相続税と申告 / 比較

準確定申告は誰に頼む?税務署の相談と税理士に頼む場合の費用

この記事のもくじ
  1. 準確定申告は誰に頼む?3つの選択肢の比べ方
  2. 税務署の相談でできること・できないこと
  3. 税理士に頼む場合の費用の調べ方
  4. 相続税の申告とまとめて頼むかの分かれ目
  5. 頼む前にそろえておくもの

準確定申告を誰に頼むかは、亡くなった人の所得の種類と、相続税の申告が要るかで決まります。年金と給与だけで、医療費控除を足す程度なら、税務署の相談を使いながら相続人が自分で作れることが多い申告です。事業や不動産の収入があった、株の売買があった、相続税の申告も要る、という場合は税理士に頼む選択肢が現実的になります。この記事では、自分で作る・税務署の相談を使う・税理士に頼むの3つを比べ、税理士の報酬の調べ方と、相続税の申告とまとめて頼むかの分かれ目を示します。

準確定申告は誰に頼む?3つの選択肢の比べ方

準確定申告は、相続人(包括受遺者を含む)が、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に出す亡くなった人の所得税の申告です。誰に頼んでも、期限と提出先(亡くなった人の死亡当時の納税地の税務署)は変わりません。

比較表:準確定申告の3つの進め方
進め方 向いている場合 費用 手間と注意点
相続人が自分で作る 年金・給与だけ、医療費控除を足す程度 実費のみ 作成コーナーでは作れないので、紙の様式かe-Taxソフトで作る
税務署の相談を使いながら自分で作る 書き方や控除の取扱いに迷う点がある 相談料はかからない(電話は通話料) 面接相談は事前予約。申告書を代わりに作ってはもらえない
税理士に頼む 事業・不動産・株の所得がある、青色申告だった、相続税の申告も要る 事務所ごとの報酬 書類集めは相続人の仕事として残る。見積もりで範囲を確かめる

税務署の相談は、国税の電話相談センターと、所轄の税務署での面接相談(電話で予約)の2つが入口です。番号と音声案内の選び方は相続税の相談は税務署でできるか:電話相談と面接相談の使い方と、窓口を一覧にした相続手続きの無料相談窓口一覧にまとめています。

税務署の相談でできること・できないこと

税務署の相談は、「この所得はどの欄に書くか」「この控除は使えるか」といった取扱いを確かめる場所です。準確定申告で聞いておくと役に立つのは、次のような点です。

  • 付表の相続分や、相続を放棄した人の扱い
  • 死亡日までに支払った医療費・社会保険料の範囲
  • 年金の源泉徴収票の数字を申告書のどこに写すか
  • 還付金を代表者がまとめて受け取るときの委任状

一方で、申告書を代わりに作ってもらうことや、遺産をどう分けると有利かの提案は受けられません。税理士法は、他人の求めに応じて税務代理・税務書類の作成・税務相談を業として行うことを税理士(と国税局長に通知した弁護士)の業務とし、それ以外の者が行うことを禁じています(2条・52条)。国税庁のコード9204は、税理士でない者が行えば有償・無償を問わず52条違反になると説明しています。親族が手伝うのはかまいませんが、税理士でない業者に「申告書の作成をまとめて任せる」形には注意が要ります。

面接相談の予約の電話での伝え方の例:「父が6月に亡くなり、準確定申告を出したいと考えています。父の所得は年金と、月3万円の駐車場の賃料です。相続人は母と私と弟の3人です。付表の書き方と、駐車場の収入の書き方を相談したいので、面接相談の日を予約したいです」

税理士に頼む場合の費用の調べ方

税理士の報酬には、公的な統計や法律で決めた基準がありません。事務所ごとに料金表があり、同じ準確定申告でも、所得の種類と量によって額が大きく変わります。だから「相場」を探すより、自分の家の条件で見積もりを取るほうが確実な比べ方になります。

見積もりを頼むときは、次の情報を先に伝えると、追加料金の出方が分かりやすくなります。

伝える情報 報酬に影響しやすい理由
所得の種類(年金・給与・事業・不動産・株・譲渡) 事業や不動産は帳簿の整理と決算が要る
青色申告だったか、帳簿があるか 帳簿がないと集計の作業が増える
医療費の領収書の量 明細書を作る手間になる
相続人の数と、連絡がつくか 付表への署名や確認書の取りまとめが要る
e-Taxで出すか 税理士は代理送信でき、相続人代表の電子証明書を省略できる
相続税の申告もあるか まとめて頼むと資料を共有できる

見積書では、「準確定申告の作成と提出」「相続税の申告」が別の項目になっているか、書類の取り寄せや相続人への連絡を誰がするかを確かめます。相続税の申告まで含めた報酬の決まり方は相続税の税理士費用:報酬の決まり方と見積もりの項目にまとめています。

依頼先が税理士として登録されているかは、日本税理士会連合会の税理士情報検索サイトで確かめられます。国税庁の「税理士をお探しの方へ」のページも、この検索サイトを案内しています。

相続税の申告とまとめて頼むかの分かれ目

準確定申告の期限は4か月、相続税の申告は10か月です。準確定申告の結果は、相続税の申告にもつながります。

  • 納める所得税が出た場合:死亡後に納めることになった亡くなった人の所得税は、国税庁のコード4126で相続税の債務控除の対象とされています。
  • 還付金が出た場合:還付金は相続人が相続分などに応じて受け取るもので、遺産の分け方の対象になります。

相続税の申告が要るかは、遺産の総額が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えるかで一次判定します(コード4152)。なお、配偶者の税額の軽減や小規模宅地等の特例を使う場合は、税額が0円になっても申告書を出すことが使う条件です(国税庁のコード4158・4124)。判定のしかたは相続税の基礎控除で一次判定する方法で確かめてください。超えそうなら、準確定申告の段階から同じ税理士に頼むと、財産と債務の資料を一度で渡せます。明らかに超えないなら、準確定申告は自分で、または税務署の相談を使って進める選択肢が残ります。

頼む前にそろえておくもの

誰に頼む場合でも、次の書類は相続人の手元で集めることになります。

  • 亡くなった人の年金・給与の源泉徴収票(死亡した年の分)
  • 事業・不動産の収入があれば、帳簿・通帳・領収書
  • 死亡日までに支払った医療費・社会保険料・生命保険料の領収書や証明書
  • 相続人全員の個人番号が分かるものと本人確認書類
  • 戸籍など相続人が分かる書類、遺言書があればその写し
  • 還付金の受取口座(各人の本人名義)

医療費のうち、死亡後に払った分の扱いは準確定申告の医療費控除:亡くなった後に払った医療費で確かめられます。準確定申告の後に相続税を納める段階に進む家は、次の相続税の納め方:期限・納付書・支払い方法へ進んでください。

相続税の申告が要りそうな家は、準確定申告とまとめて頼める税理士を探す選択肢もあります。紹介先が登録税理士かは税理士紹介サービスを使う前に確かめる4つの点で確かめ、見積もりでは準確定申告まで範囲に含まれるかを聞いてください。

「準確定申告 誰に頼む」の話が相続税の手続き全体のどこに当たるかは、相続税とは?かかる人の目安・計算の流れ・申告期限10か月の全体像で確かめられます。

よくある質問

Q. 税務署の職員に準確定申告書を書いてもらえますか?

税務署の相談は税の取扱いや書き方を案内する場で、申告書を代わりに作ってもらうところではありません。面接相談を予約し、源泉徴収票や領収書を持って行けば、書き方を確かめながら自分で仕上げることはできます。

Q. 準確定申告だけを税理士に頼むことはできますか?

頼めます。準確定申告は亡くなった人の所得税の申告なので、相続税の申告とは別に依頼できます。報酬は事務所ごとに決まっているので、所得の種類や相続人の数を伝えて見積もりを取ります。

Q. 相続人のうち1人がまとめて手続きしてもよいですか?

相続人が2人以上いれば連署で1通にまとめて出せます。まとめ役の相続人が書類をそろえ、付表に各相続人が署名する形が一般的です。e-Taxで出す場合は、相続人代表の利用者識別番号と電子証明書を使い、他の相続人は確認書に署名します。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

準確定申告の医療費控除:亡くなった後に払った入院費は入るか

相続税の相談は税務署でできる?電話相談センターと面接相談の使い方

相続税の税理士費用:報酬の決まり方と見積もりで確かめる項目

相続税の納め方と支払い方法:期限・納付書・クレジットカードの上限