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不動産売却のトラブル:よくある5つの型と相談先の使い分け

この記事のもくじ
  1. 5つの型を一覧で見る:最初に開く書類と相談先
  2. 5つの型を順に読む
  3. 相談先の使い分け:誰に何を頼めるか

不動産売却でもめる型は、大きく手数料・契約の解除・契約不適合・囲い込み・強引な勧誘の5つに分かれます。どの型も、最初に開くのは媒介契約書か売買契約書で、そこに書かれた条件と、実際に言われたことを突き合わせるところから始まります。相談先は、取引のルールの確認なら不動産取引の電話相談、強引な勧誘や契約の取消しなら消費生活センター、請求や交渉が必要な段階なら弁護士です。まず5つの型のどれに近いかを見てください。

5つの型を一覧で見る:最初に開く書類と相談先

早見表:トラブルの5つの型
型 よくある場面 最初に開く書類 先に相談する窓口
1 手数料 説明のない名目の請求、上限を超えていないか心配 媒介契約書の報酬欄 不動産取引の電話相談
2 契約の解除 手付や違約金を求められた、買主が解約したい 売買契約書の手付・違約金の欄、媒介契約書 不動産取引の電話相談、弁護士
3 契約不適合 引き渡した後に不具合を指摘された 売買契約書の特約欄、告知書 弁護士
4 囲い込み 売り出しているのに他社から紹介されない レインズの登録証明書と取引状況 不動産取引の電話相談
5 強引な勧誘 買取やリースバックで長時間の勧誘、その場で署名を求められた もらった書面、勧誘の日時メモ 消費生活センター(188)

窓口の番号と受付時間は相続手続きの無料相談窓口一覧に、不動産の相談先を比べた表は不動産売却の相談先にまとめています。

5つの型を順に読む

型1:手数料のトラブル:上限と名目を確かめる

仲介手数料の上限は、宅建業法46条に基づく国土交通省の告示で決まっています。売買代金が400万円を超える部分は3.3%など、区分ごとの割合を掛けた額までで(いずれも税込)、それを超える報酬を受けてはいけません。売主が頼んだ広告の料金や遠方への出張旅費は実費として別に請求できますが、頼んでいない名目の上乗せは、請求の根拠を聞く必要があります。

代金が800万円以下の空き家などは、事前に説明を受けて合意すれば、上限が33万円(税込)になる特例があります。上限の計算と特例の条件は仲介手数料の上限と計算式に、無料や半額をうたう会社は仲介手数料無料・半額の会社は得かにあります。

確かめるときは、媒介契約書の報酬と受領の時期の欄を開き、請求書の金額と並べます。標準媒介契約約款では、契約成立時の書面(宅建業法37条の書面)を交付した後でないと報酬を受け取れず、買主のローンが通らず契約が解除になれば、受け取った報酬は全額返す定めです。

型2:契約の解除:売買契約と媒介契約を分けて読む

「解約」と聞いたときは、売買契約(買主との契約)なのか、媒介契約(不動産会社との契約)なのかを分けます。

売買契約では、手付を渡した後、買主は手付を放棄して、売主は倍額を現実に提供して解除できます。ただし、相手方が契約の履行に着手した後はできません(民法557条)。何をもって履行の着手とするかは、契約書の手付解除の期日の欄と事情で決まります。違約金は、契約書で額を決めておくのが一般的です。売買契約の流れは不動産売却の契約の流れにあります。

媒介契約では、依頼者が約款の定める解除をできる場合があります。会社が信義誠実の義務に違反したときや、重要な事項を故意に告げなかったときなどです。他の会社に頼んで売ると違約金や費用の償還を求められる場合もあるので、解約したくなったら先に契約書を読みます。手順は専任媒介の解約と不動産会社の変更で扱います。

型3:契約不適合:引き渡した後の不具合

買主が、引き渡された家に雨漏りやシロアリなど、契約の内容に合わない点を見つけたとき、売主は修補や代金の減額などの請求を受けることがあります(民法562条〜564条)。買主が不適合を知った時から1年以内に通知する必要があり(同566条)、売主が知りながら告げなかった事実は、免責の特約があっても責任を免れません(同572条)。

売主が個人で、買主も個人の仲介の取引では、宅建業法40条の特約の制限は働かず、責任の範囲や期間は契約書の特約で決められます。何を知っていて、何を知らなかったかを、売る前に告知書へ書くことが、後のもめごとを減らします。しくみと免責の考え方は売主の契約不適合責任:相続した古い家を売る時の免責の考え方で詳しく扱います。

型4:囲い込み:他社に紹介されない

囲い込みは、売主から媒介を受けた会社が、買主側の会社に物件を紹介せず、自社で買主を見つけようとする行為を指す通称です。売主にとっては、買い手の候補が減り、売れる機会を失うおそれがあります。

売主が自分で確かめる方法があります。専任媒介と専属専任媒介の物件では、登録証明書に売主用の確認画面の情報が載り、レインズの登録内容と取引状況を見られます。取引状況は、公開中・書面による購入申込みあり・売主都合で一時停止中の3つです。事実に合わない表示になっていないかを見ます。国土交通省は、売主がこの3区分で物件の状況を確かめられると案内しており、施行規則15条の11は、専任媒介の登録事項に「取引の申込みの受付に関する状況」を挙げています。確かめ方はレインズとは:売主が登録を確かめる方法と囲い込みの見分け方にあります。

疑いがあるときは、断定せず、会社に取引状況を尋ねます。答えが不十分なら、不動産取引の電話相談に相談します。

型5:強引な勧誘:買取やリースバックで急がされる

自宅の買取やリースバックの勧誘で、長時間居座られる、その場での署名を求められる、といった相談があります。国民生活センターは、夜まで居座られて署名した例や、安い価格で売らされて高額な解約料を求められた例を公表しています。宅建業者は、契約しない意思を示した人への勧誘の継続や、深夜・長時間の勧誘などを禁じられています(宅建業法47条の2、施行規則16条の11)。

**自宅を不動産会社に売った場合、売主はクーリング・オフを使えません。**宅建業法37条の2は、業者が売主の取引の買主のための制度です。契約前なら、「売りません。今後の勧誘もお断りします」とはっきり伝えます。断り方と記録の取り方は自宅の買取・リースバックの強引な勧誘の断り方と相談先で扱います。すでに契約した場合は、消費者ホットライン188で近くの消費生活センターを探します。

相談先の使い分け:誰に何を頼めるか

相談先ごとに、できることと、できないことが違います。

相談先 できること できないこと
不動産適正取引推進機構(RETIO)の電話相談 不動産取引のルールの助言 弁護士としての相談、個別のあっせん
消費生活センター(188) 勧誘や契約の相談、助言 業者への処分
免許行政庁(国土交通省の地方整備局・都道府県) 宅建業者の監督、情報の受付 個別の金銭の回収の代行
弁護士(弁護士会の法律相談センターなど) 法的な判断の相談、依頼すれば請求や交渉 相談だけで解決を約束すること
法テラス 制度の案内と相談窓口の紹介 個別の法律判断

免許行政庁は、大臣免許なら会社の主たる事務所を管轄する地方整備局等、知事免許なら都道府県です。情報は免許番号と合わせて伝えます。個別の請求や交渉の判断は弁護士の仕事で、弁護士法72条により、弁護士以外が報酬を得て行うことは禁じられています。弁護士の探し方は相続手続きの無料相談窓口一覧から選べます。

相談の前に、次を用意すると話が早く進みます。

  1. 媒介契約書、売買契約書、重要事項説明書、告知書
  2. メール・メッセージ・名刺、通話の日時と内容のメモ
  3. 請求書、領収書、振込の控え
  4. 何を求めたいか(返金、契約の解除、謝罪など)を一文で書いたもの

売れずに困っているだけで、もめてはいない場合は、先に不動産売却で売れない場合の見直しを読んでください。

よくある質問

Q. 不動産会社に騙されたと感じたら、まず何をしますか?

感情的に動く前に、媒介契約書、重要な説明を受けた書面、メールやメッセージ、担当者とのやり取りの日時メモを集めます。そのうえで、不動産取引の専門の電話相談や、近くの消費生活センターに事実を伝えます。契約を解除するか、金銭を請求するかは法的な判断になるので、弁護士に相談します。

Q. 担当の不動産会社を行政に通報できますか?

宅建業者を監督するのは免許を出した国土交通大臣または都道府県知事です。国土交通省は、不動産業者から電話で執拗な勧誘を受けた場合などに、免許行政庁へ情報を寄せられると案内しています。免許番号と免許行政庁は、国土交通省の宅建業者情報検索で調べられます。

Q. 売買契約を結んだ後に、買主から契約をやめたいと言われました。どうなりますか?

売買契約書の手付の欄と違約金の欄に従うのが出発点です。手付による解除は、相手方が契約の履行に着手した後はできないと民法に定めがありますが、履行の着手に当たるかは個別の事情で決まります。契約書と、買主とのやり取りを持って、不動産取引の相談窓口か弁護士に確かめてください。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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