不動産売却の流れ / 比較

仲介手数料無料・半額の会社は得?しくみと売主が確かめる点

この記事のもくじ
  1. 仲介手数料が無料・半額になるしくみ
  2. 売主が確かめる点:無料のかわりに何が変わるか
  3. 手取りで比べる:手数料の差額と成約価格の違い
  4. 無料・半額の会社を選ぶか、通常の会社と迷ったとき

仲介手数料が無料・半額の会社は、売主から受け取らない代わりに、買主から受け取るなど、報酬のもらい方を変えることで成り立っている場合があります。告示が定めるのは上限だけなので、無料や半額にすること自体は認められています。得かどうかは、手数料の差額ではなく、売れる価格と販売活動を含めた手取りで決まります。この記事は、しくみと、売主が媒介契約の前に確かめる点を整理します。上限の計算は仲介手数料の上限と計算式、値引きの交渉は仲介手数料の交渉を見てください。

仲介手数料が無料・半額になるしくみ

告示の上限は「依頼者の一方につき」です。売主が媒介を頼んだ会社は売主から、買主が媒介を頼んだ会社は買主から、それぞれ上限まで受け取れます。1社が売主と買主の両方から頼まれたときは、その会社は売主と買主の両方から受け取れます。

この考え方を使うと、無料や半額の料金体系は、たとえば次のような形になります。

料金体系の例 しくみ 売主が確かめる点
売主は無料、買主から受け取る 買主を見つけた会社が、買主から手数料を受け取る 買主を自社で見つけたい動機が強くなる。他社が買主を連れてくる道を閉じていないか
売主は半額、買主から通常額を受け取る 同上。売主の負担だけ減らす 同上
売主から受け取らず、売却後に別の収益を得る 買取、リフォーム、仲介以外の契約で収益を出す 仲介以外の契約が条件になっていないか
売主は無料。ただし広告や調査を最小限にする 手数料が少ない分、費用を絞る 広告やレインズ登録の中身

上の表は、告示の上限の考え方から読める成り立ちの整理で、特定の会社の実態を示すものではありません。実際にどの形かは、会社の説明と、媒介契約書の記載で確かめます。

買取は別の話です。不動産会社が自ら買主になる買取では、仲介ではないので、通常は仲介手数料がかかりません。「手数料無料」の表示が、買取のことなのか、仲介で売主分が無料なのかを見分けます(買取は不動産の買取と仲介の違い)。

売主が確かめる点:無料のかわりに何が変わるか

手数料が無料や半額でも、売却の結果が悪くなっては意味がありません。売主として、次の点を確かめます。

  1. レインズに登録するか:専任媒介は契約日の翌日から7日以内(休業日を除く)、専属専任媒介は5日以内の登録が義務です。登録証明書を受け取り、売主用の画面で取引状況を確かめられます(レインズの登録の確かめ方)。
  2. 他社が買主を紹介できるか:売主から報酬を受け取らない代わりに、買主側からも受け取りたいと考える会社は、自社で買主を見つけることを優先する可能性があります。他の不動産会社からの問い合わせに、すべて対応する方針かを聞きます。2025年1月からは、宅建業者にレインズへの取引状況の登録が義務づけられ、売主は専用画面で自分の物件の状況を確かめられます。
  3. 広告の中身:ポータルサイトへの掲載、チラシ、看板、オープンハウスなど、どこまでやるか。
  4. 報告の頻度:専任媒介は2週間に1回以上、専属専任媒介は1週間に1回以上の報告が義務です。問い合わせの数と内容を、報告で受け取れるか。
  5. 査定の根拠:売り出し価格について会社が意見を述べるときは根拠を示すことが義務です。高めの査定で契約を取る会社には注意が要ります(不動産会社の選び方)。
  6. 条件が付いていないか:「手数料無料」の条件として、リフォーム工事や、買取の選択肢、他の契約の締結を求められないか。

文例:「仲介手数料が無料(半額)になる条件を教えてください。買主側からの手数料を受け取る前提でしょうか。レインズへの登録と、他社からの問い合わせへの対応は、通常の仲介と同じ扱いですか。それは媒介契約書に書かれていますか。」

手取りで比べる:手数料の差額と成約価格の違い

手数料の差額は、はっきり見えます。たとえば成約価格が3,000万円なら、上限は105万6,000円です。無料なら105万6,000円が手取りに残り、半額なら約52万8,000円が残ります(筆者の計算)。

一方、成約価格の違いは、見えにくい分、影響が大きくなりえます。成約価格が3,000万円でなく2,900万円になれば、100万円の差が出ます。これは半額で浮く約52万8,000円を大きく上回り、無料で浮く105万6,000円にほぼ並ぶ額です。2,800万円なら、無料の分も上回ります。

比べ方:無料・半額と通常の会社を手取りで並べる表
項目 A社(通常) B社(半額) C社(無料)
想定の成約価格(各社の査定の根拠つき) 円 円 円
仲介手数料(税込・売主の負担分) 円 円 円
レインズへの登録の予定 ○/× ○/× ○/×
広告の内容
報告の頻度
手取りの見込み(価格−手数料) 円 円 円

どの会社の想定価格も、売れる値段を約束するものではありません。想定価格の根拠を、取引事例などの資料で見せてもらいます。

売却全体の費用や手取りの計算は、不動産売却にかかる費用一覧とマンション売却でいくら残る?で確かめられます。

無料・半額の会社を選ぶか、通常の会社と迷ったとき

迷ったときの判断の順番です。

  1. 複数の会社から、手数料の額、想定価格、販売活動の内容を同じ表に書いてもらう。
  2. 手数料が無料や半額の会社と、通常の会社とで、販売活動の内容に差がないかを見る。差がなければ、手数料の安い会社が有利になる。
  3. 差がある場合は、その差が売れる価格や期間に影響しそうかを、各社に聞く。
  4. 代金が800万円以下の物件では、特例(33万円まで)の範囲での説明を受ける。この価格帯は、手間に対して報酬が少なく引き受け手が見つかりにくい課題から特例ができたので、800万円以下の空き家の仲介手数料で、事前の説明と合意の中身を確かめる。
  5. 媒介契約書に、約定報酬額と、販売活動の約束を書いてもらってから契約する。

手数料の安さだけで決めず、価格の根拠と販売活動を同じ物差しで比べるのが、後悔を減らす方法です。

手数料と販売活動を複数の会社で同じ表に並べて比べたい人には、一括査定という方法があります。査定額は売れる値段の保証ではなく、各社の見込みです。申し込み後は複数の会社から連絡が届くことがあり、売るかどうかは結果を見てから選べます。手数料の額と販売活動の内容は、同じ表に書いてもらって比べます。

よくある質問

Q. 仲介手数料が無料なら、売却の手取りは増えますか?

増えるかどうかは、売れる価格と合わせて比べる必要があります。手数料が0円でも、売り出し価格や成約価格が低くなれば、手取りは減ります。手数料の差額と、成約価格の違いを並べて、手取りの合計で比べてください。

Q. 無料や半額にできるのは違法ではないのですか?

告示が定めているのは受け取れる額の上限なので、上限より低い額、0円を含めて、会社が自由に決められます。違法かどうかではなく、売主として何を確かめるかが論点になります。

Q. 「手数料無料」でも、他の名目で請求されることはありますか?

あります。広告料や遠隔地の出張旅費は、依頼者が特別に頼んだ場合の実費として認められています。それ以外の名目での請求は、何の仕事の費用か、別の契約書があるかを書面で聞いてください。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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