不動産売却の流れ / 手順

家を売るには何から始める?最初の1週間でやる準備と相談の順番

この記事のもくじ
  1. 1〜2日目:家を売るには、まず「売れる状態か」を確かめる
  2. 3〜4日目:書類をそろえ、相場を自分で調べる
  3. 5〜6日目:家を売る会社を選び、査定を比較する
  4. 7日目:売り方と時期を決める前に、後悔しやすい点を見直す

家を売るには、不動産会社に連絡する前に「誰の名義か」「ローンがいくら残っているか」「手元にどんな書類があるか」を確かめることから始めます。この3つで、すぐ売れる状態か、売る前に手続き(相続登記、共有者の合意、ローンの完済の段取り)が要るかが分かります。次に国土交通省の不動産情報ライブラリで近所の成約価格を見て相場をつかみ、複数の会社に査定を頼み、売り方と時期を決めます。下の順番どおりに進めれば、1週間で「どこに、いくらで、どう売るか」を相談できる材料がそろいます。

1〜2日目:家を売るには、まず「売れる状態か」を確かめる

手順1:登記事項証明書で名義を見る 法務局で取る登記事項証明書(登記簿謄本)の「権利部(甲区)」に所有者が、「権利部(乙区)」に抵当権が載っています。手数料は窓口・郵送の書面請求で1通600円、オンラインで請求して郵送で受け取ると520円、窓口で受け取ると490円です(登記手数料令)。

名義の状態 売る前に要ること 読む記事
自分だけの名義 住所が今と違えば住所の変更登記 住所変更登記の義務化:2年以内・スマート変更登記
夫婦・兄弟などの共有 家全体を売るなら共有者全員が売主になる(民法251条の変更には全員の同意が要る) 共有名義の不動産の売却:全員の同意が要る場面
亡くなった親の名義のまま 遺産分割と相続登記を先に済ませる 相続不動産の売却の流れ:登記から売却・申告までの順番と期限
親が存命で親の名義 売主は親本人。親に判断する力があるうちに意思を確かめる 親の家を売るとき子が代わりに進めるには

手順2:住宅ローンの残高を見る 返済予定表か、借入先の金融機関の会員画面で、売りたい時期の残高を確かめます。乙区に抵当権が載っていれば、売るときは決済の日に残りを返して抹消するのが前提です。残高が売れそうな価格を上回るなら、差額の払い方を先に考えます(住宅ローンが残っている家を売るには:残債の確かめ方と売り方)。

3〜4日目:書類をそろえ、相場を自分で調べる

手順3:手元の書類を探す 最初に探すのは次の5つです。見つからない物があっても査定は頼めますが、何がないかを会社に伝えられるようにしておきます。

  • 登記識別情報通知(または登記済証=権利証)
  • 固定資産税の納税通知書と課税明細書(毎年市区町村から届く)
  • 買ったときの売買契約書・重要事項説明書
  • 間取り図、建築確認の書類、(土地・一戸建てなら)測量図や境界の書類
  • (マンションなら)管理規約、管理費・修繕積立金の額が分かる書類

段階ごとの全体は不動産売却の必要書類:査定・契約・決済の段階別チェックリストにまとめています。

手順4:成約価格で相場をつかむ 不動産情報ライブラリでは、住所や駅で地域を選び、「成約価格情報」と種類(戸建ては「土地と建物」、マンションは「中古マンション等」)を指定すると、実際に売れた価格の一覧が見られます。広告に出ている売り出し価格は売主の希望で、売れた価格とは違うので混ぜないようにします。調べ方の手順と、自分の家に当てはめる計算は家を売るといくら?成約価格のデータの調べ方と査定の使い分けで説明します。

チェックリスト:家を売る前の1週間
  • 1日目:登記事項証明書を取り、名義と抵当権を見る
  • 2日目:住宅ローンの残高を確かめる
  • 3日目:権利証・納税通知書・購入時の契約書を探す
  • 4日目:不動産情報ライブラリで近所の成約価格を見る
  • 5日目:査定を頼む会社を3社前後選び、免許番号を確かめる
  • 6日目:机上査定または訪問査定を頼む
  • 7日目:売り方・時期・最低価格を家族と話す

5〜6日目:家を売る会社を選び、査定を比較する

手順5:頼む会社を選ぶ 候補には、その地域で売買の仲介をしている会社を選びます。地元の会社と広い地域で扱う会社の両方に頼むと、査定の見方を比べられます。候補が決まったら、国土交通省の宅地建物取引業者情報検索で免許番号を確かめます。免許が国土交通大臣か都道府県知事かは、事務所を置く都道府県が2つ以上か1つかの違いです(宅建業法3条)。行政処分の履歴は別の「ネガティブ情報等検索サイト」で最近5年分が見られますが、一部の府県は県のサイトで公開しているため、そちらも見ます。

手順6:査定を頼む 物件の情報だけで出す机上査定は、相場の幅をつかむのに向きます。売ることがほぼ決まっているなら、室内や周りを見てもらう訪問査定を頼みます。依頼のときは、次のように伝えると各社の答えを比べやすくなります。

文例:「○○市○○町の一戸建て(築○年、土地○㎡)の売却を考えています。査定額と、その根拠にした成約事例を教えてください。売り出す時期は○月ごろを考えていて、売るかどうかは査定を見て決めます。」

業者が売る価格について意見を述べるときは、根拠を明らかにする義務があります(宅建業法34条の2第2項)。比べるのは金額の高さではなく、次の点です。

比較の観点 聞くこと
根拠 どの成約事例を使い、どこを加点・減点したか
売り方 仲介か、自社で買い取るのか(取引の形を明らかにする決まりがある。宅建業法34条)
期間 その価格で何か月くらいの販売を見込むか
見直し 売れないときに、いつ、何を見直すか

複数の会社に一つずつ連絡する手間を省きたいなら、一括査定でまとめて頼む方法もあります。出てくる数字は売れる値段の保証ではなく、各社の見立てなので、上の表の観点で並べて比べます。申し込んだ後は複数の会社から連絡が来ることがあり、売るか、どこに頼むかは結果を見てから決めて構いません。

7日目:売り方と時期を決める前に、後悔しやすい点を見直す

売った後で「先に確かめておけば」とならないよう、媒介契約に署名する前に次の点を家族と見直します。

  1. 最低価格:ローンの残りと売却の費用を払った後、手元にいくら残ればよいか。費用の項目は不動産売却にかかる費用一覧で確かめる。
  2. 時期:住み替え先の入居日、子どもの転校、相続の税の特例の期限など、動かせない日はあるか。
  3. 売り方:時間をかけて仲介で売るか、業者に買い取ってもらうか(不動産の買取と仲介の違い)。
  4. 税金:売却益が出そうか、使える特例はあるか(不動産売却の税金)。
  5. 貸す選択肢:売らずに貸すほうが合う事情はないか(家を売る・貸すどっちが得?)。

決めたら、売り出しから引き渡しまでの全体を不動産売却の流れ:査定から引き渡しまでの7段階と期間・費用で確かめ、どのくらいの期間がかかるかは不動産売却の流れと期間:段階別の目安と長引く原因で見通しを立てます。

よくある質問

Q. 家を売ることを家族に話す前に、査定だけ頼んでもいいですか?

査定は売却を約束するものではないので、頼むこと自体は自由です。ただし共有名義の家や、親から相続する予定の家は、売るには他の名義人の合意が要ります。査定の結果を持って話すと、価格の目安があるぶん家族も判断しやすくなります。

Q. 古くて汚れた家でも、売る前にリフォームしたほうがいいですか?

リフォームの費用を売却価格に上乗せできるとは限らず、買主が自分の好みで直したいと考えることもあります。先に査定で「そのままの場合」と「直した場合」の見込みを聞き、費用と比べてから決めます。掃除と荷物の整理は費用をかけずにできる準備です。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

不動産売却の期間は何か月?流れの段階別の目安と長引く6つの原因

家を売るといくら?成約価格のデータの調べ方と査定の使い分け

不動産会社の選び方:売却を頼む前に免許番号・実績・担当者を確認

不動産売却の必要書類:査定・契約・決済の段階別チェックリスト