営しています(2017年10月に試行、2018年4月に本格運用)。

項目 数字(令和8年9月末時点)
全国版に参加している自治体 1,153自治体
うち物件を掲載中の自治体 748自治体
全国版の物件掲載件数(2社合計・重複あり) 20,089件
成約済みの物件(自治体へのアンケート調査等による) 約28,000件

出典は国土交通省の公表資料です。全国版に物件を載せるには所有者の同意が要り、自治体の判断で全国版に載らないこともあります。家のある自治体が全国版に参加しているかは、国交省の総合情報ページにある参画自治体の一覧で確かめられます。

空き家バンクに登録する流れ

  1. 家のある市区町村にバンクがあるかを確かめる:「(市区町村名) 空き家バンク」で検索するか、空き家・移住・定住の担当課に聞く。
  2. 要綱と申込書を取り寄せる:登録できる人、登録できる物件、仲介の仕組みを読む。
  3. 名義と相続人を整理する:親の名義のままなら、誰が申し込めるか、ほかの相続人の同意が要るかを確かめる。売るには相続登記が前提になる。
  4. 書類をそろえて申し込む:登録申込書、物件の情報(所在・面積・建築年・間取り)、写真、登記事項証明書、固定資産税の課税明細など、自治体の求めるもの。
  5. 物件の確認を受ける:職員や協力する不動産会社が現地を見て、掲載する内容をまとめる。
  6. 掲載:売る・貸すの別と希望価格、条件が載る。全国版への掲載に同意するかも決める。
  7. 問い合わせと内覧:利用希望者から連絡があり、現地を案内する。
  8. 交渉と契約:価格や引き渡しの条件を話し合い、契約を結ぶ。

担当課への最初の問い合わせでは、次の点をまとめて聞くと手戻りが少なくなります。

文例:「○○地区にある、亡くなった母名義の一戸建てを空き家バンクに登録して売りたいと考えています。相続登記がまだですが申し込めるか、登録に必要な書類、契約の際に不動産会社が仲介に入るかどうか、遠方に住んでいる場合の内覧の対応を教えてください。」

名義の整理がまだなら、空き家の相続登記は必要?で手順を確かめてから進めると、買い手が見つかった後に慌てずに済みます。

空き家バンクに向いている家・向かない家

空き家バンクは、地域に住みたい人と家をつなぐ仕組みなので、向き不向きがはっきりしています。

向いている家 向かない家
地方や郊外にあり、不動産会社の店頭やサイトでは買い手が見つかりにくい 都市部で、仲介で十分に買い手が付く
価格が低く、仲介を引き受けてもらいにくい 早く売って現金化したい(買い手を待つ時間がない)
移住・二地域居住の需要がある地域 傷みが大きく、そのままでは住めない
少し手を入れれば住める、または買い手が自分で直す前提で売れる 相続人の間で売るかどうかの意見がまとまっていない

「向かない家」に当たる場合は、ほかの道を並べて比べます。仲介で売れにくい田舎の土地の手放し方は田舎の土地が売れない相続、無償でも引き取ってほしい場合は空き家を無料で譲ります:譲渡先の探し方、業者に買い取ってもらう場合は空き家の買取で扱っています。

不動産会社に仲介を頼む場合との違い

比較表:空き家バンク・不動産会社の仲介・買取
比べる点 空き家バンク 不動産会社の仲介 不動産会社の買取
運営・相手 市区町村(情報を載せる) 宅建業者が買い手を探す 宅建業者が自ら買う
探してくれる範囲 移住希望者など、バンクを見る人 店頭・不動産サイト・レインズ 探さない(業者が買主)
費用 登録料の有無は要綱で確かめる。仲介が入れば仲介手数料 仲介手数料(上限あり) 仲介手数料なし
価格 当事者の話し合い 査定と市場の反応で決まる 仲介より低くなりやすい
売れるまでの時間 読みにくい 物件による 短い

大きな違いは、空き家バンクは自治体が情報を載せる場であり、自治体が買い手を探して売ってくれるわけではないことです。報酬を得て売主と買主の間に入る仲介は宅地建物取引業で、免許のある宅建業者しかできません(宅建業法12条)。そのため、地域の宅建業者の団体と協定を結び、契約の段階で不動産会社が仲介に入る形をとる自治体があります。

仲介が入る場合の手数料には上限があり、物件価格が800万円以下の「低廉な空家等」は、現地調査などの費用を見込んで、依頼者の一方から33万円(税込)まで受け取れる特例があります(2024年7月1日施行)。事前に報酬額の説明を受け、合意してから契約する決まりです。計算の仕方は仲介手数料の上限と計算式で確かめてください。

バンクに載せる価格を決めるときは、不動産会社の査定も参考になります。

査定額は売れる値段ではなく、各社が根拠を示して出す見込みです(宅建業者は、価格について意見を述べるときに根拠を明らかにする義務があります。宅建業法34条の2)。空き家バンクと並行して仲介を頼めるかは、自治体の要綱と、頼む会社との媒介契約の種類によって変わるので、両方に確かめてから進めます。

登録した後の注意:内覧・契約・税金

掲載されてから契約までの間に、次の点を準備しておきます。

  • 内覧の段取り:鍵の預け先、立ち会う人、電気や水道を止めているかどうか。
  • 物件の説明:雨漏りやシロアリの跡、設備の故障など、知っている不具合は書面で伝える。
  • 境界と測量:隣地との境界がはっきりしているか。境界の杭がなければ、売る前に測量が要るかを確かめる。
  • 契約書:直接やり取りする仕組みでも、口約束で済ませない。売買の条件、引き渡しの日、残す物、不具合の扱いを契約書に書く。名義を移す登記を人に頼むなら、それは司法書士の仕事です。
  • 税金:売って利益が出れば譲渡所得の申告が要る。1981年5月31日以前に建てられた親の家なら、空き家の3,000万円特別控除の対象になりうる。期限は2027年12月31日までの売却で、要件は相続した空き家の3000万円控除で確かめる。

買い手や借り手から「直してから引き渡してほしい」と言われることもあります。修繕にどこまでお金をかけるかは空き家のリフォーム:目的別に費用をかける判断、貸す場合の収入と費用の比べ方は空き家を賃貸に出すか売るかを参考にしてください。

よくある質問

Q. 空き家から遠い所に住んでいても、空き家バンクに登録できますか?

登録できる人の条件は自治体の要綱で決まり、所有者の住所を条件にしていない自治体もあります。遠方の場合は、内覧の立ち会いや鍵の受け渡しを誰がするかが問題になりやすいので、申し込みの前に担当課にその点も聞いておきましょう。近くに住む親族や、協力している不動産会社に頼める場合があります。

Q. 家具や家電が残ったままでも登録できますか?

残したまま登録できるかどうかも自治体によって違います。登録できても、買い手や借り手が「残っている物をどうするか」を気にするので、処分するのか、そのまま引き渡すのかを先に決め、物件の説明に書いておくと話が進みやすくなります。片付けの費用をどちらが持つかも、契約の前に書面で決めます。

Q. 空き家バンクで買い手が見つかったら、仲介手数料はかかりますか?

不動産会社が仲介に入る仕組みの自治体では、その会社に仲介手数料を払います。上限は宅地建物取引業法の告示で決まっていて、価格が800万円以下の空き家などは、依頼者の一方から33万円(税込)まで受け取れる特例があります。直接やり取りする仕組みなら仲介手数料はかかりませんが、契約書の作成などを自分で手配することになります。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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