不動産売却の流れ / チェックリスト

不動産売却の必要書類:査定・契約・決済の段階別チェックリスト

この記事のもくじ
  1. 不動産売却の必要書類を段階別に見る:全体の早見表
  2. 査定の段階:登記事項証明書と納税通知書から集める
  3. 媒介契約・売買契約の段階:本人確認書類と実印、印紙
  4. 決済・引き渡しの段階:登記識別情報と印鑑証明書
  5. 事情別に増える書類:チェックリスト
  6. 書類をそろえる前に確かめること

不動産売却の必要書類は、売主が持っているものを出す書類と、売るために新しく取る書類の2種類に分かれます。査定の段階では登記事項証明書と固定資産税の納税通知書があれば足り、媒介契約で本人確認書類と印鑑、売買契約で実印(会社の案内に従う)、決済で登記識別情報(権利証)と印鑑証明書が要ります。住所が変わっていれば住民票、住宅ローンが残っていれば抵当権を外す書類も加わります。下の表で、段階ごとに何を、どこで、いくらで用意するかを確かめてください。

不動産売却の必要書類を段階別に見る:全体の早見表

どの段階で何が要るかを一覧にしました。「持っているもの」は手元を探し、「取るもの」は役所や法務局で請求します。

段階 主な書類 持っている/取る 取得先
査定 登記事項証明書(登記簿謄本) 取る 法務局
査定 固定資産税の納税通知書・課税明細書 持っている 市区町村(毎年届く)
査定 間取り図、購入時の売買契約書・重要事項説明書 持っている 自宅の保管書類
媒介契約 本人確認書類、印鑑(認印か実印かは会社の案内に従う) 持っている 運転免許証など
売買契約 物件状況の告知書・設備表の元になる資料、管理規約(マンション) 持っている/書く 自宅、管理会社
売買契約 契約書に押す印鑑(実印か認印かは会社の案内に従う) 持っている 自宅
決済・引き渡し 登記識別情報(または登記済証)、印鑑証明書 持っている/取る 自宅、市区町村
決済・引き渡し 住民票(住所が登記と違うとき) 取る 市区町村
決済・引き渡し 抵当権を外す書類(ローンが残っているとき) 金融機関から受け取る 借入先の金融機関
早見表:段階別の必要書類と取得先

上の表のとおり。査定(登記事項証明書・納税通知書)→媒介契約(本人確認書類・印鑑)→売買契約(資料・印紙)→決済(権利証・印鑑証明書・住民票・抵当権の書類)の4段階を、左から右の帯にして示す。

査定の段階:登記事項証明書と納税通知書から集める

最初に集めるのは、売る家の「名義」と「税の額」が分かる書類です。

登記事項証明書(登記簿謄本) 所有者が誰か(権利部の甲区)と、抵当権が付いているか(乙区)が載っています。手数料は、窓口か郵送で書面を請求すると1通600円、オンラインで請求して郵送で受け取ると520円、窓口で受け取ると490円です(登記手数料令)。土地と建物は別々の登記なので、一戸建てなら土地と建物の2通を取ります。マンションは、建物と敷地権の情報が1通にまとまっていることが多いので、会社に必要な通数を聞いてから請求します。

固定資産税の納税通知書と課税明細書 毎年4月から6月ごろに市区町村から届く書類です。土地や建物の面積と評価額が載っているので、査定の材料になります。なくしたときは、市区町村の税務課で再発行や、評価額の証明書の請求ができます(取り方と手数料は市区町村ごとに違うので、窓口かホームページで確かめます)。

購入時の書類 買ったときの売買契約書、重要事項説明書、間取り図、パンフレットを探します。買った価格や日付は、売った後の税金の計算でも使います(不動産売却の税金:譲渡所得の計算・税率・特例の全体と確定申告)。見つからなくても査定は頼めますが、何がないかを会社に伝えておくと、あとで追加を求められる場面が減ります。

土地・一戸建て・マンションで増える書類

種類 加わる書類の例 メモ
土地 地積測量図、境界の確認書類、公図 境界がはっきりしないと、測量が必要になることがある
一戸建て 建築確認済証、検査済証、設計図書、増改築の記録 市区町村の窓口で記録の有無を確かめられる
マンション 管理規約、使用細則、管理費・修繕積立金の額が分かる書類、総会議事録 会社が管理会社や管理組合に確認して集めることが多い

土地の測量や境界の話は土地の売却の流れ:測量・境界確定から決済までの手順と費用、一戸建てなら一戸建ての売却の流れ:境界・建物の状態の確認と売り方の選び方、マンションならマンション売却の流れ:管理組合への確認から引き渡しまでの手順で順番を確かめます。

媒介契約・売買契約の段階:本人確認書類と実印、印紙

媒介契約は不動産会社に売却の仲介を頼む契約で、この段階の書類は多くありません。運転免許証などの本人確認書類と認印を用意し、会社の案内に従います(契約の種類は媒介契約の種類:一般・専任・専属専任の違いと選び方の比較表)。

売買契約では、買主に渡す資料づくりが中心になります。重要事項の説明(宅建業法35条)は、買う側に対して宅地建物取引士が書面を交付して行うものです。売主は、説明の根拠になる登記事項証明書、管理規約、これまでの修繕の記録などを出す側になります。あわせて、物件状況の告知書と設備の一覧表を売主が書きます。雨漏りの跡、白アリ、設備の故障など、知っていることは書き、知らないことは「知らない」と書きます。この書面は契約不適合責任(売った家に契約の内容と違う点があったときの売主の責任)の判断の土台になるため、記憶があいまいな点は書く前に確かめます(売主の契約不適合責任:相続した古い家を売る時の免責の考え方)。

売買契約書には収入印紙を貼ります。不動産の売買契約書の印紙税は、2027年3月31日までに作る契約書には軽減措置があり、たとえば契約金額が1,000万円超5,000万円以下なら1万円、5,000万円超1億円以下なら3万円です(国税庁)。売主用と買主用に1通ずつ作る場合、それぞれが持つ通に貼る印紙は、それぞれが負担するのが一般的です。売主が負担した印紙税は、売った後の税金の計算で売るための費用に入ります(不動産売却の税金で引ける費用:仲介手数料など譲渡費用に入るもの)。

決済・引き渡しの段階:登記識別情報と印鑑証明書

決済の日は、売主から買主への所有権の移転登記を司法書士が申請するため、書類の過不足が許されません。

書類 要点 取得先・費用
登記識別情報(権利証) 売った家を買ったときに法務局から通知された12桁の符号の書面。登記の申請に提供する(不動産登記法22条) 自宅で保管。再発行はされない
印鑑証明書 実印を押した書面とセットで使う。登記に使うものは作成後3か月以内のもの(法務局の案内) 市区町村の窓口、またはコンビニの交付サービス。1通の手数料は市区町村で違う
実印 登記の委任状などに押す 住所地の市区町村に登録した印鑑
住民票(または戸籍の附票) 登記簿の住所と今の住所が違うとき、住所の変更の経過を証明する 市区町村の窓口
本人確認書類 司法書士や不動産会社が、売主本人であることを確かめる 運転免許証など
固定資産税の納税通知書 その年の税額の日割り計算(精算)に使う。精算の決め方は契約書に書かれる 自宅
鍵、設備の保証書、取扱説明書 引き渡しで買主に渡す 自宅

印鑑証明書の3か月は、登記を申請する日から数える期限です(作成後3か月以内、と法務局が案内しています)。決済日が決まってから取れば足りるので、早く取りすぎて期限切れにならないようにします。

住所が違うとき:先に住所変更の登記が要る

登記簿の住所が引っ越し前のままだと、そのままでは売主として登記ができません。法務局の案内によると、住所変更の登記は住民票の写しなどを添えて申請し、登録免許税は不動産1個につき1,000円です。土地と建物の2個なら2,000円になります。途中で何度も引っ越していて住民票で経過が追えないときは、戸籍の附票が必要になります。申請書は自分で作れますが、売買の登記と同じ司法書士に頼むこともできます(住所変更登記を自分でする方法:必要書類・登録免許税・申請書)。

住宅ローンが残っているとき:抵当権を外す書類

ローンが残る家の登記には、借入先の金融機関の抵当権が付いています。決済の日に代金でローンを返し、抵当権を外す(抹消する)のが基本です。法務局の案内では、抹消の登記に、金融機関が出す登記識別情報(または登記済証)と、弁済証書や解除証書といった登記の原因を示す書類が使われます。登録免許税は不動産1個につき1,000円です。これらの書類は、完済の手続きをしたときに金融機関から渡されるので、決済の1〜2週間前に、いつ何が出るかを金融機関に聞いておきます。ローンの残高の確かめ方と足りない場合の払い方は、住宅ローンが残っている家を売るには:残債の確かめ方と売り方で扱います。

事情別に増える書類:チェックリスト

自分の事情に当てはまるものにチェックを入れて、不足を洗い出します。

  • 登記簿の住所と今の住所が違う → 住民票(必要なら戸籍の附票)と住所変更の登記
  • 夫婦や兄弟の共有名義 → 共有者全員の本人確認書類・実印・印鑑証明書
  • 親の名義のまま亡くなった → 相続登記に要る戸籍一式。順番は相続不動産の売却の流れ:登記から売却・申告までの順番と期限へ
  • 住宅ローンが残っている → 金融機関に完済の連絡、抵当権を外す書類
  • 権利証をなくした → 不動産会社と司法書士に早めに伝える
  • 売主が高齢で外出が難しい → 司法書士の面談や、代理人の立て方を会社に相談
  • マンション → 管理規約、管理費・修繕積立金の滞納の有無が分かる書類

共有者の1人でも書類がそろわないと、家全体は売れません。共有名義の売り方は共有名義の不動産の売却:全員の同意が要る場面と持分だけ売る方法にまとめています。

書類を集める前に、まず価格の見込みを知りたい場合は、一括査定でまとめて査定を頼む方法もあります。査定は物件の情報で出せるので、書類が全部そろっていなくても頼めます。査定額は各社の見立てで、売れる価格の保証ではありません。申し込んだ後に複数の会社から連絡が来ることがあり、売るかどうかは結果を見てから決めて構いません。

書類をそろえる前に確かめること

集める書類の数より、取る順番で手間が変わります。次の順に進めると、取り直しが減ります。

  1. 登記事項証明書で名義と住所、抵当権の有無を見る
  2. 住所が違えば住民票を取り、住所変更の登記の段取りを司法書士に聞く
  3. 住宅ローンがあれば、金融機関に完済の流れと書類の出る時期を聞く
  4. 納税通知書、購入時の契約書、管理規約などを探す
  5. 決済日が決まってから、印鑑証明書を取る

どの書類が足りないかを不動産会社に見せ、「これは取り直しが要るか」を聞く方法もあります。売る手順の全体は家を売るには何から始める?最初の1週間でやる準備と相談の順番、契約で気をつけることは不動産売却の契約の流れ:手付金・違約金・契約不適合責任の注意、当日の流れは不動産売却の決済と引き渡し:当日の流れとお金が入るタイミングへ進んでください。

よくある質問

Q. 売主の印鑑証明書は何通、いつまでに取ればよいですか?

通数は、会社や司法書士が登記と契約に使う分を数えて伝えてくれるので、指示された通数を取ります。登記に使う印鑑証明書は、作成後3か月以内のものと決まっています。決済の予定日から逆算して、早く取りすぎないようにします。

Q. 権利証(登記識別情報)をなくしても家は売れますか?

売れないわけではありません。再発行はされませんが、登記の申請では、司法書士が売主本人かどうかを確かめる手続きで代えられる方法があります。確認に手間と費用がかかるので、なくしたことは早めに不動産会社と司法書士に伝えます。

Q. 古い家で建築確認の書類や測量図が見つかりません。

見つからなくても売り出しはできます。建築確認の書類は市区町村の窓口で記録の有無を確かめられ、土地の図面は法務局で取れるものがあります。どの書類が買主や金融機関に求められそうかは、不動産会社に聞いて優先順位をつけます。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-24。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

家を売るには何から始める?最初の1週間でやる準備と相談の順番

不動産売却の契約の流れ:手付金・違約金・契約不適合責任の注意

不動産売却の決済と引き渡し:当日の流れとお金が入るタイミング

相続不動産の売却の流れ:登記から売却・申告までの順番と期限