相談先と専門家の選び方 / 基本ガイド

相続の相談はどこにする?悩み別の相談先と無料窓口・費用の選び方

この記事のもくじ
  1. 相続の相談先は悩みで決まる:早見表
  2. 無料で使える公的な窓口と、できること・できないこと
  3. 専門家に頼むなら:資格ごとの得意分野と頼み分け
  4. 費用の確かめ方:相談料・報酬・実費を分けて聞く
  5. 相談先を決める順番:期限の近い悩みから
  6. 悩み別の読み進め方:このハブの記事の地図

相続の相談先は、何に困っているかで決まります。手続き全体の入口は法テラスのサポートダイヤル(制度と窓口の案内)、不動産の名義は法務局と司法書士、相続税は税務署の電話相談と税理士、家族ともめているなら弁護士、実家の売却は不動産会社と不動産取引の電話相談です。迷ったら、無料の公的窓口で「どこに行けばよいか」を聞き、そのあと専門家を1つに絞る順番がいちばん無駄がありません。

相続の相談先は悩みで決まる:早見表

相続の悩みは、手続き・登記・税金・家族の争い・売却の5つに分けると、相談先がはっきりします。頼み先を分ける線は、その資格の人しか受けられない業務(独占業務)です。下の表の「まず使える窓口」は、相談料のかからない公的な案内です。

早見表:悩みごとの相談先
悩み まず使える公的な窓口 頼む専門家 その専門家である理由
何から手をつければよいか分からない 法テラス・サポートダイヤル(制度と窓口の案内) 司法書士・行政書士(書類の範囲で) 書類の作成と手続きの整理ができる
不動産の名義を変えたい(相続登記) 法務局の登記手続案内(予約制・自分で申請する人向け) 司法書士(弁護士も可) 登記の申請代理は司法書士法3条・73条
相続税がかかるか・申告したい 国税の電話相談センター、税務署の面接相談(予約制) 税理士 税務代理・申告書の作成・税務相談は税理士法2条・52条
相続放棄・遺言の検認など家庭裁判所の手続 家庭裁判所の家事手続案内 司法書士(書類の作成)・弁護士(代理) 裁判所に出す書類の作成は司法書士法3条1項4号
遺産の分け方でもめている・遺留分 法テラス(条件つきの無料法律相談)、弁護士会の法律相談センター 弁護士 交渉・調停の代理は弁護士法72条
遺言を作りたい 公証役場(相談は無料) 公証人・司法書士・弁護士・行政書士 公正証書遺言は公証人が作る
相続した家や土地を売りたい 不動産取引電話相談(不動産適正取引推進機構) 不動産会社(宅建業者)、売却益の税金は税理士 仲介は宅地建物取引業の免許が必要
強引な買取の勧誘・高額な請求 消費者ホットライン 188 — 消費生活センターにつながる

番号と受付時間は、相続手続きの無料相談窓口一覧(番号と受付時間)に1か所でまとめています。資格ごとの細かな違いは相続手続きの専門家の違い(弁護士・司法書士・税理士・行政書士)で、自分の家の場合に誰へ頼むかは相続手続きは誰に頼む?財産と家族の状況で決める依頼先で整理しています。

無料で使える公的な窓口と、できること・できないこと

公的な窓口は無料で使えるものが多い一方、どこも「あなたの場合はこうすべき」という結論は出しません。守備範囲を知っておくと回り道が減ります。

  • 法テラス・サポートダイヤル:使える制度と窓口を教えてもらえる入口です。個別の法律判断はしません。法務省のページは、裁判所の手続は最寄りの裁判所、登記は不動産を管轄する法務局へ、と問い合わせ先を振り分けています。
  • 法務局の登記手続案内:完全予約制で、自分で相続登記を申請する人に申請書の作り方を説明します。申請の代理や書類の作成は、司法書士と弁護士に限られます。
  • 国税の電話相談センターと税務署:相続税などの一般的な質問に答えます。申告書を代わりに作る場ではありません。
  • 家庭裁判所の家事手続案内:相続放棄や調停の申立ての方法を案内します。どうすべきかを判断する法律相談ではありません。
  • 公証役場・不動産取引電話相談・相続登記相談センター:遺言の相談、売買・賃貸の電話相談、近くの司法書士会の窓口への取次ぎが、それぞれの役目です。

番号、受付時間、予約の要否、法テラスの無料相談の回数や時間といった細かな条件は、変わることがあるので相続手続きの無料相談窓口一覧(番号と受付時間)で確かめてください。

専門家に頼むなら:資格ごとの得意分野と頼み分け

公的な窓口で方向が決まったら、実際に書類を作り、申請し、交渉するのは専門家です。頼み分けの軸は次の4つで、迷う組み合わせは個別の記事で比べています。

  1. 弁護士:遺産の分け方や遺留分で、ほかの相続人との交渉・調停の代理が要るとき。報酬を得て法律事件の代理をするのは、弁護士法72条で弁護士の仕事とされています。弁護士は登記の代理もでき、国税局長に通知すれば税理士の仕事もできます。詳しくは相続で弁護士に頼むべきとき(もめている・交渉が要る場面)。
  2. 司法書士:相続登記の申請、相続放棄の申述書など家庭裁判所に出す書類の作成。家庭裁判所の手続では書類の作成までで、代理人として出席するのは原則として弁護士です。詳しくは相続で司法書士に頼めること(登記・書類作成・相続放棄)。
  3. 税理士:相続税の申告、亡くなった人の所得税の申告(準確定申告)、相続した家を売ったときの申告。税理士法52条は、税理士でない人が税理士の仕事をすることを報酬の有無にかかわらず禁じています。詳しくは相続で税理士は必要か(相続税がかかる人・かからない人)。
  4. 行政書士:争いがなく、登記や税務を含まない範囲での遺産分割協議書や相続関係の書類の作成、戸籍の収集。詳しくは相続で行政書士に頼めること(協議書と戸籍収集の範囲)。

不動産と相続税の両方がある家では、司法書士と税理士のどちらに先に声をかけるかで迷います。その順番は相続は司法書士と税理士どっちが先?頼む順番にまとめました。

まとめて任せたいなら、司法書士・税理士などが所属する事務所や、相続手続きの代行サービスに頼む選択肢もあります。そのときは、登記は司法書士、申告は税理士、交渉は弁護士というように、どの手続きを、どの資格者の名前で行うかを見積書で確かめます。仕組みは相続手続きの代行サービスの頼める範囲と資格者の確かめ方で説明しています。

費用の確かめ方:相談料・報酬・実費を分けて聞く

相続の費用は、相談料・専門家の報酬・実費の3つに分かれます。この3つを混ぜたまま「全部でいくら」と比べると、安く見える見積もりに実費が入っていないことに気づけません。

費用の種類 中身 確かめ方
相談料 初回の面談の料金。無料の事務所も有料の事務所もある 予約の電話で、時間と料金、延長の扱いを聞く
報酬 書類作成・申請・申告・交渉の対価 料金表と見積書。何が基本料金に入り、何が加算か
実費 登録免許税、戸籍の手数料、裁判所に納める収入印紙、郵送料 見積書で報酬と別の行になっているか

報酬の決め方は資格によって違います。司法書士は報酬を自由に決めますが、依頼を受ける前に報酬の基準を示すことが司法書士法施行規則22条で定められています。日本司法書士会連合会は報酬アンケートの平均額を公表していて、条件と金額は相続の司法書士費用(報酬と実費の内訳と見積もりの確かめ方)に載せています。行政書士の平均額は相続の行政書士費用(協議書作成と相続人調査の報酬の目安)にあります。どちらも設例の条件つきの平均で、実費は含みません。税理士の報酬には公的な統計がないので、基本報酬を遺産の総額で決めるのか、財産の種類と数で決めるのか、土地の数や特例の適用で加算があるかを、料金表で確かめます。

実費は計算の仕組みが公開されています。たとえば相続登記の登録免許税は、不動産の価額の1,000分の4です(登録免許税法 別表第一)。筆者の計算では、価額1,000万円の土地・建物なら1,000万円×4/1,000=40,000円になります。相続放棄の申述は、収入印紙800円(申述人1人)と連絡用の郵便切手です。

費用の払い方に不安があるときは、法テラスの制度も候補になります。総合法律支援法30条は、法テラスの業務として、費用を払う資力がない人のための弁護士や司法書士の報酬の立替えを定めています。立替えなので、原則として後で返していくお金です。費用の内訳は相続手続きの費用(自分でやる実費と専門家の報酬)、見積もりの比べ方は相続の費用の見積もりの取り方と相見積もりの項目にまとめています。

相談先を決める順番:期限の近い悩みから

相談先を一度に全部決める必要はありません。期限が近いもの、危険があるものから順に手をつけると、相談の回数も費用も抑えられます。

  1. 身の危険があれば、それを先に。 遺産をめぐって親族から脅されている、強引に家を売るよう迫られているときは、手続きの相談より安全が先です。窓口は相続手続きの無料相談窓口一覧の冒頭にまとめています。危険が目の前に迫っているときは110番です。
  2. 期限を確かめる。 相続放棄を考えているなら、相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。相続税の申告は相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内、相続登記は取得を知った日から3年以内です。ほかの期限も含めた一覧は相続の期限一覧(3か月・4か月・10か月・3年)にあります。
  3. 争いがあるかで、弁護士に行くかを決める。 ほかの相続人と話がまとまらない、連絡を拒まれている、使い込みが疑われる、という場合は弁護士の領域です。争いがなければ、司法書士・税理士・行政書士で足ります。
  4. 不動産と相続税の有無で、司法書士と税理士を決める。 不動産があれば相続登記、相続税の基礎控除を超えそうなら申告が要ります。両方なければ、自分で進めるか、書類作成だけを頼む道もあります。
  5. 準備をしてから相談する。 家族の関係図、財産と借金の一覧、聞きたいことのメモを持っていくと、限られた相談時間で結論に近づけます。作り方は相続の相談に行く前の準備(持っていく書類と聞くこと)にまとめています。

相続の手続きを名乗って「還付金がある」「法務局の者だ」などと言って電話をかけてくる詐欺もあります。電話でお金の振込やATMの操作を求められたら、いったん切り、自分で調べた公式の番号にかけ直して確かめます。見分け方は相続手続きを名乗る詐欺の手口と対処で取り上げています。

悩み別の読み進め方:このハブの記事の地図

自分の悩みに近いところから、読む順に並べています。

まず相談先を決める:公的な窓口の番号は相続手続きの無料相談窓口一覧、資格の違いは相続手続きの専門家の違い、自分の家の場合は相続手続きは誰に頼む?依頼先の選び方です。迷う組み合わせは相続は司法書士と税理士どっちが先?で、相談に行く前の支度は相続の相談に行く前の準備で整えられます。

司法書士・行政書士に頼む:頼める範囲は相続で司法書士に頼めること、頼まない場合の手間は相続で司法書士に頼まないとどうなる?にあります。費用は相続の司法書士費用、探し方は相続に強い司法書士の探し方です。行政書士は相続で行政書士に頼めることと相続の行政書士費用、両者の比較は相続は行政書士と司法書士どっち?で読めます。

相続税と税理士:必要かどうかは相続で税理士は必要か、税務署で無料で聞ける範囲は相続税の相談は税務署でできる?です。報酬は相続税の税理士費用、選ぶときの確認は相続に強い税理士の選び方、紹介サービスの仕組みは相続で税理士紹介サービスを使う前ににまとめています。

家族ともめている・弁護士:頼む場面は相続で弁護士に頼むべきとき、費用は相続の弁護士費用、無料で聞ける窓口は相続の弁護士無料相談の使い方です。面談で確かめる点は相続の弁護士選びで失敗しないために、相手から連絡が来たときは相続で他の相続人の弁護士から手紙が届いたらを読んでください。

費用と代行サービス:全体の費用は相続手続きの費用、誰が払うかは相続の税理士費用は誰が払うか、税金で引けるかは相続の費用は経費や控除になる?です。見積もりの比べ方は相続の費用の見積もりの取り方、まとめて頼む仕組みは相続手続きの代行サービスとは、銀行の仕組みは遺産整理業務とは、相談を装った電話は相続手続きを名乗る詐欺の手口で確かめられます。

よくある質問

Q. 相続の相談は無料でできますか?

公的な窓口の案内は、相談そのものは無料で使えるものが多いです。一方、司法書士・税理士・弁護士に自分の事情を話して答えをもらう相談は、有料が基本です。収入と資産が一定以下なら無料で法律相談を受けられる制度もあります。窓口ごとの条件は窓口一覧の記事にまとめています。

Q. 誰に相談すればよいか見当もつかないときは?

まず法テラスのサポートダイヤルに電話し、困っていることを話して、合う制度と窓口を案内してもらう方法があります。家族ともめているか、不動産があるか、相続税がかかりそうか、の3点を先にメモしておくと、行き先が早く決まります。

Q. 専門家に相談したら、そのまま依頼しなければいけませんか?

相談と依頼は別です。見積もりと進め方の説明を受け、持ち帰って家族と話し、ほかの事務所と比べてから決めて構いません。

出典・参考にした公的な情報

出典の確認日:2026-10-23。制度や受付条件は変わることがあります。手続きの前に、各窓口の最新の案内を確認してください。

この記事は一般的な情報で、個別の法律判断・医療的な診断をするものではありません。

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