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不動産一括査定とは:しくみ・使い方・申し込む前に確かめること

この記事のもくじ
  1. 不動産一括査定のしくみ:1回の入力で複数社に査定を頼む
  2. 運営会社と査定する会社は別:申し込む前に確かめる2つの会社
  3. 一括査定・1社ずつ依頼・AI査定の比べ方
  4. 一括査定の査定額は、売れる値段ではない
  5. 使うのが向く人・向かない人

不動産一括査定は、物件の情報を1回入力すると、複数の不動産会社にまとめて査定を頼めるしくみです。売るかどうかを決める前に、会社ごとの見立てを並べて見たい人には向いています。一方で、複数の会社から連絡が来ること、出てくる数字は売れる値段の約束ではないことを知らずに申し込むと、戸惑いやすくなります。この記事では、しくみと使い方、申し込む前に確かめることを順に説明します。

不動産一括査定のしくみ:1回の入力で複数社に査定を頼む

一括査定サイトの基本の流れは、次のとおりです。

  1. 物件の情報を入力する:所在地、種類(土地・一戸建て・マンション)、面積、築年数などを入れます。
  2. 氏名と連絡先を入力する:電話番号やメールアドレスを入れます。ここで入れた情報が、査定する会社に渡ります。
  3. 査定する会社を選ぶ:サイトが出した候補から、依頼したい会社にチェックを入れる形が多くあります。選べるか、サイトに任せるかは、サイトごとに違います。
  4. 各社から連絡が来る:メールや電話で、査定の進め方(机上か訪問か)の確認が入ります。
  5. 査定結果を受け取る:各社が査定額と根拠を報告します。

1と2を一度入れるだけで、3で選んだ会社すべてに依頼が届く点が、1社ずつ頼む方法との大きな違いです。不動産会社ごとに同じ物件の説明を繰り返さずに済み、同じ時期に複数の見立てがそろいます。

机上査定は、資料とデータだけで査定額を出す方法で、訪問査定は、担当者が現地や室内を見て出す方法です。一括査定の入口は机上査定が中心で、訪問査定は結果を見て依頼する会社を絞ってから進めることが多くあります。2つの違いは不動産の机上査定と訪問査定の違い:使い分けと訪問で見られる点で確かめられます。査定額がどう決まるかという土台は不動産の査定とは:査定額の決まり方と鑑定評価・売れる値段の違いにまとめています。

運営会社と査定する会社は別:申し込む前に確かめる2つの会社

一括査定を使うとき、関わる会社は2種類あります。

早見表:一括査定で関わる2種類の会社
項目 一括査定サイトの運営会社 査定する不動産会社
役目 申し込みを受け付け、提携先に取りつぐ 物件を査定し、売却の提案をする
宅建業の免許 持っているとは限らない 売却の仲介をするには必要(宅地建物取引業法3条・12条)
確かめ方 サイトの運営会社の概要、プライバシーポリシー 免許番号を、国土交通省の宅地建物取引業者情報検索で調べる
売却を頼む契約の相手 ならない なる(媒介契約を結んだ場合)

宅地建物取引業法は、免許を受けない者が宅建業を営むことと、その旨の広告をすることを禁じています(12条)。売買の仲介をして成約に関わるのは、免許を持つ不動産会社の側です。サイトの運営会社が自分で査定額を出しているように見えても、実際に出しているのは提携先の会社かもしれません。

確かめる順番は、次のとおりです。

  1. 運営会社の名前、所在地、問い合わせ先がサイトに書かれているか
  2. 提携する会社の名前と所在地が、申し込む前の画面で見えるか
  3. 気になる会社の免許番号を、国土交通省の宅地建物取引業者情報検索で調べる(商号か免許番号で検索できます)

会社選びの考え方は不動産会社の選び方:売却を頼む前に免許番号・実績・担当者を確認に詳しく書いています。どのサイトを選ぶかの点検項目は不動産一括査定のおすすめの選び方:比べる前に確かめる6つの点に分けました。

一括査定・1社ずつ依頼・AI査定の比べ方

査定の頼み方は一括査定のほかにもあります。何を優先するかで選び分けます。

比較表:査定の3つの頼み方
比べる点 一括査定 1社ずつ直接依頼 AI査定・取引価格の検索
入力の手間 1回で済む 会社の数だけ必要 少ない、または不要
比べられる会社の数 同時に複数 自分で増やす 会社の見立ては入らない
連絡の数 依頼した会社の数だけ来る 頼んだ会社だけ 営業の連絡が来ないものが多い
個人情報 氏名・連絡先が提携先に渡る 頼んだ会社だけに渡る 出さずに使えるものがある
向く場面 売る方向で、複数社の根拠を比べたい 頼みたい会社がもう決まっている まず相場の幅だけ知りたい

連絡の数を抑えたいなら、1社ずつ直接頼むほうが調整しやすくなります。メールで頼むときの書き方は不動産の査定依頼メールの例文:伝える情報と書き方のポイントに例文があります。個人情報を出さずに相場だけ知りたい段階なら、不動産の匿名査定:個人情報を出さずに相場を知る方法と限界の方法が先です。

一括査定の利点は、短い期間に複数の会社の見立てと根拠を並べて比べられることです。査定額の高い安いだけでなく、どの取引事例を使い、どこを補正したかの説明を比べると、会社ごとの違いが見えます。

一括査定の査定額は、売れる値段ではない

査定額は、会社が取引事例などをもとに出す「このくらいで売れそうだ」という見立てです。実際に売れる値段は、買う人が現れて合意した価格で決まります。査定額が高いからといって、その値段で売れる約束にはなりません。

媒介契約を結ぶとき、不動産会社は契約書に売り出す価額を書き、その価額について意見を述べるときは根拠を明らかにしなければなりません(宅地建物取引業法34条の2第1項・第2項)。この義務は、媒介契約に書く価額の意見が対象です。一括査定の段階の机上査定にも、同じように根拠を尋ねてかまいません。根拠の聞き方は不動産の査定が高すぎる会社に注意:根拠の聞き方と売り出し価格で説明しています。

結果を受け取ったら、次の順で読みます。

  1. 国土交通省の不動産情報ライブラリで、近くの成約価格・取引価格の幅を調べておく
  2. 各社の査定額を、その幅と並べる
  3. 幅から大きく外れている会社には、使った事例と補正の理由を尋ねる
  4. 金額の高さではなく、説明の筋が通っている会社を残す

使うのが向く人・向かない人

次の場面では、一括査定が役に立ちます。

  • 売る方向で考えていて、複数の会社の根拠を比べたい
  • 売りたい時期が決まっていて、会社選びに時間をかけられない
  • 相続した家で、近くにどんな会社があるかも知りたい

次の場面では、先に別の準備をしてください。

営業の連絡や個人情報の渡り方に不安があるなら、先に不動産一括査定のデメリット:営業電話・査定額のばらつきの対処で、困りやすい点と対処を確かめておくと安心です。

よくある質問

Q. 一括査定を申し込むと、その会社に売らなければなりませんか?

いいえ、査定を頼んだだけで売る義務は生まれません。売却を不動産会社に頼むには、別に媒介契約を結ぶ必要があり、契約を結んだ会社は内容を書いた書面を渡さなければなりません(宅地建物取引業法34条の2第1項)。査定の結果を見て、どの会社にも頼まない選択もできます。

Q. 一括査定の運営会社は、不動産会社ですか?

サイトの運営会社が宅地建物取引業の免許を持っているとは限りません。査定をするのは提携する不動産会社で、運営会社は申し込みを取りつぐ役目です。運営会社の概要と、査定する会社の免許番号を、それぞれ別に確かめてください。

Q. 無料で使えるのはなぜですか?

査定そのものに利用者が払う費用はかからない形が多く、運営会社は、提携する不動産会社などから対価を受け取る仕組みが一般的です。実際の収入源はサイトごとに違うので、利用規約や運営会社の説明で確かめます。費用がかかるのは、売却を頼んで売買が成立したときの仲介手数料で、払う相手は媒介契約を結んだ不動産会社です。上限は[仲介手数料の上限と計算式:800万円以下の空き家の特例も解説](/chukai-tesuryo-jogen/)で確かめられます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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