不動産会社の選び方:売却を頼む前に免許番号・実績・担当者を確認
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不動産会社を選ぶ前に、免許を検索で確かめる、売りたい地域と物件の実績を聞く、担当者の説明を3点の基準で見るの順で進めると、広告の印象に流されずに済みます。会社の大きさや知名度、査定額の高さだけで決めると、売れない価格で売り出されたり、報告のない状態で何か月も過ぎたりすることがあります。ここでは、依頼する前にそろえる確認項目をチェック表にして、各項目の確かめ方を説明します。
不動産会社を選ぶ前のチェック表:12項目
次の表は、会社ごとに○×を付けて比べる使い方を想定しています。1社ずつ印刷するか、書き写して使ってください。
| 区分 | 確認項目 | 確かめ方 |
|---|---|---|
| 免許 | 宅建業の免許が有効か | 国土交通省の検索で商号か免許番号を入力 |
| 免許 | 行政処分の履歴 | ネガティブ情報等検索サイトで会社名を検索 |
| 事務所 | 標識(業者票)と報酬額の掲示 | 店舗の見やすい場所を見る |
| 事務所 | 専任の宅地建物取引士がいるか | 取引士証の提示を求める |
| 実績 | 売りたい地域での売却事例 | 「この1年で近くを何件売りましたか」 |
| 実績 | 同じ種類の物件(マンション・戸建・土地) | 種類を指定して事例を聞く |
| 査定 | 価格の根拠を示すか | 査定書に成約事例があるか |
| 査定 | 売れなかったときの案を出すか | 値下げの時期と幅を聞く |
| 契約 | 媒介契約の種類を説明するか | 3種類の違いを自分の言葉で説明させる |
| 契約 | 報酬の額と支払う時期 | 媒介契約書の報酬の欄を読む |
| 活動 | 報告の頻度と方法 | 文書・メール・電話のどれか |
| 担当者 | 質問に具体的に答えるか | 分からないことを後日調べて返すか |
以降の章は、この表の順に、確かめる手順を説明します。
免許と行政処分を調べる手順:国土交通省の検索と事務所の掲示
1. 免許を検索する。 宅地建物取引業を営む人は、国土交通大臣か都道府県知事の免許を受けなければならず、免許のない人が宅建業を営む旨の広告をすることもできません(宅地建物取引業法3条・12条)。国土交通省の検索システムでは、商号または名称、免許番号(免許権者と組み合わせ)、所在地の都道府県から検索できます。商号で見つからないときは、免許番号や所在地の都道府県を使って絞ります。会社のホームページや名刺、媒介契約書に免許番号が書かれているので、その番号で検索すると、商号と事務所の所在地が一致するかを確かめられます。
2. 行政処分の履歴を調べる。 国土交通省のネガティブ情報等検索サイトで、会社名から調べます。公開されるのは最近5年分の免許取消・業務停止・指示で、概ね月に1度更新されます。茨城、埼玉、千葉、神奈川、新潟、富山、石川、福井、山梨、長野、岐阜、愛知、滋賀、京都、兵庫、和歌山、鳥取、島根、広島、山口、徳島、愛媛、高知の23府県は、各県のサイトで公開されているので、会社の所在地がこれらの県なら、県のサイトも見ます。
3. 事務所で掲示を見る。 業者は事務所ごとに、公衆の見やすい場所に標識を掲げます(同法50条1項)。また、国土交通大臣が定める報酬額の上限を事務所ごとに掲示する義務があります(同法46条4項)。訪問査定や面談で店舗に行ったときに、この2つが見える場所にあるかを確認します。
4. 取引士証の提示を求める。 宅地建物取引士は、取引の関係者から請求があったときに、取引士証を提示しなければなりません(同法22条の4)。従業者は、請求があれば従業者であることを証する証明書を提示します(同法48条2項)。事務所には、規模などに応じて成年者の専任の宅地建物取引士を置く義務もあります(同法31条の3)。担当者に求めて、嫌がる様子があれば、別の会社を考えます。
国土交通省は、業者の免許や行政処分の履歴を、この2つの検索システムで調べられると案内しています。処分歴がないことは、安全を意味しません。最近5年より前の処分は載らず、指導は公開対象に入っていないからです。
得意な地域・物件の聞き方:実績を数字で確かめる質問
会社の強みは、広告の言葉でなく実績で見ます。電話やメールで、次の質問をします。
- 「私の物件がある町で、この1年に売主側として何件の売却を扱いましたか」
- 「同じ種類(マンション・一戸建て・土地)の売却では、売り出しから成約まで何か月かかりましたか」
- 「売り出し価格から、最終的にいくら下がった例が多いですか」
- 「買主はどこで探しますか。自社の顧客、レインズ、ポータルサイト、他社への紹介はどう使いますか」
数字は、細かい金額や件数が出なくても構いません。答えを避けたり、実績のない一般論で返したりするかどうかを見ます。頼もうとしている会社が、仲介ではなく買取を中心にしている場合もあります。買取は、会社が自ら買主になる取引なので、仲介とは性質が違います。広告やチラシの取引態様の欄で、自ら当事者か、媒介かを確かめます(宅地建物取引業法34条)。違いは不動産の買取と仲介の違い:査定から売り方を選ぶ判断材料と流れで比べられます。マンションなら、同じ棟の事例があるかも聞きます。見分け方はマンション売却の一括査定:比べる項目と依頼する会社の数にあります。
担当者の説明で見る点:根拠・リスク・契約の3つ
同じ会社でも、担当者によって説明の質は違います。面談では、次の3つを見ます。
根拠:査定額に意見を述べるとき、業者は根拠を明らかにしなければなりません(宅地建物取引業法34条の2第2項)。「この価格で売れます」と言うだけでなく、近くの成約事例や、土地の形・道路・築年数をどう評価したかを説明するか。高すぎる査定額への対処は不動産の査定が高すぎる会社に注意:根拠の聞き方と売り出し価格に具体例があります。
リスク:売れない場合、値下げが必要になる場合、買主から価格交渉が入る場合を、話の中に入れるか。良い話だけをするのは、判断材料が足りないということです。
契約:媒介契約を結ぶ前に、書面(または電子的な方法)で、有効期間、報酬、レインズへの登録などを説明するか。宅建業者は、媒介契約を結んだら遅滞なく、物件の表示、価額、他の業者に重ねて依頼できるか、有効期間と解除、指定流通機構への登録、報酬などを記載した書面を交付します(同法34条の2第1項)。契約の種類の違いは媒介契約の種類:一般・専任・専属専任の違いと選び方の比較表で表にしています。
次のような言動があれば、いったん立ち止まります。
- 「今日中に決めれば」と、判断の時間を与えない
- 他の会社の悪口を言い、比較をやめさせようとする
- 根拠なしに、他社より高い査定額だけを強調する
- 売れることや、その金額で成約することを言い切って約束する
宅建業者は、契約の勧誘で、利益が生ずることが確実であるかのように誤解させる断定的判断を提供してはならず(同法47条の2第1項)、威迫してもなりません(同条2項)。契約するかどうかを判断する時間を正当な理由なく与えないことも、省令で禁止された行為です(同法施行規則16条の11)。
報酬と活動報告を確かめる:仲介手数料の見方と報告の頻度
契約する前に、報酬は上限があるもので、決まった額ではないことを押さえます。上限は国土交通大臣の告示で決まり、代金の区分ごとに率が違います(同法46条)。依頼者に対して上限を超えて受け取ることはできません。計算の仕方は仲介手数料の上限と計算式:800万円以下の空き家の特例も解説に、相場と支払う時期は仲介手数料の相場は上限いっぱい?価格別の早見表と払う時期にあります。
活動報告は、契約の種類で変わります。専任媒介は2週間に1回以上、専属専任媒介は1週間に1回以上の業務報告が、法律で義務づけられています(同法34条の2第9項)。一般媒介には定期報告の義務はなく、売主が求めることはできます。登録の状況を売主が自分で確かめる方法はレインズとは:売主が登録を確かめる方法と囲い込みの見分け方で説明しています。
会社を絞って決める手順
チェック表を使って、次の順で絞ります。
- 3〜4社に査定を依頼する(一括査定でも、直接でもよい)
- 免許・処分歴を調べ、表の前半を埋める
- 面談した担当者の説明を、根拠・リスク・契約の3つで見る
- 同じ条件の売却事例の説明が具体的な会社を、2社に絞る
- 媒介契約書の案を見せてもらい、種類・期間・報酬を比べる
相見積もりをする場合の伝え方は、不動産売却の相見積もりのマナー:失礼にならない頼み方と伝え方にあります。
複数社を同じ基準で比べたいなら、一括査定は選択肢の一つです。申し込んだ後も、上のチェック表に沿って、免許と実績を自分で確かめます。契約後にトラブルが起きたときの相談先の番号と受付時間は相続・不動産売却の相談窓口一覧に、悩みごとの使い分けは不動産売却の相談先:不動産会社・税理士・司法書士・公的窓口にあります。
よくある質問
Q. 大手の不動産会社と地元の会社では、どちらに頼むのがよいですか?
規模だけでは決められません。見るのは、売りたい地域とその種類の物件を、売主側として扱った実績です。大手でも支店によって得意な地域は違い、地元の会社でも広い買主の情報網を持つところがあります。会社の種類で選ぶより、同じ条件の売却事例を聞いて比べるほうが、判断の材料になります。
Q. 免許番号の括弧の数字が大きい会社は、信頼できますか?
括弧内の数字だけで会社の良し悪しは判断できません。免許は、事務所が複数の都道府県にあれば国土交通大臣、1つの都道府県だけなら知事が出すもので、有効期間は5年です(宅地建物取引業法3条)。大臣免許か知事免許かも、会社の質を表すものではありません。検索システムで、免許が有効かを確かめます。
Q. 行政処分の履歴がなければ、安心して頼めますか?
履歴がないことは、安心を保証しません。国土交通省のネガティブ情報等検索サイトが公開するのは最近5年分で、公開対象は免許取消・業務停止・指示です。注意や指導は載りません。履歴は判断材料の一つにとどめて、実績と担当者の説明も合わせて見ます。
出典・参考にした公的な情報
- 宅地建物取引業法 第3条・第12条・第22条の4・第31条の3・第34条の2・第46条・第47条の2・第48条・第50条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 建設業者・宅建業者等企業情報検索システム(宅地建物取引業者)(国土交通省)
- ネガティブ情報等検索サイト(宅地建物取引業者)(国土交通省)
- <消費者の皆様向け>不動産取引に関するお知らせ(国土交通省)
- 媒介契約制度(東日本レインズ)(東日本不動産流通機構)
- 宅地建物取引業者が受けることができる報酬の額(報酬告示)(国土交通省)
出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。