不動産売却の期間は何か月?流れの段階別の目安と長引く6つの原因
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不動産売却の期間は、準備から売り出しまで、売り出しから買主が決まるまで、契約から入金(決済)までの3つに分けると見通しが立ちます。このうち長さが読めないのは販売の期間で、価格と需要で決まります。法律や制度で決まっている区切りもあり、専任媒介・専属専任媒介の契約は3か月以内、決済の日は売買契約で決めます。期限のある事情(住み替え、相続の税の特例など)があるなら、その日から逆算して売り出しの時期を決めます。
不動産売却にかかる期間は?段階ごとに日数を決めるもの
| 段階 | 日数を左右するもの | 早めにできること |
|---|---|---|
| 準備(名義・ローン・書類) | 相続登記や住所変更の登記が要るか、書類が手元にあるか | 登記事項証明書を取り、名義と住所を見る |
| 査定 | 訪問査定の日程調整、会社の数 | 机上査定で相場を先に知る |
| 媒介契約 | 会社と契約の種類を決めるまで | 査定の根拠を比べる観点を決めておく |
| 販売活動 | 売り出し価格、地域の在庫の多さ、内見の受けやすさ | 価格の見直し時期を契約時に決める |
| 売買契約 | 条件交渉、買主の住宅ローン審査 | 告知書・設備表を先に作る |
| 決済・引き渡し | 契約で決めた日、ローン審査の結果、引っ越し | 抵当権を外す手続きを金融機関に早めに伝える |
準備から売り出しまでは、書類と登記が整っていれば短く済みます。相続した家で名義が親のままなら、相続登記を済ませるまで売買の登記ができないため、その分が加わります。境界がはっきりしない土地や一戸建ては、隣地との立ち会いが要る測量の分だけ長くなります(土地の売却に測量は必要?境界確定の費用・期間と隣人の立ち会い)。
契約から決済までは、買主が住宅ローンを使うかどうかで変わります。契約書には、ローンが通らなかった場合に契約をどう扱うかの定め(いわゆるローン特約)が入ることがあり、宅建業者が渡す契約の書面にはその内容を書く決まりです(宅建業法37条1項9号)。決済の当日の流れは不動産売却の決済と引き渡し:当日の流れとお金が入るタイミングで扱います。
全体の7段階を先に知りたい人は不動産売却の流れ:査定から引き渡しまでの7段階と期間・費用から読んでください。
媒介契約の3か月は何の期間?期間中に届く報告
専任媒介契約と専属専任媒介契約の有効期間は、法律で3か月を超えられません。長く定めても3か月とされ、更新は売主からの申出があるときだけで、更新後も3か月までです(宅建業法34条の2第3項・第4項)。東日本不動産流通機構も、自動更新の契約は認められていないと案内しています。一般媒介は法律の上限はありませんが、国の標準媒介契約約款では3か月以内とされています。
つまり3か月は「売れるまでの期間」ではなく、売主が販売のやり方を見直せる区切りです。期間中、業者には次の義務があります。
| 契約 | レインズへの登録 | 売主への販売状況の報告 |
|---|---|---|
| 専属専任媒介 | 契約の翌日から数えて5日以内(休業日は数えない) | 1週間に1回以上 |
| 専任媒介 | 契約の翌日から数えて7日以内(休業日は数えない) | 2週間に1回以上 |
| 一般媒介 | 登録は任意 | 定期報告の義務はない |
購入の申込みがあったときは、一般媒介も含めて業者は遅滞なく売主に報告します(同条8項)。報告には、問い合わせの数、内見の数、内見した人の感想が入っているかを見ます。数字が書かれていない報告が続くなら、3か月の満了前に中身を聞きます。契約の種類ごとの違いは媒介契約の種類:一般・専任・専属専任の違いと選び方の比較表に、満了時の会社の替え方は専任媒介の解約と不動産会社の変更:期間満了と途中解約の注意にまとめています。
- 契約の翌日から7日以内(専属専任は5日以内):レインズに登録、登録証明書を受け取る
- 2週間ごと(専属専任は1週間ごと):販売状況の報告を受け取る
- 申込みが入ったら:その都度報告を受ける
- 満了前:価格・広告・会社を見直し、更新するなら売主から申し出る
売却が長引く原因は?よくある6つ
- 売り出し価格が成約の水準より高い:首都圏の中古マンションでは、2026年7〜9月期の成約価格の平均が5,172万円だったのに対し、新しく売りに出された物件の平均は6,801万円、売れ残っている在庫の平均は6,971万円でした(東日本不動産流通機構)。売り出し価格と実際に売れる価格に差がある時期は、価格の見直しなしでは長引きやすくなります。
- 同じ地域の在庫が増えている:同じ資料で首都圏の中古マンションの在庫は50,450件と、前年同期より15.1%増えています。比べられる物件が多いほど、価格や状態で選ばれにくくなります。
- 名義・共有の問題:相続登記がまだ、共有者の一人が反対している、連絡がつかない共有者がいる、という状態では契約に進めません。
- 境界や建物の状態が分からない:境界標がない、増築部分が登記と違う、雨漏りの有無を答えられない、と買主の不安が残ります。
- 住宅ローンの残りが売却額を上回る:差額を手元資金で払えないと抵当権を外せず、決済まで進めません(住宅ローンが残っている家を売るには:残債の確かめ方と売り方)。
- 内見がしにくい:荷物が多い、日程が合わない、空き家で鍵の受け渡しに時間がかかる、などで機会を逃します。
見直しの順番は不動産売却で売れない場合の見直し:価格・会社・売り方の順番で詳しく扱います。
期間を縮めるには?売り出す前にできる準備
- 書類を先にそろえる:登記識別情報、固定資産税の納税通知書、購入時の契約書、マンションなら管理規約を探しておく。決済で使う印鑑証明書は作成から3か月以内のものが求められるので(不動産登記令16条3項)、取るのは決済の日が決まってからにします。
- 告知書と設備表を早めに書く:雨漏り・シロアリ・設備の故障など、知っていることを書き出しておくと、契約前の質問にすぐ答えられます。
- 価格の見直しの基準を最初に決める:「内見が○件に届かなければ△週間後に見直す」と媒介契約の時に会社と決めておく。決め方は売り出し価格の決め方:査定額・相場・値下げの余地の考え方へ。
- 家族と決める:共有者や相続人が複数なら、最低価格と引き渡しの時期を先に合意しておく。
売り出す前に複数の会社から査定を取ると、売り出し価格をどこに置くかの材料がそろいます。査定額は各社の見立てで、その金額で買主がつくとは限らないので、「何か月で売れる見込みの価格か」も一緒に聞いておくと期間の見通しに使えます。申し込むと複数社から連絡が入ることがあり、どこに頼むか、売るかどうかは査定の後で決めて構いません。
急ぐ事情があるときは?期限から逆算する
期限がある売却は、その日から逆算して、販売にかけられる期間がどれだけ残るかを先に出します。
| 期限の例 | 逆算の起点 | 注意点 |
|---|---|---|
| 住み替えの新居の入居日 | 新居の引き渡し日 | 売り先行か買い先行かで資金の流れが変わる(住み替えの進め方) |
| 相続した家の税の特例 | 特例ごとに決まった売却の期限 | 期限は特例ごとに違う(相続不動産の売却期限:3年以内に売ると使える税の特例の早見表) |
| 年内に売りたい | 12月31日 | 売った日は原則として引き渡しの日。契約の効力が生じた日を選ぶこともでき、どちらにするかで申告する年が変わる(国税庁 No.3102) |
販売の期間を取れないときは、不動産会社が自ら買う買取も選択肢になります。仲介より価格は下がりやすい一方、条件が合えば決済までの日数を読みやすくなります。違いは不動産の買取と仲介の違い:査定から売り方を選ぶ判断材料と流れで比べてください。
よくある質問
Q. マンションと一戸建てで、売れるまでの期間は違いますか?
決まった差があるわけではなく、価格の付け方と、その地域で同じような物件が売りに出ている数で変わります。一戸建てや土地は、境界の確認や測量が要ると売り出しまでの準備が長くなりやすい点がマンションとの違いです。マンションは管理会社から管理費や修繕の資料を取り寄せる時間を見込みます。
Q. 売れるまで住みながら売ることはできますか?
できます。住みながら売る場合は内見の日程を合わせる手間がかかる一方、家具がある状態で暮らしの様子を見てもらえます。引き渡しの日までに引っ越す必要があるので、売買契約で決める引き渡し日と、次の住まいの入居日を合わせて考えます。
Q. 3か月で売れなかったら、会社を変えるべきですか?
変えるかどうかは、3か月の間に届いた報告の中身で判断します。問い合わせや内見が少ないなら価格や広告、内見はあるのに申込みがないなら価格か物件の見せ方が課題です。同じ会社で価格を見直すか、別の会社に替えるかを、満了の前に決めておきます。
出典・参考にした公的な情報
- 宅地建物取引業法 第34条の2(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 宅地建物取引業法施行規則 第15条の10(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- 媒介契約制度について(東日本不動産流通機構)(東日本不動産流通機構)
- 季報 Market Watch サマリーレポート 2026年7〜9月期(東日本不動産流通機構)(東日本不動産流通機構)
- 不動産登記令 第16条・第18条(e-Gov法令検索)(デジタル庁)
- No.3102 譲渡所得の申告期限と譲渡日(国税庁)
出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。
この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。